第82回選抜高校野球大会 閉幕
準優勝は、過去、春夏ともに優勝経験のある強豪・日大三(東京)。だが、意外にも東京勢がセンバツの決勝に進出するのは1992年の帝京以来18年ぶりのこと。日大三としては、1972年の準優勝以来、実に38年ぶりの決勝進出だった。試合結果は10-5というスコアになったものの、決勝戦としては21年ぶりの延長線にもつれ込む熱戦を見せてくれた。
■大会結果

興南のエース・島袋洋奨投手は、大会ナンバーワン左腕という前評判どおり、全試合通して見事なピッチングを見せてくれた。昨年夏の甲子園大会で、19奪三振という内容ながらも1回戦で敗退した反省点をふまえ、今大会は打たせて取りながら要所々々を三振で締めるという実に丁寧なピッチングが見られた。特に準決勝の大垣日大(岐阜)戦では、奪三振は6個と少ないながらも、6回2死までノーヒットの快投。決勝では延長12回、198球の力投で、スタミナ面の強さも披露した。173センチと決して大きくない体格だが、マウンド上の彼は誰よりも大きく見えた。
日大三のエース・山崎福也投手は昨秋の新チーム結成から投手に転向した左腕。今大会では序盤コントロールに苦しみながらのピッチングが見られたが、まだまだ伸び代を感じさせる内容。夏に成長した姿が見たいものだ。
決勝に残った両チームは打撃の方も素晴らしく、優勝した興南はチーム打率3割3分2厘で全試合2ケタ安打。準優勝の日大三はそれを上回る3割4分だった。特に興南の主将・我如古盛次君と日大三の投手・山崎福也君は、大会最多安打タイ記録の13安打を記録。「春は投手力が制す」などと言われるが、この打線あっての優勝・準優勝だったということも忘れてはならない。ただ、決勝戦で残念だったのは、興南が5失策、日大三が2失策という守りの内容。延長12回に勝負が決まったのもエラーによるものだった。高校野球にエラーは付き物だが、エラーで勝敗が決まるというのは、頑張って練習してきた球児たちにとってこれほど悔しいことはないだろう。決勝の両チームのみならず、夏に向けての課題がそこにあるように思う。
大会全般で見ると、開幕前に評判の高かった、一二三慎太投手を擁する東海大相模(神奈川)や、岡本健投手を擁する神戸国際大付(兵庫)などが相次いで1回戦で敗退。一方で、その東海大相模を破った初出場の自由ヶ丘(福岡)や、21世紀枠出場の向陽(和歌山)が中国大会覇者の開星(島根)を破った試合、また同じく21世紀枠出場の川島(徳島)も、破れはしたものの4強まで勝ち上がった大垣日大(岐阜)を1回戦でギリギリまで苦しめるという、フレッシュなチームの頑張りが目立った。これもセンバツ高校野球の醍醐味だ。
今大会は雨に悩まされた大会でもあった。1回戦から雨で25年ぶりという2日連続の順延。短い春休みの中、円滑な試合日程消化は重要なことだが、そんな中、可哀想だったのは雨天で行われた広陵(広島)対日大三の準決勝。5対4と広陵のリードで迎えた8回裏日大三の攻撃時、前夜から降り続いていた雨がこの回から激しさを増し、田んぼのようにぬかるんだグランドで失策が絡み、滑って上ずった球を打ち込まれて10失点。9回表の広陵の攻撃時も同じく失策が相次ぎ、5点差まで詰め寄ったもののそこまで。結果14対9で日大三が勝った。その日の天気予報は1日中雨の予報で、試合開始時も既に雨は降っており、このような試合になることは十分に予想出来た。雨がふらなくとも結果は同じだったかもしれない。しかし雨が降らなければあのような荒れた試合にはならなかったであろうことは間違いない。あのような天候は十分に予想出来た中、強行開催する理由がどこにあったのだろう。結局2試合目は翌日に順延しているのだから・・・。「これも高校野球」とは私は思わない。
とにもかくにも、球児たちの春は終わった。また夏の甲子園で、さらに成長した彼らの姿をぜひ見たいものだが、春に活躍した球児たちが必ずしも夏に再び甲子園にやってくるとは限らない。これもまた高校野球の醍醐味だ。
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by sakanoueno-kumo | 2010-04-06 15:19 | 高校野球 | Trackback(1) | Comments(2)

今年の「センバツ」はで続きで予定だった1日の「決勝戦」が今日にずれ込みました。勝ち上がったのはここまで4試合「31得点」の「日大三」センバツ選考では「関東・東京」の「最後の一枠」で選ばれた学校さぞ選考委員は喜んでいる事でしょう。4試合失点が「3」と大会前だっ...... more
ある意味で自然との戦いでもありますね。
俺もとある練習試合で雨の中だったのですが、
雨ですっぽ抜けて、サヨナラ暴投負けをやった過去が
あります。
でも、今回の春の選抜は見ていて
パワーをもらったし、面白かったです。
俺も頑張らなくちゃという気持ちになりました。