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惨敗の日本女子マラソンに思う、マラソンは自分本位であるべきの論。

オリンピックの花形、陸上競技が始まりましたね。
世界最速の男・ウサイン・ボルトの出場する男子100メートルの準決勝・決勝や、北京オリンピックの雪辱を晴らしたい男子ハンマー投げの室伏広治選手も気になるところですが、同じく北京の雪辱という意味では、女子マラソンの3人娘が注目でした。
1992年バルセロナの有森裕子選手の銀、1996年アトランタでの有森裕子選手の銅、2000年シドニーでの高橋尚子選手の金、2004年アテネでの野口みずき選手の金と、4大会連続でメダリストを出したマラソン王国日本が、4年前の北京ではメダル獲得はおろか8位入賞すら果たせないという悔しい結果に終わりました。
その北京の雪辱を晴らすべくスタートラインにたった日本女子マラソン代表の3人の選手でしたが、結果は木崎良子選手が2時間27分16秒で16位、尾崎好美選手が2時間27分43秒で19位、重友梨佐選手は2時間40分6秒で79位に終わり、北京のときの中村友梨香選手の13位という記録にすら及ばないという、惨憺たる結果に終わってしまいました。

今回のマラソンコースは、高低差は少ないものの狭い道直角コーナーが数多くあり、また路面は滑りやすい石畳や足に負担のかかる凸凹道が多いため転倒の危険をはらんだ難コースだと聞きます。
加えて今日は天候にも恵まれず、ランナーにとっては良いコンディションとはとても言いがたい条件でした。
しかし、コースコンディション云々はどの選手にとっても条件は同じで、敗因とは言い難いでしょう。
難コースという点で言えば、高橋尚子選手がオリンピック新記録で優勝したシドニーのコースは、アップダウンが激しく史上最高の難コースだと当時いわれていましたし、有森裕子選手が銀メダルを獲得したバルセロナのマラソンコースも、今回のロンドンのコースに似た石畳の多い難コースだったと記憶しています(あのときその石畳の給水所で男子マラソンの谷口浩美選手が転倒しましたよね)。
実際、今回この難コースといわれるコースで優勝したエチオピア代表のティキ・ゲラナ選手の記録は、高橋尚子選手が持っていたオリンピック記録を上回る新記録でゴールしました。
強い選手にとっては、コースコンディションなんて関係ないということでしょう。

昨夏の世界選手権で表彰台を独占したケニア勢が、交代で先頭を引っ張るなどチームで揺さぶりをかける戦略で勝利したことを受け、日本陸連は従来のように日本選手同士で互いにけん制し合う意識ではアフリカ勢に勝てないと判断し、オリンピックに向けて始めて代表3人での合同合宿を行ったそうですね。
一体感を高め、代表3選手が協力しながらレースを展開する「チーム戦」を選択したわけですが、結果的にその作戦で効果があったのか私にはわかりませんでした。
厳しい言い方をすれば、15キロ付近で揃って先頭に躍り出て、その後揃って脱落していったという印象で、何も脱落まで団結しなくても・・・みたいな。
もちろん、一生懸命走っている彼女たちを責めるつもりは毛頭ありませんが、陸連の戦略ミスではないでしょうか。
マラソンは自分との戦い
素人が生意気言うようですが、仲良しこよしで勝てるような世界ではないと思いますけどね。
だって、有森裕子さんや高橋尚子さんは、とても協調性があるようには見えませんよ(笑)。
当時の彼女たちにもし「チーム戦」の話を持ちかけても、きっと固辞したと思いますよ。
良きにせよ悪しきにせよ、自分本位でなければ自分との戦いには勝てないんじゃないでしょうか。

正直言って、レース前に有力選手の持ちタイムを見て、日本の3選手に好成績を期待するのは酷かなと思ってはいたのですが、予想以上に世界との差が大きいことを痛感する結果となりました。
11年前、高橋尚子選手が世界で始めて2時間20分を切って以来、世界の女子マラソンのタイムは日進月歩高速化しています。
一方で、日本選手では高橋尚子選手、野口みずき選手以降、2時間20分を切る選手は生まれていません。
今回の木崎選手と尾崎選手のタイムは、有森裕子選手がメダリストとなったときより速いタイムですからね。
それだけ世界のレベルは急速に進歩しています。
今回の結果を真摯に受け止め、今一度対策を練り直して4年後に臨んでほしいと思います。


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by sakanoueno-kumo | 2012-08-05 23:58 | 他スポーツ | Trackback | Comments(0)  

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