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横綱の品格。

昨日、引退を発表した朝青龍。
昨日今日とテレビやラジオではその話題でもちきりのようだ。
良きにせよ悪しきにせよ、注目度の高かった朝青龍。
記録にも記憶にも残る大横綱であったことは間違いない。

この人の話題においていつもつきまとうのが横綱としての品格の話。
まぁ、このたびの事件の場合は横綱の品格以前に社会人としての人格の問題なので、この結果はやむをえないだろうが、彼が今まで散々欠落していると言われてきた「横綱の品格」というのはどのようなものだろう。
それは語る人によって違っていて、明確な定義はない。
「品格」という言葉を辞書で調べてみると、
「その人やその物に感じられる気高さや上品さ。品位。」
とある。
彼はその気高さや品位に欠けていたということだろうか。
彼が非難されてきた具体例は、
「土俵上でガッツポーズをしてはいけない。」
「対戦相手を威嚇するような所作はいけない。」
「闘士をむき出しにしてはいけない。」
「肩で風切って歩いてはいけない。」
「優勝してピースサインをいしてはいけない。」

などなど・・・。
つまり、おしなべて言えば横綱は「強くて謙虚」でなければならないということだろう。

であれば、その品格を備えていないと横綱に相応しくないということだが、横綱昇進の条件を調べてみると、これもはっきりとした規定はないようだが、
「2場所連続で優勝かそれに準ずる成績」
「3場所で36勝以上」

などが条件例で、品格や心得といった種の条件は何もない。
つまり、「横綱になったら自然に品格を身につけねばならない。」ということのようだ。
これは難しい。

ボクシングなどのチャンピオンと違い、大相撲の横綱に降格はない。
柔道や剣道など日本の武道における段位も同じである。
その理由はよく知らないが、武道でいうところの「免許皆伝」が相撲の横綱にあたるのだろう。
武道には「心・技・体」という心得がある。
「技を磨き、体を鍛え、心を育てる」という意味で、その三つが揃ってこその「免許皆伝」である。
力が衰え、技が鈍っても、そこに到達した精神は失われるものではない・・・という意味での免許皆伝で、横綱が降格しないのも同じ考えのもとだと想像する。
ならば、その心に到達していないものは横綱に相応しくないわけで、横綱昇進の条件として示すべきだろう。
強さより大切なものがあることを明確に定義すべきだろう。
横綱になった後で、その品格を求めるのは酷な気がする。

最後まで「横綱の品格」を理解出来なかった朝青龍。
昨日から彼の引退を惜しむ声が後を絶たない。
彼に欠落していたというその「品格」とやらがそれほど大切なのであれば、再び彼のような横綱を生み出さないよう、横綱昇進の条件について今一度考え直す必要があるだろう。

個人的には、朝青龍の相撲は魅力的でした。


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by sakanoueno-kumo | 2010-02-05 16:25 | 他スポーツ | Trackback(3) | Comments(6)  

