カテゴリ:高校野球( 15 )

 

第88回選抜高校野球大会 観戦備忘録

青い空、白い雲。

・・・で始まるのは、夏の高校野球におけるABC朝日放送植草貞夫アナウンサーの定番名実況ですが、先の日曜日、阪神甲子園球場で行われているセンバツ高校野球大会を観戦してきました。


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甲子園に高校野球観戦にくるのはずいぶん久しぶりのことです。

息子がまだ小中学生だった頃は、ときどき親子で観にきていたのですが、その息子も大学生となり、気がつけばずいぶんとご無沙汰していました。

息子も高校までは野球やってたんですけどね。

甲子園出場なんぞ夢のまた夢でしたから。

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この日は開会式の日で、しかも第1試合と第3試合に近畿の学校が出るということもあり、けっこう席は埋まっていました。

以前に比べて高校野球人気は下降ぎみと聞きますが、球場に来てみると、ぜんぜんそうは感じないですけどね。

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まだ3月だというのに、芝生が美しいですね。

これは、芝生の二毛作のたまものだそうです。

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球場外壁のツタも、順調にツルをのばしています。

かつてのように外壁を覆い隠すまでには、あと何年かかるのでしょうね。

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わたしが観戦したのは第2試合の途中から。

鹿児島実業常総学院の強豪対決は、鹿実に軍配があがりました。

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そして第3試合は初出場の滋賀学園と、強豪・桐生第一の対決。

実は、わけあってこの日のわたしの目当ては、この試合の観戦でした。

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ここ近年、センバツ高校野球の中継はNHKしか放送しなくなりましたよね。

かつて高校野球の中継といえば、NHKはもちろんとして、春はMBS毎日放送、夏はABC朝日放送が担当して、NHKとは違った臨場感のある実況を聞けたものですが、いつの頃からか選抜のTV中継がなくなり、数年前からはラジオ中継もなくなりました。

(夏の朝日放送はまだ頑張って放送していたと思います。)

たぶん、視聴率がとれないからなんでしょうが、残念ですね。

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また、大会ハイライト番組の『みんなの甲子園』も、以前は夜11時頃から放送していたと思うのですが、数年前には夕方に移ってしまい、昨年からは早朝5時半からになっちゃいました。

朝5時台なんて、わざわざ起きて観ようとはさすがに思いません。

かつては、前身番組の『球春!センバツ甲子園』セブンティーンリポーターという女子高生レポーターの企画があり、その中に藤原紀香さんがいたという話は有名ですよね。

高校野球ファンのオジサンたちにしてみれば、平日にじっくり高校野球を視聴するのは不可能で、夜に晩酌しながら大会ハイライト番組を観るのが楽しみだったりします。

たしか、夏の『熱闘甲子園』は、夜11時頃の放送を続けてくれていたと思います。

毎日放送さん、頑張ってくださいよ!

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と、ボヤいてる間にナイターになりました。

この日の日中は暖かかったのですが、ナイターはやはり冷えます。

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第3試合は応援していた滋賀学園が勝ちました。

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以上、久々に訪れた甲子園観戦備忘録でした。

本大会中に、もう一回くらい観に行けたらと思っています。



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by sakanoueno-kumo | 2016-03-24 03:40 | 高校野球 | Trackback | Comments(2)  

戦後70年、創設100周年記念高校野球大会の選手宣誓に感涙。

今年の夏の高校野球「第97回全国高校野球選手権大会」は、創設100周年記念大会となる節目の開催ですが、同時に今年は、戦後70年の節目の年でもあります。
そして今日、奇しくも70回目の広島原爆記念日でもある8月6日、全国大会の開会式が甲子園球場で行われました。
今年の選手宣誓は、100年前の第1回大会の優勝校である鳥羽高校(100年前は京都二中)の梅谷成悟主将が行いましたが、その内容があまりにも素晴らしかったので、勝手ながら、ここに全文掲載させていただきます。

「1915年8月、第1回全国中等学校優勝野球大会が始まりました。
それから100年間、高校野球は日本の歴史とともに歩んできました。
この100年、日本は激動と困難を乗り越えて、今日の平和を成し遂げました。
このような節目の年に聖地甲子園で野球ができることを誇りに思い、そして支えていただいた全ての方々に感謝し、全力でプレーをします。
次の100年を担う者として、8月6日の意味を深く胸に刻み、甲子園で躍動することを誓います。」


梅谷くん本人が考えたのか、あるいは周りの大人が考えたのか、でもこの際そんなことはどうでもいい。
この素晴らしい宣誓に関わったすべての人に敬意を表します。
また、このような宣誓ができる平和な日本を作ってきた先人たちに感謝します。

いま、日本の安全保障政策は、大きな転換期を迎えようとしています。
安倍内閣が憲法解釈を変えてまでのぞんだ安保関連法案は衆議院を通過し、成立はほぼ確実。
安倍晋三首相の本丸である改憲への世間の関心も、にわかに高まっています。
日本は、着々と「普通の国」になろうとしています(「普通の国」とは、自国を自国軍で守れる国ということで、つまり、戦争ができる国ということ)。
そんな殺伐とした世相のなか、われわれ大人たちは今日の高校球児の宣誓を、もう一度、一言一句、深く胸に刻みこみ、なぜ今日、彼がこの内容の宣誓をしたのかを、いま一度考えてみる機会ではないでしょうか?
彼の宣誓は、大人たちへの問題提起なんじゃないかと・・・。
いちばん考えてほしいのは、安倍さんですけどね。

今大会は創設100周年記念大会ですが、「第101回」ではなく「第97回」です。
なぜ「第97回」なのかを思い、そして、未来永劫、ずっとマイナス4であり続けるにはどうすればよいか、彼が言う次の100年を担う者のひとりとして、真剣に考えるべきだと感じました。
今日の宣誓はほんとうに感動しました。


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by sakanoueno-kumo | 2015-08-06 20:35 | 高校野球 | Trackback | Comments(0)  

第94回全国高校野球兵庫大会開会式なう!

