天地人 第36話「史上最大の密約」
「密約肯定論」の理由は、兼続の挙兵と三成の挙兵が偶然というにはあまりにも出来過ぎのタイミングであること、三成が兼続に宛てた手紙に「密約」を匂わす文章があること、伏見での上杉屋敷と石田屋敷はごく近隣に位置し、「密約」を交わす機会は十分にあった・・・とするものである。
密約があったのかなかったのか、どちらも明確な証拠となるものは存在しない。ならば学者ではない素人歴史ファンとしては、「密約肯定論」を通して関ヶ原の戦いを見る方が俄然面白いわけである。多くの小説などでもこの説をとっており、この「天地人」においても当然「密約肯定論」をもとに話が進んでいくようである。
対立関係にあった武断派たちから襲撃を受けた三成だが、こともあろうに襲撃の黒幕と目される家康の屋敷に逃れる。このエピソードもまた、史実かどうかは疑わしいものだそうだが、素人歴史ファンとしてはこの説も信じたいところ。
「我らのの政(まつりごと)は天下万民のためのものであるべき。己だけが良きめをみんとするは、公平にあらず。」
三成に佐和山城蟄居を促し、政(まつりごと)のすべてを手にしようとする家康に対し言った三成の言葉。まったくもって正論である。しかし私利私欲のない純粋過ぎるほどの正論は、権力者にとっては目障りなもの。純粋な正論が必ずしも正義とは限らない。三成の言う「政(まつりごと)」は、家康の持つ政治力に敵わなかった。
間もなく発足する平成の新政権において、三成の言う天下万民のための政(まつりごと)は行われるのだろうか。とりあえずは期待したいところなのだが、家康が幹事長なだけに微妙なところである。
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by sakanoueno-kumo | 2009-09-08 00:19 | 天地人 | Trackback | Comments(0)