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龍馬伝 第4話「江戸の鬼小町」

 江戸に剣術修行に来た坂本龍馬が入門した桶町千葉道場は、幕末の剣豪・千葉周作の弟、千葉定吉(貞吉)を師範とする道場で、北辰一刀流を流派とする。兄の千葉周作は、鏡心明智流の桃井春蔵、神道無念流の斎藤弥九郎とともに幕末三剣豪と呼ばれ、「位の桃井・力の斎藤・技の千葉」と評され、幕末の江戸三大道場とされている。地方から我こそはと江戸に上ってきた剣のエリートたちは皆、この三道場の門をたたいている。現在でいえば、東大、早稲田、慶應といったところだろうか。その三大道場において、のちに龍馬は桶町千葉道場の塾頭となり、斎藤の道場・練兵館では桂小五郎が塾頭、桃井の道場・士学館では、のちに江戸に上ってくる武市半平太が塾頭となる。ここでめぐり合った全国の若者たちが、のちに尊王攘夷の発信元となっていくこととなる。

 龍馬の入門した千葉道場は、精神主義を排し、合理的な教授法が人気を呼んだらしく、江戸に剣術ブームを起こしたそうである。武骨な道場というカラーを脱し、現在でいえば「剣術教室」といった具合のとてもパブリックな道場だったようである。のちの龍馬の観念にとらわれない合理的な発想の基礎は、この千葉道場の修行時代に作られたものかもしれない。

 定吉の娘・千葉佐那。佐那子とも呼ばれる。剣術は本当に強く、10代で北辰一刀流免許皆伝に達したほどの腕前だったとか。小柄で大そうな美女だったようで、本話のタイトルどおり、「千葉の鬼小町」と呼ばれていたという。私の個人的趣味では、龍馬にまつわる女性の中ではこの佐那が一番好きだ。男勝りで気が強く、まっすぐな性格に描かれる佐那。しかし、いや、であるから、純粋で一途な女心の可憐さを感じる。(このイメージは多分に「竜馬がゆく」のキャラに感化されているのだが・・・。) つかみどころのないプッツン娘のお龍や、フェロモンたっぷりの平井加尾よりも、何倍も可愛く感じるのだが、これはオジサンの感覚だろうか・・・。これも個人的な思いだが、おそらく龍馬のことを一番思ってくれていた女性は、この佐那だったように思う。

 本話で桂小五郎も登場した。いつも冷静沈着で、謹厳実直を絵に描いたような人物に描かれることが多い桂小五郎だが、今回の多弁でちょっとコミカルな登場のしかたは、今までになかった桂小五郎を予感させる内容だった。今後が楽しみである。

 さて、次週はいよいよ黒船来航。幕末の騒乱の幕が切って落とされる。


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by sakanoueno-kumo | 2010-01-25 00:31 | 龍馬伝 | Trackback(1) | Comments(2)  

Tracked from strの気になるドラマ .. at 2010-01-26 20:48
タイトル : 『龍馬伝』第4回「江戸の鬼小町」
江戸に着いた龍馬と溝口。土佐を出発してから30日目。賑わう江戸の町に胸躍る龍馬。築地土佐藩中屋敷。剣術修行に来た龍馬。真面目に翌日、千葉道場に挨拶に行く龍馬。北辰一刀流。重太郎が子供達を教えている。近頃は女子供商人達の入門が増えている。道場に太鼓を入れて...... more
Commented by おりょう at 2010-01-25 09:48 x
こんにちは 初めまして
「龍馬伝」を検索して こちらに辿り着きました。 すごく歴史にお詳しいようで、ただあらすじや感想だけでないレビューは とてもおもしろかったです。 また遊びに来てもいいですか?
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-01-25 10:41
<おりょうさん。
過分なお言葉ありがとうございます。
素人の駄文ですが、いつでもコメントください。

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