062.gifケータイからの投稿です。
e0158128_1131261.jpgただいま兵庫県は明石球場に来ています。
今日は夏の甲子園予選の開会式、わが愚息の高校野球最後の夏が始まります。
昨夜の豪雨でグラウンド状態が心配されましたが、さすがは甲子園並みに水捌けの良い明石球場ですね。
まだ空は曇っていますが、無事開会式を開催することができてホッとしています。
兵庫県は参加校が163校という全国でも屈指の激戦区ですが、今日の開会式に参加しているのは71校
どういう選考方法なのかは知りませんが、すべてのチームが参加とはいかないのですね(わが愚息の高校も、開会式に出場するのは数年ぶりのことだそうです)。
上空を飛ぶ主催の朝日新聞社のヘリコプターから、始球式のボールが落下してきまさした。
地区予選の開会式とは思えない派手な演出です。

ここ明石球場(昨年より命名権取得に伴い「明石トーカロ球場」となっている)は、兵庫県立明石公園内にある野球場で、プロ野球のオープン戦も行われるほどの立派なグラウンドです。
その昔は読売ジャイアンツの春季キャンプ地で、あの長嶋茂雄選手が入団した当時はここでキャンプが行われていたという歴史ある球場です。
球場のある明石公園は、明石城跡を整備した歴史公園。
明石城は元和4年(1618年)に小笠原忠真によって築城され・・・いかんいかん、またいつもの悪い癖が出てしまいました(笑)。
歴史の話はまた次の機会に・・・とにかく最後の夏を悔いのないように精一杯プレーしてほしいものです。


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by sakanoueno-kumo | 2012-07-07 11:31 | 高校野球 | Trackback | Comments(0)  

松井秀喜選手の5打席連続敬遠を指示した馬淵史郎監督のインタビュー記事に思う。

もうすぐ夏の高校野球甲子園大会が始まりますが、昔の高校野球ネタで大変興味深い記事を見つけたので、本日はその記事について、わたしの思うところを述べさせていただきたいと思います。
先日、日米通算500本塁打を達成した、現・MLBアスレチックスの松井秀喜選手が1992年夏の高校野球甲子園大会で、5打席連続で敬遠されたというエピソードはあまりにも有名ですが、その敬遠を指示した明徳義塾馬淵史郎監督が、そのときの采配について語ったインタビュー記事です。
まずは、記事本文をそのまま記載します。
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松井秀喜5連続敬遠指示の監督 「人を敬うからこそ敬遠」
まもなく今年も高校野球の甲子園大会が始まるが、高知の明徳義塾・馬淵史郎監督は今年で監督生活21年。計21度の甲子園出場で通算36勝20敗。2002年夏には優勝旗を取った高校球界きっての名将をインタビューした。

──馬淵監督といえば、1992年大会の対星稜(石川)戦の「松井秀喜5連続敬遠」を語らずにはいられません。
「そやね。おかげさまで有名になりました。私は今でも間違った作戦だったとは思っていない。あの年の星稜は、高校球児の中に1人だけプロがいるようなものだった。あれ以前も、あれ以降も、松井くんほどの大打者と僕は出会っていません。甲子園で勝つための練習をやってきて、その甲子園で負けるための作戦を立てる監督なんておらんでしょ? 勝つためには松井くんを打たせてはいかんかった」

──高校野球ファンの心理を逆撫でしたのは、7回表2死無走者の場面でさえ、松井選手を歩かせたことでした。
「その時点で3-2だったでしょ。これが2点差だったら、ホームラン打たせてやりましたよ。しかし、1点差だった。もしホームランを打たれたら同点になるわけですよ。たとえヒットで終わったとしても、松井くんが打つことによって他の選手が勢いづく。そういう波及効果も恐れていました。僅少差の展開では、たとえ2死であっても歩かせることのリスクは大きいんですよ。敬遠は逃げじゃない。そこは理解してもらいたい。ただ、選手は監督の作戦に従っただけなんだから、子供たちへのバッシングはかわいそうだった。子供たちに申し訳ないことをしたと思っています」

──当時のナインに対する負い目があるということですか。
「それはない。負い目があったら監督を続けていません。あんな作戦を取って負けていたら監督を辞めていたでしょうが、勝ったわけやからね。
そもそも私は野球のルールを犯したわけやない。松井くんと勝負して抑えられるとしたら、インコースの高めしか打ち取る方法はなかったはずです。だけど胸元だけを攻めて、デッドボールを当ててケガでもさせてしまった方がよっぽど汚い野球だと思いますよ。
 野球では『盗塁』とか『刺殺』というように、盗むとか殺すといった不謹慎な言葉が使われている。その中でキレイな言葉といったら『敬遠』ぐらいのものですよ。人を敬うからこそ敬遠なわけです」

