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天地人 第46話「大坂城炎上」

 豊臣秀頼の正室で徳川家康の孫でもある千姫。織田信長の妹・市と浅井長政の孫でもあり、再来年の大河ドラマの主役・江の娘でもあり、淀殿から見れば姪にあたり、秀頼にとっては従兄妹でもある。つまり彼女の身体には織田・浅井・徳川の血が流れているわけで、彼女自身が戦国ドラマの結末といってもいいかもしれない。そんな血を引く千姫自身もまた、数奇な人生を歩むことになる。

 関ヶ原の合戦の後、7歳で秀頼に嫁いだ千姫。徳川と豊臣をかろうじて結ぶ唯一細い糸の存在だったわけだが、秀頼との仲は決して細いものではなく、非常に仲睦まじい夫婦だったという。同じく幼かった秀頼との関係は、夫婦というより兄妹のような信頼関係にあったとか。しかし、無情にも歴史はその細い糸を引き裂く道を選ぶ。大坂夏の陣において大坂城落城。秀頼と淀殿は自刃し、豊臣家は滅亡する。このとき千姫は19歳。ドラマ中では真田幸村が救い出し、兼続が家康の陣に送り届けていたが、実際には津和野藩主・坂崎直盛が救出したとの説が有名(この説も確証はないようだが・・・)。家康はこのとき「千姫を救出した者と千姫を結婚させる。」との言葉があったとか。若き日の家康は自身の正室と嫡男をも信長に対する忠義で殺した男だが、年老いたとはいえ、孫娘に対する愛情は深かったようである。

 その翌年20歳になった千姫は、桑名藩主本多忠政の嫡男・本多忠刻と再婚。ほどなく姫路城に移り住み、一男一女をもうける。新しい夫・忠刻とも夫婦仲睦まじく、これで幸せな日々を送れるかと思ったのもつかの間、長男・幸千代がわずか3歳で没し、その後流産を繰り返し子宝に恵まれず、やがて夫・忠刻も没し、30歳で再び未亡人に。その後は再婚することもなく70歳まで生きる。祖母であるお市の方や、叔母である淀殿の波乱に満ちた生涯に勝るとも劣らない数奇な人生。その血を引いた彼女の宿命だったのかもしれない。

 大阪城落城を目前に、淀殿は千姫に対して逃げることを命じる。
 「千・・・家康めに申し伝えよ。豊臣は慈悲の心を持って、真の天下人となるとな。」
 千姫と淀殿・秀頼の別れの際にどのような会話があったかなど、後世の私たちには知る由もないが、その後、秀頼と側室の間の娘が処刑されそうになった時に、千姫は身体をはって必死の助命嘆願を行い、彼女を自らの養女にして命を助けたという逸話を思えば、豊臣の慈悲の心は千姫に受け継がれており、後世の私たちのうかがい知れるところである。

 それにしても家康の最後の涙はいかがなもんだろう。ここまできたら最後まで悪役を徹底してほしかったと思ったのは私だけだろうか。あの程度の説教で反省する家康など、本ドラマではあって欲しくなかった!

 そんなこんなで次週、最終回。


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by sakanoueno-kumo | 2009-11-17 01:01 | 天地人 | Trackback | Comments(0)

 

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