人気ブログランキング | 話題のタグを見る

天地人 第35話「家康の陰謀」

 半世紀以上続いた自民党政権に終止符がうたれたこの日、この物語においてもひとつの政権が終わろうとしていた。慶長3年(1598年)8月18日、豊臣秀吉死去。享年63歳。これにより再び時勢は緊迫し始め、2年後の関ヶ原の戦いに向けて動き出す。もっとも秀吉の死を待たずしても、晩年の豊臣政権の度重なる悪政には諸大名たちも耐えがたき思いがあっただろう。終わりゆく政権の末路は腐敗への不満。今も昔も変わらない。

 秀吉の死後、露骨に牙を出し始める徳川家康。遠まわしに上杉を奸臣呼ばわりした家康に対し、兼続はその言葉の取り消しを求めもの申す。
「天下を操る奸臣とは、不穏な大名とは、どこのどなたでございましょうか?今この場で、はきと仰せられぬならば、お言葉お取消しくだされ!」
「言の葉は、ひとたび口よりいずれば取り返しのつかぬもの。取消しなど無駄なこと。」
 取り消すくらいなら初めから発言しない・・・憎らしいが正論でもある。腹の据わった者の言葉だ。失言、撤回、釈明を繰り返す平成の政治家とは性根が違うようだ。
 去り際に三成に向けて、再び牙をむく家康。
「我ら力で領地切り取りし者。そなたらごときに束ねられはせぬ。」
 これもまた腹の据わった言葉。悪役もここまで徹底すればある意味頼もしくも感じさせられる。

 度重なる家康の挑発に耐えかね、三成は家康に対して夜討を企てる。
「ここで俺が身を棄てなければ、天下を家康に奪われる。」
 豊臣政権に対する純粋な忠義の心を貫こうとする三成。ここにも腹の据わった言葉があった。
「おぬしは、我らは、天下を守る者。何より大事は揺るがぬ志だ。」
 一時の感情に駆られ、はやまろうとする三成を必死で制止しようとする兼続。やはりこれも腹の据わった言葉である。

 徳川家康、石田三成、直江兼続。立場は違えど、いずれの思いも腹の据わった「覚悟」の言葉である。それぞれの命を賭けた「覚悟」がやがて歴史を大きく動かすこととなる。
 もうすぐ始まる民主党新政権。惨敗を喫し立て直しを図る自民党。どちらにしても「覚悟」はいかほどのものか?今はまだ、計る術もない。


ブログ村ランキングに参加しています。
下記、応援クリック頂けると嬉しく思います。
     ↓↓↓
にほんブログ村 テレビブログ 大河ドラマ・時代劇へ
にほんブログ村

by sakanoueno-kumo | 2009-09-02 01:17 | 天地人 | Trackback | Comments(0)  

<< 悲しい子供たち。 「政権交代」~その時歴史が動いた~ >>