※週刊ポスト2011年8月12日号
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いろんな考え方があって然りだとは思いますが、私はこのインタビュー記事を読んで、馬淵監督は最も大切なことを忘れていると思わずにいられませんでした。
それは、高校野球は“勝負ごと”である以前に部活動であり、“教育の一環”であるということ。
高校球児はプロ野球選手のように、勝敗や成績がすべてではありません。
もちろん“勝負ごと”である以上、勝利を目標にして戦うわけですが、“教育の一環”である以上、勝つためのプロセスが重要だと思います。
勝負ごとに勝つための“指揮官”としての馬淵氏は、なるほど優れたスキルを持った方なのかもしれませんが、社会に出る前の子どもたちを指導する“教育者”としては、申し訳ありませんが、およそ相応しくない方だと思えてなりません。。

>勝つためには松井くんを打たせてはいかんかった

たしかに松井選手との勝負を避けたことで、明徳はこの試合に勝つことができました。
しかし、明徳ナインはこの試合で何を学び、何を得たのでしょう。
得たものといえば、世間からのバッシングだけだったのでは?
たしか、次の試合では世間からの白眼視に硬直して力を発揮できず、結果はボロ負けだったと記憶しています。
高校生の彼らにとっては、あの世論はあまりにも重荷だったと思います。
社会に出れば、上手くいく可能性の極めて低い事柄に、あえて挑まなければならない場面がままあります。
松井選手とて、勝負したからといって5打席連続本塁打ということは、たぶんなかったでしょう。
たとえ1打席でも松井選手を抑えることができたら、彼らの勲章になったでしょうし、勝負したことで試合に負けたとしても、そこから学び得ることはたくさんあったと思います。

>そもそも私は野球のルールを犯したわけやない

たしかにルールには反していませんが、倫理には反していると思います。
そもそも、ルールに反していなければ何をやってもいいという考え方が、指導者、教育者としていかがなものでしょう。
「法を犯したわけじゃない」といって、時間外取引という裏技を使ってニッポン放送株を買収しまくった若い実業家もいましたよね。
あれと同じです。

というのも、この5打席連続敬遠に限らず、馬淵野球にはそういった手段を選ばない倫理に反した行為が多く見られます。
たとえば、昨夏の沖縄代表興南高校と対戦した2回戦、相手投手が投球モーションに入ろうとすると打者はバッターボックスを外すといった遅延行為を再三繰り返し、主審から注意を受けていました。
おそらく、大会ナンバーワン左腕の島袋洋奨投手を容易には打ち崩せないだろうとみて、島袋投手をイラつかせるための心理作戦だったのでしょう。

他にも同試合では、明徳のブルペン(高校野球の場合、ファールグランド)で投球練習をしている捕手が落球して、そのボールがフィールド内に転がり込んだため試合が中断するといった場面も何度かありました。
これも、おそらく故意だと思います(少年野球ならともかく、甲子園に出場するような高校球児が、1試合の中でそう何度もミスをするとは思えません)。
こんな姑息な心理作戦は、今どきプロでもやりません。
でも、馬淵さんはそんな姑息な手段を高校生に教えているわけですよ。
このように、ルールに反していなければ何をやってもいいといった考え方が、教育の場である部活動に持ち込まれるのは、わたしは賛成できません。

とはいっても、私は馬淵史郎監督と面識があるわけではありませんので、あくまで氏の野球観からみた個人的意見です。
実際には、どんな方かは知りません。
ただ、スポーツにおける指揮官の采配というのは、その方のものの考え方が映しだされるものだと思いますけどね。

>人を敬うからこそ敬遠

なるほど、上手いこと言ったなと思ってしまいそうになりますが、本来の“敬遠”という言葉の持つ意味を辞書で調べてみると、「表面では敬うような態度で、実際には関わりを持たないようにする」とあります。
決して馬淵さんのいわれるような、キレイな言葉ではありません。
本当に心から敬う気持ちがあるならば、その人と関わりを持ちたいと思うのが人間でしょう。

後年、ビッグになった松井秀喜選手は、「あの敬遠で自分に箔がついた」と語っていましたが、松井選手にとってはそうだったかもしれませんが、あのとき敬遠した明徳の河野和洋投手は、「松井を5打席連続で敬遠した投手」というレッテルがいつまでもついてまわり、その後の野球生活では辛い思いをしたと聞きます。
馬淵監督がいう、勝つために必要だった作戦は、そんな代償を払っての勝利だったということです。
それでも、「今でも間違った作戦だったとは思っていない」と語る馬淵史郎監督の野球観は、私はどうにも好きになれません。




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by sakanoueno-kumo | 2011-08-03 22:02 | 高校野球 | Trackback(2) | Comments(55)  

名将、尾藤公氏の逝去を悼む。~野球は人生の縮図、社会の縮図~

 東日本大震災発生の5日前の3月6日、和歌山県立箕島高校野球部元監督の尾藤公氏が、膀胱ガンの為、68歳で亡くなられました。実は、この稿は尾藤氏が亡くなられた5日後の3月11日に起稿しようと思い、途中まで書きかけたところで東北の地震の報道が飛び込んできたため中断したものです。その後、地震のほとぼりが冷めてから起稿しようと思っていたのですが、そのタイミングを失ったまま2ヵ月以上が過ぎてしまいました。遅ればせばがら、本日、追悼の思いを込めて、起稿させていただきます。
 
 高校野球ファンにとっては、今さら尾藤さんの功績を語るまでもないとは思いますが、箕島高校の監督として、春8回夏6回、甲子園に出場、公立高校としては唯一の春夏連覇を含む、春3回夏1回の全国優勝に導いた、昭和の名将です。私たちの世代にとっては、既に亡くなられた徳島県立池田高校の蔦文也元監督と並んで、間違いなく『甲子園の顔』でした。

