心に残る名曲 No.10 『コバルトの季節の中で』 沢田研二
謹んで哀悼の意を表します。
ザ・ピーナッツといえば、卓越した歌唱力とハーモニーの美しさでJポップス史に燦然と輝く名デュオで、『恋のバカンス』や『恋のフーガ』などのヒット曲は今でも多くのシンガーにカヴァーされ、時代を超えて語り継がれている昭和の歌姫姉妹です。
「♪モスラ~ヤ♪モスラ~♪」のエキゾチックなハーモニーは印象深いですよね。
ただ、1967年生まれの私は、ザ・ピーナッツの全盛期をリアルタイムでは知らず、ヒット曲などもすべて後年に覚えたものなので、私にとって伊藤エミさんといえば、沢田研二さんの元奥さんといった印象の方が大きいですね。
というのも、私は小中学生の頃、ジュリーの大ファンでしたから。
当時、私は小学生でしたが、アイドルの恋愛はご法度とされていた時代に、その当時のトップアイドルだったジュリーが、全盛期を過ぎた7歳も年上のオバサン歌手と結婚するという発表に驚いたものです(子供の率直な感想なのでお許し下さい)。
でも、それで人気が落ちてしまうかもしれないなんてことにまったく頓着せず、自分の気持ちを素直に貫いたジュリーの姿勢を、子供ながらにカッコイイとも思ったものです。
で、この度の伊藤エミさんの訃報をうけ、ザ・ピーナッツの曲を何か1曲あげようかと考えたのですが、上述したように世代的にリアルタイムではないので、彼女たちの歌に取り立てて思い出はありません。
そこで、無理矢理ではありますが、私の好きな沢田研二さんの曲を1曲紹介したいと思います。
ジュリーとエミさんが結婚された翌年のヒット曲、『コバルトの季節の中で』です。
この曲が発売されたのは1976年で、この前年の75年に発売されたのがジュリー最大のヒット曲『時の過ぎゆくままに』で、この翌年の77年に発売されたのが、日本レコード大賞受賞曲の『勝手にしやがれ』と、ジュリーの代表曲ともいえる2つの大ヒット曲の狭間の年に発売されたのがこの曲で、ジュリーの曲の中では比較的地味な存在の歌です。
その曲調も、他のジュリーの歌のような派手さはなく、どちらかと言えば地味な、落ち着いた雰囲気の爽やかなラブソングで、ジュリーのシングル曲の中では異質な存在といっていいでしょうか。
でも、私はこの曲が好きなんですよね~。
なんて言うか、優しい気分になれるんです。
この前年に結婚したジュリーでしたが、その直後に若気の至りで2度の暴力事件を起こし、一時期自主的に謹慎生活を送ります。
その謹慎が解けて発売されたのが、この曲だったと記憶しています。
この曲を作曲したのはジュリー自身で、いろんな意味で自分を見つめ直し、再出発の思いを込めて作った曲かもしれませんね。
当時、テレビでジュリーを見ない日はないと言われたほどの売れっ子だった彼にとっては、想像するに、皮肉にもこの謹慎期間中がはじめてのエミさんとの夫婦水入らずの時間だったのではないでしょうか。
あるいは、この優しいラブソングは、新妻のエミさんのために歌った曲だったかもしれません。
そんな思いもあって、今日はこの歌を聞きたくなりました。
のちに離婚してしまう二人ですが、おそらく2人が幸せだったであろう頃の歌です。
♪ あなたを見失いたくないのです ♪
あらためて、伊藤エミさんのご冥福をお祈りします。
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by sakanoueno-kumo | 2012-06-28 23:55 | 音楽 | Trackback(1) | Comments(4)
親愛なるアッティクスへ 今更ながら、このシリーズの続編です。 「アーティストが意味のない英語をまぶした詩を書くからプロの作詞家が育たず、時代を歌で捉えられなくなっている」 これはドラマ・阿久悠物語の中での阿久氏の結びの言葉ですが、でも、私に言わせれば、そこへ道を開いてしまったのは阿久さん自身なんじゃないですか・・・と。 時代にウケるワードをやたらちりばめ、時代に受け入れられる歌、つまり、売れる歌を作る・・・。 媒体を売れるように加工し、その一助として、売れそうな詞を付けて売り出す...... more
まだ、小学校入るかはいらないかくらいですよね?
私におけるいしだあゆみのブルー・ライト・ヨコハマみたいなものでしょうか(笑)。
私は今の木村拓哉という人を見ているといつもジュリーと重なります。
彼も永遠に輝き続けるかと思っていたんですけどねぇ。
いえいえ、小学4年生のときですよ!
私は、慕っていたイトコの兄貴の影響もあって、小中学生当時ジュリーの大ファンでした。
アルバムもほとんど持ってましたよ。
いまでもジュリーの歌はほとんど、カラオケで歌詞を見ずに歌えます(自慢・・・笑)。
幼い頃に覚えたものは、いつまでも忘れないものですね。
>永遠に輝き続けるかと思っていた
たしかにそうですね。
でも、ジュリーに比べてキムタクの下降線はまだ緩やかですが・・・。
昨今の弛んだジュリーを見ると、悲しくなります(笑)。
久々に見た沢田研二の姿が、いつの間にかカーネル・サンダース化しててビックリですよ(笑)。
ライブを楽しみにしてたファンからすれば、いきなり中止するとか言われても、「勝手にしやがれ!」(笑)とはならんでしょうに・・・・(^^;)
ザ・ピーナッツにも触れてますので、こちらも少し。『モスラ』の小人の双子姉妹役で伝説となったみたいで。
私が知ってる曲は『恋のバカンス』だけですが、これは旧ソヴィエト時代にロシアにも伝わり、ロシア語でカバーされてます。
それはYOU TUBE動画なんかで検索して視聴出来ます。
歌詞はオリジナル版を直訳したものではなく、多少独自のアレンジを加えていましたね。まあこれはこれで良い出来ですが。
ジュリーはわたしの子供の頃の憧れの人であり、いまのカーネル・サンダース姿は辛いですね。
郷ひろみなんて、還暦を過ぎてもあのスタイルとルックスを維持しているのに、かつての色男の代名詞だったジュリーのあの姿は、いかんともしがたく。
現代の色男の代名詞のキムタクも、いつかああなるのかなあ。
今回のコンサートのドタキャン騒動は、普通に見たら彼のわがままにしか見えないでしょうが、ジュリーファンから見れは、「いかにもジュリーらしい」と鷹揚に見ている人が多いようです。
彼は、自分は懐メロ歌手じゃないから、昔のヒット曲を歌わされるのならテレビには出ない、とか、今でも毎年かならずアルバムをリリースして、コンサートツアーも毎年行うなど、現役ミュージシャンとしてのこだわりを持ち続いけています。
だから、今回のことも、ファンの方を向いていないとか批判されていますが、ファンは、そんな意固地なところも含めてファンなんですよ。
だから、ファン以外の人がファンのことをわかったように語っているのは、実に的はずれな批判かと。