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龍馬伝 第17話「怪物、容堂」

 坂本龍馬と結婚の約束をしていたといわれている千葉佐那。明治26年(1893年)に発行された「女学雑誌」の誌上に、「坂本龍馬の未亡人を訪ふ」というタイトルで談話が掲載され、その中で彼女は龍馬から求婚された事実を語っている。そして父・千葉定吉の承諾も得て、「天下静定の後を待って華燭の典を挙げん」と約束をしたという。司馬遼太郎著「竜馬がゆく」では、佐那(同小説ではさな子)が想いを打ち明け、そのお返しに龍馬は自分の着ていた紋付の片袖を破り渡したと描かれているが、明治26年の佐那が語るところでは、婚約のしるしとして千葉家から短刀一振りを贈り、龍馬からは松平春嶽から拝領した袷衣を返したという。佐那は生涯この袷衣を形見として側に置いていた。

 ドラマではつれなかった龍馬だが、実際には佐那に恋心を抱いていたようで、そのことがうかがえる姉・乙女に宛てた手紙が残っている。「此はなしはまづまづ人にゆはれんぞよ。すこしわけがある。」という書き出しで始まるこの手紙には、千葉家の佐那という娘の歳は26歳で、乗馬や剣、薙刀に優れ、琴、絵画にも通じ、もの静かで、よけいなことを言わず、平井かほよりも美人であると紹介している。「まあまあ、今の平井、平井。」と書かれており、「平井に変わって今一番好きな人。」といった意味らしい。かなりゾッコンだったようだ。

 この手紙から4年後にこの世を去った龍馬。このとき既に30歳になっていた佐那は生涯独身を通し、維新後、華族女学校(学習院女子部)の舎監をした後、千住の長屋の一角で千葉家家伝の鍼灸を生業として暮らし、明治29年(1896年)、59歳で生涯を閉じる。東京・谷中の墓地に埋葬されたが、独身ゆえ無縁仏になりそうだった為、鍼灸院の患者だった自由民権運動家・小田切鎌明の妻、豊次が不憫に想い、菩提寺だった清運寺に分骨し墓を建てたという。彼女の墓石の裏には「坂本龍馬室」と刻まれている。これまで剣術を学ぶ女性の墓参者は時折あったそうだが、今年はドラマの影響で訪れる人が後を絶たないらしい。きっとお墓の中で驚いていることだろう。

 山内容堂が牙をむきはじめた。
「土佐藩を動かしているのは藩主豊範侯でも武市半平太でもねぇ。あの御仁よ。」
麟太郎の言うとおり、まぎれもなく土佐藩を動かしていたのはこの怪物・容堂。
「最近は土佐にも、時勢に乗じて調子に乗りすぎている輩もおる。」
「土佐ではのう、下士は犬猫同然なのじゃ。下士の分際で藩を動かすなど虫唾が走る。」

 吉田東洋を消し、土佐藩のイニシアティブをとったと錯覚した武市半平太。しかし歴史上、暗殺をもってして大業を成した人物はいない。そんなことにも気がつかなかった半平太は、容堂の言うとおり、時勢に乗じて調子に乗りすぎていたのかもしれない。
「上り坂もここまでじゃ・・・武市・・・。」


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by sakanoueno-kumo | 2010-04-26 23:42 | 龍馬伝 | Trackback(5) | Comments(8)  