 しかし、そんな輝かしい記録よりも、私たちの脳裏に焼き付いているのは、『尾藤スマイル』といわれたベンチでの笑顔。それまで、“しごき”“鬼監督”といったイメージが強かった高校野球に、ベンチで笑顔を絶やさない“のびのび野球”を提唱した、最初の監督だったのではないでしょうか。守備を終えてグランドから走ってベンチに帰ってくる選手たちを、立ち上がって笑顔で向かえる尾藤監督の姿からは、心から選手を愛し、野球を愛していた尾藤さんの人柄が伝わってきたものです。

 そんな尾藤さんも、若い頃はスパルタ指導の“鬼監督”だったそうですが、1970年春に全国制覇を成し遂げた後、成績が振るわず、信任投票によって監督退任に追い込まれたそうです。その後、ボーリング場に勤務し、そこで接客を学んだことによって、これまでの指導方針を考え直し、再び監督に復帰してからは、練習の厳しさは変わらないものの、試合中は常に笑顔で接するようになったそうです。そこから、あの箕島黄金時代が始まったんですね。本番までは徹底的に鍛え上げ、ひとたび戦いが始まったら、選手たちを信頼して余計なプレッシャーを感じさせない。野球のみならず、人を使う人を育てる立場にいる者にとっては、お手本のような指導者像でした。

 尾藤さんを語るに、なんといっても外せないのは、1979年の夏大会3回戦、『神が創った試合』と語り継がれる、箕島対星稜戦の延長18回の激闘でしょう。私にとってあの試合は、高校野球史上最高の試合だと思っています。

 星稜 000 100 000 001 000 100 3

 箕島 000 100 000 001 000 101 4

 
 延長戦の名勝負という意味では、高校野球史には他にもいくつかあります。古くは1958年の板東英二投手と村椿輝雄投手の投げ合いや、1969年の三沢高校・太田幸司投手の力投、近年では、ハンカチ王子こと斎藤佑樹投手と田中将大投手の投げ合いなどが、記憶に新しいところです。しかし、これらの試合はすべて、高校生離れした投手の力投がクローズアップされた試合。それに対して箕島対星稜戦は、プロ注目といった選手がひとりもおらず、まさに全員野球での延長18回でした。それゆえに、高校生らしいミスがたくさん起きます。しかし、箕島の選手たちはそのミスで意気消沈することなく、逆にそこから一意奮闘して挽回します。それは、尾藤監督がすべてを選手たちに任せていた、選手たちを信頼していたからこそ成し得たことでしょう。何度も“万事休す”の局面になりながら、最後まで決して諦めることなく、最後は神をも味方につけた尾藤箕島。高校野球史に永遠に語り継がれるであろうこの戦いは、同時に、尾藤公という名を名将として歴史に刻んだ戦いでもありました。

 後年、延長18回の対戦相手だった星稜高校元監督の山下智茂氏は「尾藤さんの笑顔を見ていると、この人は“待つ”“信ずる”“許す”ということが出来る人なのだと思った。僕にはそれが出来なかった。その未熟さを自分で研究して野球観を変えた。」と言っておられました。それ以後、山下監督も笑顔を絶やさないスタイルに変えたといいます。

 監督勇退後は高校野球の実況解説者として活躍されていました。その解説も、決してネガティブなことをいわない、いつも選手の側に立った解説で、聞いている私たちを清々しい気持ちにさせてくれるものでした。何年もの間、「決勝戦の解説は尾藤さん」というのが定番でしたね。特に印象的だったのは、2006年夏の決勝戦の、斎藤佑樹投手と田中将大投手と投げ合いで引き分け再試合となった早稲田実業対駒大苫小牧戦の2試合のラジオ解説が、奇しくも27年前に延長18回の熱闘を繰り広げた山下智茂氏尾藤さんとのダブル解説だったこと。歴史に残る戦いを演じた二人が、時を超えて、歴史に残る戦いの解説席に並んで座っていた・・・。なんとも、不思議な巡りあわせだと感じました。

 7年ほど前からに侵され、闘病生活を余儀なくされた尾藤さんでしたが、3度の難しい手術を経験しながらも、「自分は何度か死んだようなもの。でも命の延長戦に終わりはない。人生をあきらめてはいけない。だから最後まで楽しみたい。」と語り、常に前向きだったといいます。昨年9月に甲子園球場で行われた、延長18回を戦った箕島・星稜のOB戦には、鎮痛剤を投与し、気力を振り絞って車椅子で参加されている姿をTVで観ました。そのときの言葉だったと思いますが、「命のほうは延長16回くらいまできているようだ。」と言っておられたと思います。これは一見、弱気な言葉に聞こえますが、延長16回といえば箕島・星稜戦で最大の奇跡が起きた回。星稜1点リードで迎えた16回裏の箕島の攻撃。2死ランナー無しの場面で、2年生の森川選手の打った打球は1塁ファールグランドへのポップフライ。誰もが星稜の勝利を確信した瞬間でしたが、ファーストを守っていた星稜の加藤選手が、グランドの土と人工芝の間に足を取られて転倒、ボールを取ることが出来ませんでした。命拾いをした箕島・森川選手は、その後、レフトへホームラン。土壇場で箕島は3−3の同点に追いつきます。このとき実況アナウンサーは「奇跡としかいいようがありません。」と叫んでいたのを今でも覚えています。打った森川選手は、それまで公式戦はおろか、練習試合でもホームランを打った経験がなかったそうです。まさに、神を味方につけた16回裏の攻撃。ご自身の闘病生活を、延長16回に擬えた尾藤さんの言葉は、もう一度、奇跡が起きることを信じていた言葉だったのではないでしょうか。