Tracked from はまかぜマリンワールドの.. at 2010-02-05 19:06
タイトル : 朝青龍が引退へ+自宅のモデム故障?(追記あり)
こんにちは。横綱の朝青龍が、29歳の若さで引退表明を出しました。これは1月の初場所のときに起こした不祥事によるもので、理事会が「引退勧告」を出して、本人がそれにこたえて責任を持って自らやめる決断をしたものです。すでに引退届けも出して、受理されています。 事情聴取も何度か受け、役員や理事会メンバーたちの意見を受けて引退という節目を迎えてしまったんですね。それにしても、優勝もこれまで何度もしてきているだけに、非常に残念なニュースですね。相撲理事会のほうにも、電話が鳴り止まないようなこともおきているそ...... more
Tracked from 平太郎独白録 親愛なるア.. at 2010-02-08 18:06
タイトル : 朝青龍引退の本質は日本相撲協会の経営不在の無為無策
親愛なるアッティクスへ またしても先週からの続き(のようなもの)です。 この週末、朝青龍引退の裏舞台についての特集などを見ていて一番思ったのは「もう、相撲に外国人を入れるべきではないのではないか?」ということです。 特に、この件でのモンゴルの報道などを見ていて強く感じたのですが、以前、大麻で捕まったロシア人力士が解雇になった際も、ロシア側が同じような反応を示してましたよね。 いずれも、事実誤認以前の話で話にならない主張ばかりですが、とかく、外国の主張とはどこも同じようなことになるものの...... more
Tracked from 23:30の雑記帳 at 2010-05-21 23:33
タイトル : 『横綱の品格』双葉山・著|「要は稽古に出でて、稽古に帰る..
要するに、わたしども力士としては、平素の挙動も土俵の延長とならなければならない。巡業中に懸命に稽古をしても、その成果はすぐあらわれるとはかぎりません。夏なら夏の巡業中の稽古は、秋になってはじめてその効果をあらわすというのが常態です。…... more
Commented by i0812n at 2010-02-05 19:05
こんばんは。今回のニュースは、かなり相撲業界に大きな打撃
になると思いますね。それにしても、本当に残念としかいえませ
んね・・・。でもわたしとしては、朝青龍はそれなりによく頑張って
くれたと思っていますが。トラックバックします。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-02-05 22:22
< はまかぜさん。
コメントありがとうございます。
残念ですね。私も朝青龍は好きでした。
しかし、今回の結論は仕方ないと思います。可哀そうだとは思いません。ただ悔しいのひとことです。
Commented by heitaroh at 2010-02-08 18:20
この件については、先日、元横綱北の富士がコメンテーターとして出てて、『横綱になったとき、「品格」と言われ、少し戸惑いながら相撲を取っていたら、師匠か誰かに「常識的なことに反しないようにだけ気をつけていればいい」と言われた』ということを言ってました。

今回の朝青龍の件では、「品格とは?」ということが先行しているように思いますが、場所中、夜中に酔っぱらって、一般人に暴行すれば、いくら文化が違っても、「常識的に」品格に問題があることは彼自身にもわかるでしょう。

暴行については、色々言う人もいるみたいですが、少なくとも、場所中、深夜に酔っぱらって歩いていたことは否定しようがないでしょうから。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-02-08 23:03
< へいたらうさん。
今回のことは横綱の品格という以前に、ドルゴルスレン・ダグワドルジ(朝青龍)という人自身の品格の問題ですから、やむを得ない結論だと私も思います。
ただ、今まで言われてきた「品格の欠落」は、いかがなものだったかなと・・・。
heitarohさんのブログでもおっしゃられていたように、明確な定義が必要かと・・・。そして、それほど大切なものならば、横綱昇進の条件に組み入れてもよいのではないかと思う次第です。
Commented by へいたらう at 2010-02-09 11:10 x
仰るとおり、外国人を入れる以上、品格に限らず、色々とはっきりしなければならない問題というのがありますよね。
その辺の法整備を怠ってきた、これすなわち、経営不在だと思うのです。

横綱昇進というのものの基準というのも早くから問題にされてましたよね。
小錦の時でしたっけ?
また、北尾の時も「優勝経験がないのに横綱なんて」という意見もつきましたけど、横綱を作らないといけないという協会側の事情ですよね。
まあ、横綱不在というのは興行収入としても響きますので、興業としてはわからないではないのですが、であれば・・・と。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-02-09 14:28
< へいたらうさん。
北尾のときは、千代の富士のひとり横綱の状況が長く続いたため、無理やり横綱に昇進させられた観があり、「横綱見習い」などと揶揄されていたことを思い出します。
小錦は昇進に十分な成績をあげながら横綱になれなかったことを、外国人であるがためと言ってましたよね。
条件不足のまま横綱になった北尾と条件を満たしながらも横綱になれなかった小錦。
歴史を紐解いても矛盾がたくさんありますね。
やはり、明確な基準が必要でしょう。品格も含めて・・・。

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