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おんな城主 直虎 第23話「盗賊は二度仏を盗む」 ~井伊谷三人衆・近藤満用~

 龍雲丸率いる盗賊団言いがかりをつけて陥れようとする宇利城城主の近藤康用を、南渓瑞聞和尚の機転で返り討ちにするお話。もちろん、今話もすべて創作の回です。ていうか、龍雲丸自体が架空の人物ですからね。彼らが活躍する限り、物語は創作話から出られません。時代劇における架空の人物は常套手段ではありますが、それらのほとんどは狂言まわしの役割で活躍するキャラで、いわば物語の進行上の便利屋的存在として登場します。龍雲丸も、最初に出てきたときはそんな役割の人物かと思ったのですが、どうも、そうではなさそうで・・・。3話も続けて架空の人物が主役の話というのは、歴史ドラマとしては、ちょっとキツイかも・・・。


 今話ではずいぶんダーティーな役どころで描かれていた近藤康用ですが、実際には、のちに井伊谷三人衆のひとりとして、井伊家の行く末に大きく関わってくる人物です。井伊谷三人衆とは、菅沼忠久、鈴木重時、そして近藤康用の3人で、のちに井伊家が徳川家康と結びつくとき、彼ら3人の働きが大いに功を奏することになります。


 井伊谷三人衆のなかで、菅沼忠久と鈴木重時は井伊家の被官でしたが、近藤康用だけは、井伊家とは直接の関係はなかったと見られています。近藤家は康用の祖父・近藤満用松平清康(徳川家康の祖父)に仕えていたといい、満用の時代に戦功の恩賞として宇利城を与えられたといいます。その後、今川氏の配下に加わりますが、やがて今川を離反して徳川氏に付くことになります。ドラマでは、まだ今川氏配下の立場ですね。ただ、井伊家の目付役を任じられていたというのは、ドラマのオリジナルの設定かと思います。今話で南渓和尚にやり込められた康用ですが、のちに井伊家が生き延びる道筋を作ってくれる人物なので、このへんで大目に見てやりましょう。


さて、龍雲丸率らを手なづけて家臣にしようとする井伊直虎でしたが、空に雲があったから振られてしまいました。まあ、龍雲丸たちが家臣になろうがなるまいがどっちでもいいですが、たしかに、この時期の井伊家は、桶狭間の戦い曳馬城の戦いで多くの家臣が討死したあとで、新たに家来を召し抱えて兵力を立て直す必要があったのは事実だっただろうと思われます。そのなかには、あるいは山伏盗賊の輩もいたかもしれませんね。モグラカジゴクウなんて名の奴はいなかったでしょうが。



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by sakanoueno-kumo | 2017-06-12 23:40 | おんな城主 直虎 | Trackback | Comments(2)  

Commented by いけ at 2017-06-13 19:37 x
おっしゃる通りですね、架空のしかもチャラ男キャラが3話続けて主役では興ざめです。歴史ファンはこれは求めてないはずです。。
Commented by sakanoueno-kumo at 2017-06-14 20:22
> いけさん

ですよね。
本当は直虎が城主になる前にもっとドラマがあったはずなんですが、おそらく直虎を早く城主にしたいがためにそれらを割愛して物語を進め、史料のほとんどない直虎城主時代を長く描こうとするあまり、架空のチャラ男に頼らなければストーリーが作れないのでしょう。
そもそも無理があるんですよね。

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