 その思いも虚しく、3月6日に尾藤公さんはこの世を去りました。残念ながら尾藤さんの人生の延長戦は終わってしまいましたが、しかし、彼に影響を受けた他校の監督が今でもたくさん活躍しておられること思えば、尾藤スピリッツの延長戦は、まだまだ甲子園に生き続けているといえるでしょう。それは、終わりのない延長戦です。

 最後に、私が好きな尾藤さんの言葉を記します。
 「野球というのは素晴らしいスポーツですよ。球技で、人間が得点するのは野球だけ。サッカーの場合はボールだし、ラグビーはボールと人の両方。でも、野球は人間だけ。だからこそ、人間臭いドラマが生まれる。野球というのは人生の縮図、社会の縮図ですよ。」(『高校野球熱闘の世紀。』より)

 謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。


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by sakanoueno-kumo | 2011-05-14 00:03 | 高校野球 | Trackback | Comments(0)  

第92回全国高校野球選手権大会 総括

 興南(沖縄)の史上6校目の春夏連覇で幕を閉じた第92回全国高校野球選手権大会。とにかく忙しくて閉幕してから1週間が経ち、今更?という声が聞こえないでもないが、遅ればせながら夏の甲子園大会を総括してみたい。大会結果は下記のとおり。↓↓↓
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 興南(沖縄)東海大相模(神奈川)の対戦となった決勝戦。興南のエース・島袋洋奨投手と東海大相模のエース・一二三慎太投手は、今年のセンバツ大会前からそれぞれ右投・左投のナンバーワン投手と注目されていた二人で、センバツでは東海大相模が早々と散ったため対戦はなかったが、夏の甲子園の決勝戦という最高の舞台での投げ合いが実現した。結果は13対1という思わぬ大差のゲームとなったが、投手力の差はこの点差ほどではなかったと思う。東海大相模に守備の乱れが目立った。というより、興南打線の打球の速さに東海大相模の守備陣がついていけなかったというのが正しいかもしれない。一二三投手は、春負けてからサイドスローにフォームを改造して、打たせて取るスタイルで今大会に臨んでおり、言ってみれば、自分のピッチングをしたということだ。それにも勝る興南打線の破壊力だったということだろう。結果よりも、サイドスローに改造してたった数カ月で、甲子園の決勝の舞台まで上がってきた一二三投手に拍手を贈りたい。

 一方、島袋洋奨投手はさすが春の優勝投手といった圧巻の内容だった。これまでと内容を変え、変化球主体で臨んだ決勝戦。9回9安打を許しながら要所を抑え、1失点完投は見事。奪三振4という数字が、いかに打たせて取るスタイルに終始したかを裏付けている。春夏連覇は、現レッドソックスの松坂大輔投手を擁した横浜高校以来の偉業。島袋投手の今後の進路も気になるところだ。

 4強では、大会前に起稿した拙ブログの第92回全国高校野球選手権大会直前で私の注目選手として紹介した、報徳学園(兵庫)の1年生右腕・田村伊知郎投手の活躍が光った。背番号こそ11番だが、実質はエースといっていいだろう。準々決勝の新潟明訓(新潟)戦では、7回2/3を投げ5安打1失点、三振を9個奪った。残念ながら興南戦での先発はなかったが、春夏連覇を目指す興南戦に先発して、もし破ったら・・・と考えたとき、私は27年前に史上初の夏・春・夏の3連覇を目前にしていた、水野雄仁投手を擁する池田高校を、同じく準決勝で破った1年生投手、PL学園の桑田真澄投手を思いだした。背番号11で身長も小柄。そしてなんといってもクレバーなピッチング内容。まさに1年生のときの桑田投手は今回の田村投手のような感じだった。桑田投手と比較するのはまだ早いといわれるかもしれないが、私はそれほどの可能性を田村投手に感じる。彼は中学時代は普通の学校の軟式野球部出身で、硬球をさわりだしてまだ数カ月しか経っていない。伸びしろといった意味では、まだまだ計り知れない魅力があると私は思う。今後に注目したい。

 もう一校の4強、成田(千葉)は、私の中ではまったくのダークホースだった。エース・中川諒投手のキレのあるスライダーは一級品。1回戦で強豪・智弁和歌山(和歌山)を破ったときには失礼ながら大番狂わせと思ってしまったのだが、中川投手の内容をみれば9回6安打2失点で、なんと奪三振14と素晴らしい結果だった。その後も強い内容で勝ち進み堂々4強入り。1回戦がフロックでないことを証明してみせた。準決勝の東海大相模戦では19安打10失点という内容だったが、これは全試合ひとりで投げ抜いてきた疲れもあったのだろう。彼も、今後の進路が楽しみな投手だ。

 ここまで投手のことばかり述べてきたが、今大会は例年以上に攻撃力が目立った大会でもあった。2ケタ得点で勝利したチームが決勝戦も含め15試合もあり、10点差以上の大差のゲームが6試合、さらに7点差まで入れると15試合もあった。「春は投手力、夏は攻撃力が制す」と言われるが、まさに今大会は打撃優位の大会だったといえるだろう。しかし、そんな中で4強に残ったのは、上記したように投手力の優れていた4校。打撃優位だからこそ、投手力が生きる・・・といっていいのではないだろうか。

