WBC参加は野球先進国である日本に課せられた使命。
今回のWBCへの参加や代表監督選考を巡っては日本プロ野球界でなかなか気持ちがひとつになれずにすったもんだしていましたが、ようやくスタートラインに立てたといったところでしょうか。
大会参加については、昨年の時点で先に出場を表明したンNPB(日本プロ野球機構)と、大会の収益分配見直しなどを主張した日本プロ野球選手会が対立し、一時は選手会がWBC不参加を決議する事態になりましたが、主催者側から代表スポンサー権が条件付きながら認められたことで選手会が不参加決議を撤回、何とか出場できるに至りました。
この件に関していえば、選手会の主張はわからないでもないですが、野球ファンが置き去りになっている感は否めなかったですね。
選手会というのは労働組合のような組織だと思うので、選手側の立場に立って主張するのは当然のことかもしれませんが、2004年のプロ野球再編の際にストライキに踏み切ったときや、昨年の東日本大震災に伴う開幕延期の際には、選手会の主張は単に選手の利益・不利益のみの観点ではなかったはずです。
だから、世論と一体になれたんですよね。
サッカーのワールドカップと違って野球のWBCはまだまだ創成期。
オリンピックの競技から除外されるなど、世界的に見ればマイナーな競技である野球を広く普及させるというのが、このWBCの大きなテーマのひとつだったはずです。
そのために野球先進国である日本がその一端を担うのは、当然の使命だと思います。
創成期であるがゆえに、システムに問題点があるのも否めないでしょう。
だから参加しない・・・では、第1回、第2回の覇者としてはあまりにも無責任であり、幼稚な態度といわざるを得ません。
だいいち、選手会にメジャーリーガーは所属していないわけで、彼らの出場権を奪う権利など選手会にあってはならないでしょう。
参加・不参加の決定権はNPBにあるべきで、そのNPBが参加を決定した限り、どうあれ選手は従うべきだと思います。
今回のことを踏まえて、次回以降の決定権の所在をはっきりさせておく必要があるでしょうね。
続いて揉めたのが監督人事でした。
当初NPBは、現役監督では負担が大きすぎるとの理由からOBに視点を向けたものの人選が進まず、再び現役監督から選ぶ方針に逆戻りしました。
そして、前年度日本一の福岡ソフトバンクホークス・秋山幸二監督に打診したものの、王貞治特別顧問の説得にも秋山監督は頑なに固辞、暗礁に乗り上げた状態となっていました。
この点で思い出されるのは、4年前の監督人事のときですね。
あのときも、第1回大会で世界一に導いた王貞治氏が体調面を理由に辞退したことから事態は紛糾し、一時は北京五輪の日本代表監督を務めた星野仙一氏で内定したという報道があったものの、「WBCは北京の雪辱の場ではない」というイチロー選手の海の向こうからの苦言から、人事は再び暗礁に乗り上げ、結局は前年度日本一の監督だった原辰徳氏に落ち着いたという経緯がありました。
日本代表の監督といえば野球人としては最高の誉れで、断る理由などどこにもないように思うのですが、なまじっか連覇など成し遂げてしまっているだけに、たいへんな重圧のかかる大役となってしまい、よほどの自信家かKYでなければ敬遠する気持ちもわからなくもないです。
もし3連覇を成し遂げたら英雄になれますが、3連覇を逃したら自身の指揮官としての株を下げることになりかねないですからね。
いってみれば、貧乏くじは引きたくない、という・・・。
あと、現役監督に関していえば、自軍のキャンプを代行監督に委ねるなど、確かにリスクが大きくハードでもありますからね。
でも、誰かがやらねばならない。
毎回このような事態になることを避けるためにも、明確な規定を作るべきでしょうね(その意味では、私は前年度日本一の監督が代表監督を務め、もう一方のリーグ優勝監督が補佐するというのが、もっともわかりやすいと思いますけどね)。
で、第3次「サムライジャパン」を率いることになった山本浩二監督ですが、巷では広島の監督退任から7年、北京五輪のコーチからも4年というブランクから不安視する声があがっています。
なかには、北京五輪の戦犯扱いの声も・・・。
戦犯云々は見当違いにしても、ブランクという点でいえば不安材料であるのは否定できません。
でも、じゃあブランクが3年だったら?
2年だったら大丈夫だけど3年だったら不安?
であれば、何年までが許せるブランクで何年からがアウト?・・・などなど、つまるところそれも不明瞭な基準であって、それを言い出せば結局は現役監督でなければ・・・ということになります。
ともあれ、誰かがやらねばならないところを、覚悟を決めて引き受けてくれたのだから、野球ファンとしてはツベコベ言わずに応援すべきではないでしょうか。
さて、11月のキューバとの親善試合に向けてこれから選手の招集に入ると思いますが、4年前の名古屋のチームのように、打算的な理由で出場辞退なんて選手(あるいは球団)が出てこないことを願っています。
先にも述べましたが、WBCへの協力は野球先進国である日本に課せられた使命だと思いますから・・・。
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by sakanoueno-kumo | 2012-10-12 16:29 | プロ野球 | Trackback | Comments(4)
「WBCへの協力は野球先進国である日本に課せられた使命」、まさにその通りですね。
外国に住んでいる野球ファンの私は、日本のプロ選手たちが活躍するこの大会をとても楽しみにしています。
最善の形で臨んでほしいですね。
はじめまして。
コメントありがとうございます。
イタリアにお住まいなんですね。
そちらでは、WBCはどれほど注目されているのでしょうか?
想像するに、おそらく「知る人ぞ知る」といった程度の認知度しかないんじゃないかと思いますが、そんなヨーロッパの方々にも興味を持ってもらい、いつの日かWBCがサッカーのW杯のような世界中が目標とするような催しになってほしいですね。
でもアメリカのスポーツチャンネルで放送するので、全試合を見ることができますよ。
今はヨーロッパ予選を放送中。
前回は東京ドームの試合も見ることができて楽しかったです。
ところで、私も歴史や大河ドラマ好きです(^▽^)
そーなんですね。
イタリアにいても東京ドームの試合が観られるんですね。
世界は狭い(笑)。
>私も歴史や大河ドラマ好きです
まさかイタリアでも大河ドラマが観られるのでしょうか?
毎週大河のレビューを起稿していますので、また、お時間があるときに覗いてください。
m(_ _)m