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天地人 第42話「将軍誕生」

 1563年(永禄6年)、武田信玄の六女として生まれた菊姫は、1604年(慶長8年)、上杉家伏見邸にて42年の生涯を閉じる。武田家と上杉家の同盟の証として景勝に嫁いだ菊姫だったが、両家の血を引く世継ぎ産むことは出来なかった。英雄、武田信玄と上杉謙信の血筋を託された菊姫。重圧は大変なものだっただろう。

 お家の存続が第一だったこの時代。ドラマでは自ら子を宿すことを諦めた菊姫は、夫・景勝に側室を薦める。側室が当たり前だった時代。自分が世継ぎを産めなければ側室を薦めるのが正室の務め。現代の私たちには想像できない感覚だが、しかし生涯側室を持たなかった武将も数多くいることを思えば、男女の心のあり様は今も昔も変わらないのではないかとも思える。

 景勝が側室を迎え、懐妊の事実を知ってか知らずか、世継ぎ定勝が生まれる3か月前、己の役目を終えたかのようにこの世を去った菊姫。さぞかし無念だっただろう。1595年に豊臣家への人質のため京都伏見邸に移ってから9年。上杉家が移封された米沢で暮らすことや滞在する事はもとより、京都を出ることすら一度もなかった。

 征夷大将軍を任じられた徳川家康に、祝いの謁見をするため江戸入りした景勝と兼続。しかし、菊姫の病の知らせを受けた景勝は、兼続の後押しもあって伏見に向かう。景勝不在で家康に謁見した兼続は、当然の如くあらぬ言い掛かりをつけられ、理由を問われる。
 「病の奥方を案じ、そのお心を支えんがためでございます。」
 しかし家康は信用しない。信長への忠義のために己の正室と嫡男を殺した家康である。理解出来るはずがない。しかし、兼続は言ってのける。
 「それが上杉でございまする。」
 「君臣親しく、夫婦睦まじく、親子の絆強くあることこそ、国の礎と信ずる家風でございまする。」
 「はばかりながら申し上げまする。天下を取るばかりではなく、天下を治めるつもりがあるならば、何卒この心をお分かりいただきとう存じまする。」

 政治は心である。人を案ずる心がなければ、天下を案ずることは出来ない。政権をとるのは手段であって目的ではない。政権を司るには、マニフェストよりもまずは心である。

 「友愛」を掲げる今の政権。本当にその心が本物ならば、国民は支持を続けるだろう。


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by sakanoueno-kumo | 2009-10-20 01:47 | 天地人 | Trackback | Comments(1)

 

Commented by 匿名 at 2009-10-26 22:19
こんばんは
 同感です
マニュフェスト!ばかりを連呼せず、もっと現場の声に耳を傾け、政治が人々の日々の暮らしに与える影響を考え感じて欲しいものです。
時々、独裁政権か!とか
思ってしまいます(^^;
 以上、感想です
失礼しました

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