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真田丸 第33話「動乱」 ~家康襲撃未遂事件~

 太閤亡きあと、五大老筆頭であるはずの徳川家康が、法度に反して諸大名との縁組を次々と行った問題で、慶長4年(1599年)1月19日、家康以外の四大老・五奉行は、伏見の徳川屋敷に詰問使を派遣します。このときの家康は、詰問使を恫喝して追い返したとも、のらりくらりととぼけてあしらったとも伝わりますが、いずれにせよ、家康は私婚の罪を認めようとはしませんでした。これに憤慨した石田三成が、家康に毅然と立ち向かいます。ドラマでは、三成が家康襲撃を企てた設定になっていましたが、別の説では、三成はもうひとりの筆頭大老である前田利家の元に集結し、軍備を整えたともいわれます。


真田丸 第33話「動乱」 ~家康襲撃未遂事件~_e0158128_23084082.jpg これを受けて、徳川屋敷にも家康を支持する大名たちが集まり、警固が行われます。ここに、情勢は一触即発のムードとなりました。このとき、三成側についたのは、四奉行のほか、宇喜多秀家、毛利輝元、上杉景勝、佐竹義宜、小西行長、長宗我部盛親らで、一方の家康側についた大名は、伊達政宗、福島正則、池田輝政、藤堂高虎、黒田長政、加藤清正、細川忠興、加藤嘉明、浅野幸長等で、ドラマにあったように、大谷吉継も、この時点では徳川方につきます。一般に、三成と吉継は無二の親友だったといわれますが、実際には、二人の友情に関するエピソードは、すべて後世に作られたものだそうで、どこまで心を寄せていたかは定かではありません。この時点での吉継の考えは、家康を支えることで、豊臣政権を盤石なものにするというものでした。ただ、最終的に関ケ原の戦いでは三成方につくわけですから、吉継自身、迷いのなかだったのかもしれませんね。

 で、その吉継との関係もあってか、ドラマのとおり真田昌幸、真田信幸、そして、ドラマでは三成に与していた真田信繁も、実は、このときは徳川屋敷の警固に加わっています。のちに犬伏の別れで敵味方に分かれる真田家ですが、この時点では、まだ一枚岩だったようですね。昌幸にしてみれば、勝負どころはまだ先にあるとみていたのでしょうか?

真田丸 第33話「動乱」 ~家康襲撃未遂事件~_e0158128_19301095.jpg それと、今回のドラマでの石田三成と加藤清正の間柄は、今までにない微妙な関係ですね。一般に、清正と三成は犬猿の仲で、清正や福島正則武断派の三成に対する憎悪が、関ケ原の戦いの導火線になったと描かれることが多いですが、今回のドラマの清正は、いまの時点では三成を憎んではいないようです。この関係を、このあとどのように関ケ原の対立に持っていくのでしょうか? その前に、次週描かれるであろう「七将襲撃事件」にどう結びつくのか、興味深いです。


 それにしても、三成の不器用さが歯がゆいですね。清正が何度も歩み寄ろうとしているのに拒絶したり、宇喜多秀家を侮辱したような発言をして、「どうにもイラッとさせられる男だ」と言われたり、細川忠興を味方に引き入れようとして、逆に怒らせてしまったりと、人の心を読み取れないというか、デリカシーがないというか、こんなんでよくまあ、秀吉に気に入られたなあ・・・と。見ていて切なくなります。

吉継「徳川内府を殺してそのあとはどうする? おぬしは自分がまつりごとの要となるつもりか?」

三成「ほかにおらぬならば」

吉継「おぬしに人がついてくるのか?」

三成「やってみねばわからぬ!」

吉継「ならば今宵、どれだけの大名がおぬしに従った?」

もし、三成に人を引きつける能力があれば、歴史はどうなっていたでしょうね。

まあ、三成の性格がどうこうというより、家康の老獪さの前では結果は同じだったかもしれませんが。

関ケ原の戦いは、すでに始まっていました。



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by sakanoueno-kumo | 2016-08-22 23:59 | 真田丸 | Trackback(1) | Comments(2)  

Tracked from ショコラの日記帳・別館 at 2016-08-25 22:39
タイトル : 【真田丸】第33回感想と視聴率「動乱」
-「動乱」-第33回の関東の視聴率は、前回の15.8%より大きく上がって、18.... more
Commented by heitaroh at 2016-09-02 11:01
既出だと思いますが、今回、徳川内府は「だいふ」と読んでますよね。
今までは「ないふ」だったように思うんですが、まあ、「内裏」という言葉もありますし、わざわざそう呼ばせているからにはそちらが正しいんでしょうが、でも、であれば、内大臣はだいだいじんになるわけで、太政大臣と混同するような気もするのですが。
Commented by sakanoueno-kumo at 2016-09-11 03:09
> heitarohさん

たしかに(笑)。
わたしも、「だいふ」が正しいというのは、今回のドラマの解説ではじめてしりました。
内大臣が「だいだいじん」だったかどうかは知りませんが。

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