坂本龍馬、勝海舟ゆかりの地 in 神戸 その4

 シリーズ最後に紹介するのは、勝海舟が、神戸海軍操練所建設時に住んでいたといわれる「勝海舟寓居邸」。元は兵庫の豪商である生島四郎という人物の別邸で、海舟は海軍操練所の建築が終わるまではここに仮住まいしており、坂本龍馬も何度か訪れたと言われている。場所はJR神戸駅から北へ3kmほどの場所で、閑静な住宅街の一角。神戸市民にはよく知られる「有馬街道」の入り口付近にある中道古道という細い路地に入っていくと、長い石垣塀に囲まれたその家が見えてくる。

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 狭い路地の向こうに、石垣塀が見えてくる。

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 長く続く石垣塀。この塀すべて邸のもの。

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 そしてここが、「勝海舟寓居邸」の門。当時のままらしい。

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 現在は門のほか、母屋と庭がほぼ当時のまま残っているが、海舟の寓居は1938年(昭和13年)の阪神大水害で流され平地になっているらしい。今も個人住居として生活されているため中には入れないが、西隣の「平家の供養塔」と案内のある門から入り、柵越しに見ることは出来る。門横には観光客用に看板が設置されている。

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 この邸の家主だった生島四郎という人物は、当時の神戸村を代表する庄屋・松屋の主で、酒造業、回船業で財をなした豪商。60歳を過ぎた頃、神戸村の視察に来ていた海舟と偶然知り合い、意気投合して知己となり、神戸海軍操練所の設立には大いに財力で協力したそうだ。海舟は、兵庫開港以前には西国街道沿いの村にすぎなかった神戸の将来性を見抜き、出来るだけ多くの土地を購入しておくよう四郎に勧めたという。その助言のおかげで、四郎は不動産事業においても大成功をおさめ、巨額の利を得たそうだ。また、四郎は兵庫開港に際して外国人居留地の造成を請け負い、新政府から「当港市中取締方取扱」を拝命して開港場の警備を取り仕切り、京都府物産取引立会所の御用達となり、京都の生島居宅が京都物産売捌所となった。こうして開国した新政府の信任を得た生島四郎は、まさに一大政商となった。

 邸の近くに平野祇園神社という社がある。ここに生島四郎が奉献した石燈篭がある。石碑には、勝海舟との関係が記されている。

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 シリーズ4回にわけて紹介した、坂本龍馬と勝海舟ゆかりの神戸史跡めぐり。二人が神戸で過ごした期間は、たったの1年余りで短い日々だった。しかし、龍馬にとってこの神戸は、後の海援隊の基礎をなした出発点で、風雲児・坂本龍馬の飛翔の地といっても大袈裟ではない。海舟にとっても、咸臨丸で渡米したときと同等の情熱を注いだ期間だったに違いないと私は思う。龍馬と海舟の青春の1ページに、少しだけ触れることができた1日だった。

坂本龍馬、勝海舟ゆかりの地 in 神戸 その1
坂本龍馬、勝海舟ゆかりの地 in 神戸 その2
坂本龍馬、勝海舟ゆかりの地 in 神戸 その3
坂本龍馬、勝海舟ゆかりの地 in 神戸 その4


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by sakanoueno-kumo | 2010-06-19 01:32 | 神戸の史跡・観光 | Comments(4)  

Commented by heitaroh at 2010-06-19 13:02
ここは神戸市内なんですか?
まあ、神戸も有馬辺りまで市内なんでしょうから、こういう所があってもおかしくはないのでしょうが、あまりにも神戸のイメージとは違う物で・・・。
Commented by at 2010-06-19 15:38 x
4回に渡っての「龍馬×海舟in神戸」シリーズ
大変興味深く拝読いたしました。
大昔神戸に行った時は小学生でしたので、親に引き回されただけでした。
数年前訪れた時は連合いの趣味に合わせ、関帝廟などを観光しました。
次に機会がありましたら、龍馬×海舟コースを辿ってみたいです。

先週の「愛の蛍」は脚色なのかと思っておりましたが、
sakanoueno-kumoさんのレポで実話と知りました。
小説の様なカップルですね。
また色々教えてください。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-06-19 17:51
< heitarohさん。
神戸も神戸、神戸市の中心部にほど近いところですよ。
他の地域の方にしてみれば、神戸といえば、港町と異人館をイメージされるでしょうが、あんなものはほんの一部です。
私の博多のイメージが、そこらじゅうにラーメンの屋台があると思っているようなもので・・・(笑)。

ご存じのように神戸市には東西に六甲山脈が寝そべっており、市街地と言えども南北に短いのが特徴です。
その短い南北でも、山の手と浜の手では町並みはまったく違い、写真のような古い屋敷は山の手では多く見られます。
神戸にお越しの際は、是非「勝海舟寓居邸」にお立ち寄りください(笑)。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-06-19 18:33
< 湛さん。
関帝廟は神戸に暮らしながら行ったことがありません。
三国志がお好きなんですか?
三国志といえば、漫画「三国志」の作者・横山光輝氏が神戸出身で、昨年秋、神戸市長田区に「鉄人28号」の実物大モニュメントが竣工し、観光客で賑わっています。
隣接する商店街には、三国志の登場人物・諸葛孔明・劉備・関羽・周瑜・曹操などの像があり、こちらも人気のようです。(阪神大震災で全焼した、あの商店街です。)
機会があれば、是非行ってみてください。

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