 あと、私の個人的なことだが、名前は出さないが私が毎週末に指導している少年野球チームの卒団生が今大会に出場していた。これは私が指導者をやりだしてから初めてのことで、それだけでも興奮していたのだが、その選手が今大会で大きな活躍をしてくれた。正直興奮して鳥肌が立った。そんなこともあって、今大会は私にとって忘れられない大会となった。

 さて、沖縄代表の興南の春夏連覇となった今大会。数年前、田中将大投手を擁した北海道代表・駒澤苫小牧が夏2連覇(3年連続決勝進出)という偉業を成し遂げたかと思えば、今度は沖縄の春夏連覇だ。どちらも以前は1回戦の壁すら破るのが難しかった県。昨年の夏は、新潟代表の日本文理が準優勝だったし、今大会でも新潟明訓が8強入りをしている。逆に毎回優勝候補と目される、天理(奈良)や智弁和歌山(和歌山)などが早々と1回戦で敗退など、もはや高校野球における地域格差はなくなりつつあるようだ。これは、これまであまり良い成績がない地方で甲子園を目指す球児たちにとっても、希望が持てる傾向だと思う。優勝した興南の次の目標は、史上初の春・夏・春の3連覇。これは、だいたいの場合メンバーが変わるので容易ではない。しかし、興南の打線の破壊力を見れば、島袋投手がいなくとも不可能ではないように思う。頑張ってほしい。

 気がつけばグダグダと長い講釈をたれてしまったが、語りだすといつまでたっても尽きそうもないので、この辺りで終わりにしようと思う。球児の皆さん、たくさんの感動をありがとうございました。


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by sakanoueno-kumo | 2010-08-28 03:37 | 高校野球 | Trackback(1) | Comments(4)  

第92回全国高校野球選手権大会 直前

 さて、今年も7日(土)から高校球児の熱い日々、夏の高校野球甲子園大会が始まる。今年から我が愚息も高校球児となり(地区予選で早々に散ったが・・・)、例年以上に高校野球を身近に感じている。先日抽選会が行われ、組み合わせは下記に決まった。↓↓↓
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 センバツ優勝の興南(沖縄)は、4日目第4試合で鳴門(徳島)との対戦となった。興南の左腕・島袋洋奨投手の快投が楽しみだ。優勝すれば史上6校目の春夏連覇となるが、同ブロックには明徳義塾(高知)や仙台育英(宮城)など強豪が揃っていて、そう容易くはなさそうだ。一方で、センバツ準優勝だった日大三(東京)は今回出場を果たせなかった。日大三のような名門校でも、春夏連続出場というのは容易ではないということだろう。

 センバツで注目されながらも1回戦で甲子園を去った、東海大相模(神奈川)の右腕・一二三慎太投手が、春の雪辱を果たすべく、また甲子園にやってきた。184センチの長身から投げ下ろす角度のある速球はMAX149キロ。不完全燃焼で終わった春以来、一時は制球難で苦しんでいたそうだが、ここに来てまた調子を取り戻したらしい。春じっくり見れなかったので、今大会では勝ち上がってその実力を見せてほしいところだ。

 私の注目選手は、我が兵庫県代表の報徳学園(兵庫)の1年生右腕・田村伊知郎投手。背番号は二桁だが、1年生ながら名門・報徳学園のベンチ入りを果たし、準々決勝の市神港戦では6回を無安打ピッチング、準決勝ではセンバツ出場校の神戸国際大付を相手に8回を2失点に抑えた。まさにスーパー15歳の出現だが、驚くことに彼の中学校時代は普通の公立中学の軟式野球部出身。硬球をさわりだしてまだ4ヶ月ほどということだ。まだまだ伸び代を感じる田村投手を今後も注目していきたい。(私の息子も同じ兵庫県の1年生なのだが・・・)

 あと、ここでは名前は出さないが、私が毎週末に指導している少年野球チームの卒団生が、実は今大会に出場している。これは私が指導者をやりだしてから初めてのことで、非常に興奮している。是非頑張ってほしい。

 先日、センバツ優勝校の興南が沖縄代表に決まった後に練習試合を行ったということで、大会本部から注意処分を受けたという報道があった。理由は大会規定に、公平性を期すため地方大会開始後は全国選手権(甲子園)も含め、参加チームが敗退するまで対外試合ができないという決まりがあるらしい。規則である以上、守らなかった興南の指導者は注意を受けて然るべきかもしれないが、しかし、この規定はどういう意図のものだろう。「公平性」という理由で考えれば、そもそも地区によって不公平はある。大阪や神奈川、兵庫といった激戦区は、つい先日まで地区予選を戦っているのに対し、沖縄は47都道府県の中で一番早く代表が決定する。大阪代表が8月1日に決定したのに対して、沖縄代表が決定したのは7月18日で、約2週間もの差があるのだ。甲子園大会までとなると3週間、試合勘という観点で考えれば、これは明らかに不利なことだ。調整試合を行いたくなるのも無理もないこと。公平性というならば、本大会開催何日前というような規定に変えるべきではないだろうか・・・。

 とにもかくにも、今年もまた球児たちの熱い夏が始まる。
 いざ、熱闘甲子園!


