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天地人 第30話「女たちの上洛」

 天下人となった秀吉の愚行は数々あるが、その中でも朝鮮出兵と並んで最も不評なのが、この千利休を死に追いやった行い。秀吉は貿易の利益を独占するため、堺に対し重税をかけるなど圧力を加え、独立の象徴だった壕を埋めてしまう。堺の権益を守ろうとする利休を秀吉は疎ましく思い始める。茶の湯に部分でも、秀吉が愛した「黄金の茶室」は、利休が愛する木と土の素朴な草庵とは対照的。そんな利休との思想的対立が深まっていく。本物語では省略されていたが、利休が切腹を命じられる約1カ月ほど前に、秀吉の最も信頼する弟、秀長が病死している。秀長は秀吉以上に利休を重用していた。利休と秀吉とを結ぶ太いパイプを失ったわけである。

「頭を下げてでも守らねばならぬものがある」と、景勝。
「頭を下げれば守れぬものもございます。」と、利休。
どちらも強い意志から出た「心の言葉」である。

「頭を下げてでも守らねばならぬもの」とはいったいどんなものだろう。
それは愛する家族や恋人、経営者であれば従業員・・・・つまり、「人」である。
それでは「頭を下げれば守れぬもの」とはいったいどういうものか。
それは、信念やこだわり、己の培ってきた道など・・・・つまり、「自分」である。
国主である景勝と茶人である利休。それぞれのおかれた立場から出た「心の言葉」である。

 私たちの社会において、「頭を下げてでも守らねばならぬもの」は、大人であれば大なり小なり背負っているもの。しかし、「頭を下げれば守れぬもの」は、大人になるにしたがって、失ってしまうことが多いのではないだろうか。
 非業の最期を遂げた千利休。しかし、生涯「自分」を守り続けることが出来た彼は、秀吉より幸せだったかもしれない。



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by sakanoueno-kumo | 2009-07-27 01:58 | 天地人 | Trackback | Comments(0)

 

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