天地人 第35話「家康の陰謀」
秀吉の死後、露骨に牙を出し始める徳川家康。遠まわしに上杉を奸臣呼ばわりした家康に対し、兼続はその言葉の取り消しを求めもの申す。
「天下を操る奸臣とは、不穏な大名とは、どこのどなたでございましょうか?今この場で、はきと仰せられぬならば、お言葉お取消しくだされ!」
「言の葉は、ひとたび口よりいずれば取り返しのつかぬもの。取消しなど無駄なこと。」
取り消すくらいなら初めから発言しない・・・憎らしいが正論でもある。腹の据わった者の言葉だ。失言、撤回、釈明を繰り返す平成の政治家とは性根が違うようだ。
去り際に三成に向けて、再び牙をむく家康。
「我ら力で領地切り取りし者。そなたらごときに束ねられはせぬ。」
これもまた腹の据わった言葉。悪役もここまで徹底すればある意味頼もしくも感じさせられる。
度重なる家康の挑発に耐えかね、三成は家康に対して夜討を企てる。
「ここで俺が身を棄てなければ、天下を家康に奪われる。」
豊臣政権に対する純粋な忠義の心を貫こうとする三成。ここにも腹の据わった言葉があった。
「おぬしは、我らは、天下を守る者。何より大事は揺るがぬ志だ。」
一時の感情に駆られ、はやまろうとする三成を必死で制止しようとする兼続。やはりこれも腹の据わった言葉である。
徳川家康、石田三成、直江兼続。立場は違えど、いずれの思いも腹の据わった「覚悟」の言葉である。それぞれの命を賭けた「覚悟」がやがて歴史を大きく動かすこととなる。
もうすぐ始まる民主党新政権。惨敗を喫し立て直しを図る自民党。どちらにしても「覚悟」はいかほどのものか?今はまだ、計る術もない。
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by sakanoueno-kumo | 2009-09-02 01:17 | 天地人 | Trackback | Comments(0)