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by sakanoueno-kumo | 2010-08-05 21:51 | 高校野球 | Trackback | Comments(4)  

第82回選抜高校野球大会 閉幕

 第82回選抜高校野球大会は、興南(沖縄)初優勝で幕を閉じた。沖縄県校としては、1999年・2008年の沖縄尚学と今回の興南で3度目の全国制覇。今大会、初めて沖縄から興南と嘉手納の2校出場を果たしており、ここ12大会で3度の全国制覇という結果を見れば、近年の沖縄勢のレベルの高さがうかがえる。沖縄勢がセンバツに初出場したのは、今からちょうど半世紀前の1960年の那覇高校。その後、1971年に普天間高校が甲子園初勝利をあげるまで、実に11年の歳月を要した。その後徐々に力をつけ、21世紀に入ってからの沖縄勢は、毎年優勝候補といわれる強豪校を送り出してくる。今や沖縄県は、全国屈指の野球王国と言ってもいいだろう。

 準優勝は、過去、春夏ともに優勝経験のある強豪・日大三(東京)。だが、意外にも東京勢がセンバツの決勝に進出するのは1992年の帝京以来18年ぶりのこと。日大三としては、1972年の準優勝以来、実に38年ぶりの決勝進出だった。試合結果は10-5というスコアになったものの、決勝戦としては21年ぶりの延長線にもつれ込む熱戦を見せてくれた。

     ■大会結果
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 興南のエース・島袋洋奨投手は、大会ナンバーワン左腕という前評判どおり、全試合通して見事なピッチングを見せてくれた。昨年夏の甲子園大会で、19奪三振という内容ながらも1回戦で敗退した反省点をふまえ、今大会は打たせて取りながら要所々々を三振で締めるという実に丁寧なピッチングが見られた。特に準決勝の大垣日大(岐阜)戦では、奪三振は6個と少ないながらも、6回2死までノーヒットの快投。決勝では延長12回、198球の力投で、スタミナ面の強さも披露した。173センチと決して大きくない体格だが、マウンド上の彼は誰よりも大きく見えた。

 日大三のエース・山崎福也投手は昨秋の新チーム結成から投手に転向した左腕。今大会では序盤コントロールに苦しみながらのピッチングが見られたが、まだまだ伸び代を感じさせる内容。夏に成長した姿が見たいものだ。

 決勝に残った両チームは打撃の方も素晴らしく、優勝した興南はチーム打率3割3分2厘で全試合2ケタ安打。準優勝の日大三はそれを上回る3割4分だった。特に興南の主将・我如古盛次君と日大三の投手・山崎福也君は、大会最多安打タイ記録の13安打を記録。「春は投手力が制す」などと言われるが、この打線あっての優勝・準優勝だったということも忘れてはならない。ただ、決勝戦で残念だったのは、興南が5失策、日大三が2失策という守りの内容。延長12回に勝負が決まったのもエラーによるものだった。高校野球にエラーは付き物だが、エラーで勝敗が決まるというのは、頑張って練習してきた球児たちにとってこれほど悔しいことはないだろう。決勝の両チームのみならず、夏に向けての課題がそこにあるように思う。

 大会全般で見ると、開幕前に評判の高かった、一二三慎太投手を擁する東海大相模(神奈川)や、岡本健投手を擁する神戸国際大付(兵庫)などが相次いで1回戦で敗退。一方で、その東海大相模を破った初出場の自由ヶ丘(福岡)や、21世紀枠出場の向陽(和歌山)が中国大会覇者の開星(島根)を破った試合、また同じく21世紀枠出場の川島(徳島)も、破れはしたものの4強まで勝ち上がった大垣日大(岐阜)を1回戦でギリギリまで苦しめるという、フレッシュなチームの頑張りが目立った。これもセンバツ高校野球の醍醐味だ。

 今大会は雨に悩まされた大会でもあった。1回戦から雨で25年ぶりという2日連続の順延。短い春休みの中、円滑な試合日程消化は重要なことだが、そんな中、可哀想だったのは雨天で行われた広陵(広島)対日大三の準決勝。5対4と広陵のリードで迎えた8回裏日大三の攻撃時、前夜から降り続いていた雨がこの回から激しさを増し、田んぼのようにぬかるんだグランドで失策が絡み、滑って上ずった球を打ち込まれて10失点。9回表の広陵の攻撃時も同じく失策が相次ぎ、5点差まで詰め寄ったもののそこまで。結果14対9で日大三が勝った。その日の天気予報は1日中雨の予報で、試合開始時も既に雨は降っており、このような試合になることは十分に予想出来た。雨がふらなくとも結果は同じだったかもしれない。しかし雨が降らなければあのような荒れた試合にはならなかったであろうことは間違いない。あのような天候は十分に予想出来た中、強行開催する理由がどこにあったのだろう。結局2試合目は翌日に順延しているのだから・・・。「これも高校野球」とは私は思わない。

 とにもかくにも、球児たちの春は終わった。また夏の甲子園で、さらに成長した彼らの姿をぜひ見たいものだが、春に活躍した球児たちが必ずしも夏に再び甲子園にやってくるとは限らない。これもまた高校野球の醍醐味だ。


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by sakanoueno-kumo | 2010-04-06 15:19 | 高校野球 | Trackback(1) | Comments(2)  

最悪な指導者の姿。

 センバツ高校野球2日目に行われた開星(島根)と向陽(和歌山)の試合で、負けた開星の監督が取材に対して「21世紀枠に負けたことは、末代までの恥です。」という、相手校をバカにした発言をして問題になっているらしい。このような言葉を公の場で発言したこの監督は、思慮が浅い大バカ者といわざるを得ないが、公の場ではなくとも選手たちの前で同じような発言をする指導者は他にも結構いるように思う。このような考え方の指導者が、子どもたちの才能の芽をつみ腐らせていっているということを、当の本人たちはわかっていない。