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Commented by ayumiyori at 2010-04-27 06:36 x
おはようございます。
今回も興味深く読ませて頂きました。龍馬が勝麟太郎先生のそばにいるあたり、江戸にいるあたりは、所在が分かりやすいようですね。手紙の存在は大きいですね。佐那さんは大袈裟に言うような感じもしません。物語としても地に足のついた生き生きした感じです。
諸国を巡ったり京あたりでは、ぼやけて、ドラマとしてもぐらつくような印象です、実際はもっと面白く破天荒であったかもしれないし、または婚約を取り交わすような実直さがあったかもしれないと想像を膨らませています。なんにせよ、魅力を感じますね。
いつも、ありがとうございます。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-04-27 10:07
< ayumiyori さん。
以前にも書いたと思いますが、私は龍馬にまつわる女性の中で、この佐那さんが一番好きです。
実際にたいそうな美女だったようですし、「鬼小町」と呼ばれていた彼女ですが、小説などに出てくる彼女は純粋で一途な女性の姿を感じさせてくれます。
司馬さんの「竜馬がゆく」を最初に読んだのが10代の頃なので、尚更でした。
晩年の彼女が語るように、本当に龍馬との結婚の約束があったのかはわかりませんが、もし事実だとすれば、龍馬も罪な男ですね。
さんざん待たせた挙句、結婚の約束をして、それから間もなくおりょうさんと結婚しちゃうんだから・・・。
龍馬は女性には結構だらしなかったのかもしれません。
Commented by at 2010-04-27 11:32 x
こんにちは。
お佐那様は老衰ではなかったのですね。付け焼刃で読み漁った龍馬豆知識あれこれで、彼と関わった女性の中ではお佐那様が一番好きなタイプです。凛とした雰囲気を想像します。龍馬を亡くした後の生き方も、おりょうさんよりお佐那様の方が好き。おりょうさんのその後も充分理解は出来ますけれど。
龍馬は「ナチュラルボーンたらし」だったのでしょう。家族に溺愛されて育った末っ子故のパーソナリティで。基本的に誰にでも優しい人はモテますね。誠実さも求めたい所だけど、龍馬の様な男性には無理かな?
東洋亡き後の怪演を担って登場!の容堂公でした。大殿の武市への思いは今後の展開への解り易い伏線でしたね。仰る通り、邪魔な者を暗殺で排除しても理は通らないと理解していますが、実は新選組が大好きなので突かれると痛い所です。
Commented by heitaroh at 2010-04-27 18:28
私の認識では、この方は、婉曲に龍馬が断ったのに、なかなか、真意が通じず困った・・・と思っていました。
確かに、「平井かほよりもマシ・・・」と手紙に書いていたことは知ってましたが、でも、そこまで確かに婚約していたのであれば、完璧な婚約不履行ですよね(笑)。
おりょうに見られる、龍馬の、自分亡き後の配慮などは、この人には一切見られませんから、やはり、婚約していたというのは、少なくとも、龍馬にはその認識はなかったのではないでしょうか。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-04-27 22:33
< 湛さん。
レス遅くなってスミマセン。

>基本的に誰にでも優しい人はモテますね。

そうですね。
龍馬が女性に優しかったかどうかはわかりませんが、実際に結構モテたという話を聞きます。
写真を見る限り、決して男前ではありませんが、佐那さんにしても、おりょうさんにしても、平井加尾にしてもかなりの美女だったようで、おっしゃるように「ナチュラルボーンたらし」だったのかもしれませんね。

武市と新選組では意味合いが違うと思いますよ。
彼らは暗殺ではなく、白昼堂々と人斬りをやってましたから・・・。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-04-27 22:50
< heitarohさん。

婚約していたという話は、晩年の佐那自身が語ったものですから、どこまでが本当のことかは誰にもわかりません。

>龍馬にはその認識はなかったのではないでしょうか。

つまり今風に言えばKYってことですね。
私もそう思います。
この大河ドラマで、ひとつだけ不満を言うとしたら、龍馬が良い人過ぎるんですね。
私が思うには、龍馬はもっとKYであつかましく、デリカシーに欠ける男でいいと思うんですね。
このドラマでの龍馬は、誠実で、気配りができて、人の気持ちがわかりすぎる・・・優等生すぎるんですよ。
あの「エヘンの手紙」などにある、独特な文体の手紙を書くような人物には、ドラマの龍馬はとても思えないんです。
主役は必ずしも良い人でなくとも良いのではと・・・スミマセン、話がソレちゃいましたね。
Commented by at 2010-04-28 16:21 x
こんにちは。再びお邪魔します。

>武市と新選組では意味合いが違うと思いますよ。
彼らは暗殺ではなく、白昼堂々と人斬りをやってましたから・・・。

そうですね。市中見廻りで斬るのは暗殺ではありません。
私が思い浮かべたのは、芹沢鴨や伊東甲子太郎を殺した件でした。
伊東の件では、土方歳三は斎藤一を密偵として潜入させました。
武市と以蔵のシチュエーションに似てなくもない?
絶対の信頼関係という肝心な点を除いて、ですけれど。
「龍馬」から逸れてしまってすみません。
お忙しいと思いますので読み流して下さるだけで結構ですよ。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-04-28 18:30
< 湛さん。
そうですね。
芹沢鴨や伊東甲子太郎の場合は暗殺でした。
ただ武市のそれとは違うのは、伊東や芹沢は仲間割れや同士討ちといった、食うか食われるかの言わば勢力争いのようなもので、現代で言えばヤクザの抗争のようなものだと思います。
土佐勤王党の行った暗殺は、公家や学者、役人といった、生かしておいても直接彼らに害を及ぼす人物ではなく、いわゆる政治テロですね。
どちらがよりダークサイドかといえば、やっぱり後者かと・・・。

斎藤一の密偵の話は諸説あり、事実かどうかはわからないようですね。
大正まで生きた斎藤ですが、明治以降の彼はほとんど新選組のことを語らなかったそうで、最も長生きしたにもかかわらず謎の多い人物ですね。
彼が多くを語ってくれていれば、新選組の数々の逸話がもっと詳らかになっていたでしょう。
でも、謎が多いからこそいろんな想像が膨らみ、面白いんですけどね。

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