夏休み中播磨路紀行2016 その5 「書寫山圓教寺 ~後編~」
前稿に引き続き書寫山圓教寺です。
圓教寺の敷地内はあまりのも広大で、すべてをじっくり観光するには1日中かかるくらいの規模です。
この日は午後からの限られた時間での観光だったので、摩尼殿を訪れたあとは、その西奥にある有名な三之堂へ。
摩尼殿から西へ向かう参道です。
豪壮な石垣群は、まるで城跡のよう。
でも、城跡じゃないとわかるのは、石垣の上に無数の地蔵群が・・・。
なんとも神秘的な空間です。
数分歩くと、有名な3つの堂の建つ空間にたどり着きます。
右側の建物が大講堂、左奥に見えるのが食堂(じきどう)、写真左に屋根の先端が少しだけ見えているのが、常行堂です。
いずれも室町時代の再建で、国の重要文化財です。
写真では伝わりにくいですが、目の前に広がる雄大な光景に、しばし言葉がでませんでした。
こちらが、大講堂側から見た常行堂。
こちらは、食堂2階から見た常行堂。
こちらも、食堂2階から見た大講堂です。
ここ三之堂は、映画やドラマのロケ地に何度もなっていますが、そのいちばん有名なものとしては、あのトム・クルーズ主演の『ラスト・サムライ』でしょうね。
トム・クルーズ演じる主人公のオールグレン大尉と、渡辺謙さんが演じる勝元の絡みのシーンは、ここ食堂で撮影されました。
なんでも、映画スタッフがロケ地候補の姫路城の視察に訪れた際、近くのこの地に観光がてらに立ち寄ったところ、ひどく気に入られ、ロケ地に決まったそうです。
ということは、トムもあのロープウェイに乗って来たのかと思ったのですが、宿泊先の神戸からヘリでここまで着たそうです。
さすがは超スーパーハリウッドスターですね。
庶民的な謙さんは、たぶんロープウェイで来たんじゃないでしょうか?
他にも、NHK大河ドラマでは平成15年(2003年)の 『武蔵-MUSASHI-』や、平成26年(2014年)の『軍師官兵衛』でもロケ地となっています。
宮本武蔵と圓教寺の関りについては記録に残っていませんが、武蔵と姫路の関りは深く、武蔵の養子となった宮本三木之の墓が、ここ圓教寺にあります。
黒田官兵衛と圓教寺の関係は、天正6年(1578年)、織田信長の命により播磨攻めを開始した羽柴秀吉に、ここ書写山に陣を布くよう勧めたのが官兵衛だったと伝えられます。
食堂には、そのときの羽柴秀長の家臣の落書きが残されていました。
毎年夏の旅行で子供たちには何か体験学習をさせているのですが、今年はこの食堂で、なんと写経体験に挑戦。
写経は、本格的な般若心経と、初心者向けの簡易な花びら写経があります。
花びら写経は約10分程度でできるのですが、般若心経は1時間以上かかります。
ほとんどのメンバーは花びら写経を体験しましたが、一応、書道の有段者である中3のわが娘だけは、高校合格祈願をかけて般若心経に挑戦。
集中力と根気を要する作業です。
トム・クルーズと渡辺謙さんが絡んだシーンと同じ場所での写経です。
わたしも、花びら写経に挑戦。
筆をとる前に、まずは手を合わせて般若心経を唱えます。
皆が無言で机に向かう姿は、なかなか貴重な光景です。
前日に転んで肘と膝を怪我したOL1年生の彼女の願掛けは、「ケガをしない!」
そして、わが娘の般若心経が完成。
果たして志望校合格のご利益があるか!
静寂に満ちた空間で、背筋を正して写経。
たまには、そういった非日常な時間を過ごしてみるのもいいですね。
圓教寺を後にすると、中播磨といえばやはり世界遺産の姫路城。
最後に少しだけ足を運びました。
姫路城については、以前たっぷりレポートしていますので、よければ一読ください。
↓↓↓
以上、2016年の夏休みレポートを終わります。
ブログ村ランキングに参加しています。
よろしければ、応援クリック頂けると励みになります。
by sakanoueno-kumo | 2016-10-14 18:57 | 兵庫の史跡・観光 | Trackback | Comments(0)