 負けた開星高校は昨秋の中国大会の覇者。一方で勝った向陽高校は、50年以上前には野球の名門校であったこともあるが、現在は普通の県立高校で甲子園出場も36年ぶり。この監督の発言どおり、向陽の方が「格下」と見られても仕方がないが、スポーツにおいて、この「格下」との戦いほど難しいものはない。格下の方は「負けてもともと」の気持ちで精一杯の力を発揮し、格上の方は「勝って当たり前」という、対戦相手とは別のプレッシャーという敵がいて、持てる力を出せなくなる。これはどんなスポーツであっても同じで、プロならばそれに打ち勝つ強い精神を自分で作らねばならないが、彼らは「格上」「格下」といっても所詮は高校生で、子どもなのだ。高校野球の監督の一番の仕事は、子どもたちの力を十分に発揮出来る場を作ってやることであり、プレッシャーを与えることではない。

 後先考えすに公の場でこのような失言をするぐらいだから、おそらくは劣勢で進む試合展開の最中、同じような意味合いの言葉を子どもたちに投げていたことだろう。言葉を発していなかったとしても、そう感じさせる空気をビンビンに発していたに違いない。監督がそのような状態でいると、選手たちが平常心でいられるはずがない。イニングが進むにつれて、選手たちはベンチと野球をし始める。結果を焦ってミスが生じる。力を発揮出来ないばかりか、普通に出来るはずのことさえ出来なくなってしまう。もっとも悪循環な形だ。

 「末代の恥」とまで言った敗戦の結果に導いたのは、まさにこの監督のこの姿勢。謝罪をしたのは相手校である向陽高校に対してだが、彼らはそんなことを引きずることなく2回戦に進み精一杯プレーすることだろう。本当に謝ってほしいのは、自身の率いる開星高校の選手たちに対してだ。


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下記、記事本文引用
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<センバツ>開星監督が大会本部で謝罪「失礼な発言だった」
 第82回選抜高校野球大会で第2日の22日に、1回戦で21世紀枠出場の向陽(和歌山)に敗れた開星(島根)の野々村直通監督(58)が試合後に「21世紀枠に負けて末代までの恥」と発言した問題で、野々村監督は23日午前、村本克(かつし)部長(46)とともに大会本部を訪れて経緯を報告し、「失礼な発言をした。心からおわび申し上げたい」と謝罪した。
 会見した野々村監督は「向陽や21世紀枠制度を侮辱、批判する思いはなかった」と釈明。「負けたことが悔しくて、受け止められなかった。完敗だと素直に言う前に、自分の悔しさだけが先走ってしまった」と話し、涙を流して言葉に詰まる場面もあった。
 村本部長によると、同校の大多和聡宏校長が23日朝、電話で向陽の板橋孝志校長に謝罪。同日午後には大多和校長が向陽を訪ね、直接謝るという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100323-00000525-san-base
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by sakanoueno-kumo | 2010-03-23 17:31 | 高校野球 | Trackback(2) | Comments(4)  

第82回選抜高校野球大会 直前

 21日(日)から、第82回選抜高校野球大会が始まる。13日(土)に組み合わせ抽選会が行われ、出場32校の対戦相手が決まった。毎年、高校野球のシーズンになると、仕事が手につかなくなる私である。組み合わせは下記のとおり。(オリジナルで作りました。)
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 選手宣誓は北照(北海道)の西田明央主将。打率、打点、本塁打の3部門で今大会出場選手内トップという三冠王の選手だ。宣誓は昨秋の明治神宮大会に続いて2回目。高校野球で2回も選手宣誓をすることになるなんて、かなりのラッキーボーイかもしれない。プレーも注目したいところ。

 1回戦の注目カードは、帝京(東京)VS神戸国際大付(兵庫)。東京大会の覇者と、近畿大会の覇者が激突する。神戸国際大付属の岡本健投手は、MAX144キロの速球と、抜群の制球力を持つプロ注目の右腕。かたや帝京の伊藤拓郎投手は、昨夏の甲子園で「1年生投手最速」を記録した逸材。好勝負が期待できそう。
 
 今大会注目度ナンバーワン投手は、優勝候補筆頭の東海大相模(神奈川)の右腕・一二三慎太投手。184センチの長身から投げ下ろす角度のある速球は、昨秋の時点でMAX149キロをマーク。冬を越してどれぐらい成長しているか楽しみ。左腕では、興南(沖縄)の島袋洋奨投手。こちらも昨秋の時点でMAX145キロをマーク。東海大相模の一二三投手に一歩リードしているところは、甲子園のマウンド経験があるということ。昨春のセンバツでは対富山商戦で19奪三振を奪うという好投を披露した。この2人が対戦するとすれば準決勝になるが、2校のいるBブロックは強豪ぞろいで容易ではなさそう。

 21世紀枠の出場は、山形中央(山形)、向陽(和歌山)、川島(徳島)の3校。山形中央の対戦相手は強豪・日大三(東京)、川島の対戦相手は神宮大会の覇者・大垣日大(岐阜)と、いずれも初陣には厳しい試練になりそうだが、下馬評どおりにはいかないのがセンバツの特徴。頑張って欲しい。

 昨春の大会では、花巻東(岩手)の菊池雄星投手(現・埼玉西武ライオンズ)と、清峰(長崎)の今村猛投手(現・広島東洋カープ)の、高校野球史に残る名決勝戦が生まれた。今大会では、どんな名勝負が見られるか、どんなスターが生まれるか、今から楽しみでならない。

いざ、球春。


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by sakanoueno-kumo | 2010-03-17 18:23 | 高校野球 | Trackback(2) | Comments(2)