太平記を歩く。 その38 「篠村八幡宮(足利高氏旗揚げの地)」 京都府亀岡市

京都府亀岡市にある篠村八幡宮を訪れました。

ここは、足利高氏(尊氏)尊王討幕の旗揚げをした地として知られます。

シリーズ38にして、ようやく高氏の登場です。


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鎌倉幕府の役人だった足利高氏は、当初は幕府軍として笠置山の戦い下赤坂城の戦いに従軍していましたが、そのとき、父の足利貞氏の喪中であることを理由に出兵動員を辞退しましたが、幕府はこれを許しませんでした。

『太平記』では、このことで高氏は幕府に反感を持つようになったと伝えています。


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元弘3年(1333年)閏2月24日に隠岐を脱出した後醍醐天皇(第96代天皇・南朝初代天皇)が伯耆国船上山にて挙兵すると、幕府はその鎮圧を高氏に命じます。

これを受けた高氏は、兵を率いて西へ進軍しますが、4月27日にこの地に兵を留め、社前で神に誓って決意を表明し、4月29日、後醍醐天皇側に寝返って討幕する意思を表明します。


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本殿横には、「足利高氏旗揚げの地」と刻まれた石碑があります。


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『太平記』によると、討幕の決意を表明した高氏は、戦勝祈願の願文を神前で読み上げ、その願文に添えて鏑矢を1本、神前に奉納しました。

その際、弟の足利直義をはじめ、一族の吉良、一色、仁木、細川、今川、高、上杉らの諸将も、我も我もとを一本ずつ納めて必勝を祈願したといい、そのため社壇には矢が塚のように高く積み上げらたといいます。


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境内には、そのときの矢が埋葬されたと伝わる「矢塚」があります。


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塚に建てられた石碑は、元禄15年(1702年)に奉納されたものだそうです。


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現地説明板によると、矢塚には椎の幼木が植えられ、その椎は樹齢600年程を経て周囲の椎と同じ程に成長していたそうですが、昭和9年(1934年)の室戸台風で倒れちゃったそうで、現在の椎は2代目だそうです。

第二次世界大戦時には、高氏の勝ち戦にあやかるべく、椎の倒木から作った肌身守を持参して出征した人がいたそうです。

戦前の日本では、楠木正成忠臣の象徴で高氏は逆賊扱いだったと思うのですが、必ずしもそうではなかったのでしょうか。


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矢塚横に聳えるツブラジイの巨樹です。

樹齢はわかりませんが、樹高は27mあり、「亀岡の名木」に指定されているそうです。

あるいは、この木も同じ頃に植えられたものかもしれません。


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境内の北の民家の横に、「旗立楊(はたたてやなぎ)」と呼ばれる楊が立っています。

旗揚げした高氏は、すぐさま全国各地の武将に協力を求める密書を送ったといい、5月7日までの間に、久下時重をはじめ、長澤、志宇知、山内、葦田、余田、酒井、波賀野、小山、波々伯部などが参じ、その数は2万3千にまで膨れ上がったといいます。


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このとき、次々と駆けつけてくる武将たちに陣の場所を示すため、高く聳え立つ楊の木に足利家の家紋「二両引」印の入った源氏の大白旗が掲げられたと伝えられています。


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楊の樹齢は100年程だそうで、現在の楊は昭和初期に植えられたものだそうで、高氏の時代から6~7代を経て引き継がれたものだそうです。


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高氏の寝返りが決定打となり、5月7日には京の六波羅探題が落とされ、そして5月22日に北条氏鎌倉幕府は滅亡します。

その後、高氏は後醍醐天皇から勲功第一とされ、天皇の諱「尊治」から偏諱を受け「尊氏」と改名しました。



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by sakanoueno-kumo | 2017-04-12 18:41 | 太平記を歩く | Trackback | Comments(0)  

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