人気ブログランキング | 話題のタグを見る

夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」

シリーズ最後です。
原不動滝戸倉峠のある波賀町より少し東の一宮町にある、「家原遺跡公園」を訪れました。
波賀町も一宮町も、現在では合併されて同じ宍粟市となっています。
この地は古くより瀬戸内地方と日本海地方を結ぶ交通の要衝として栄えてきた場所で、平成4年(1992年)からの調査では、縄文、弥生、古墳時代の竪穴住居跡、奈良時代の廃棄土坑、平安時代から鎌倉時代の掘建柱建物跡など、縄文から中世に至る大規模な複合遺跡が発掘されました。
この家原遺跡は、この種の遺跡としては、西日本有数の規模だそうです。

夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_15164323.jpg発掘された遺構群を忠実に復元し、史跡公園として整備された家原遺跡公園「古代の村」には、縄文時代の竪穴式住居、弥生時代の竪穴式住居、古墳時代の竪穴式住居、高床式倉庫(建物)、中世の掘立柱建物など12棟が復元され、古代から中世へと時代が移り変わっていく様子が分かりやすくなっています。

家原遺跡のある三方盆地地区は、奈良時代に成立した播磨国風土記の中では「宍禾郡(しさわのこおり)・御形里(みかたのさと)」と記されているそうで、遺跡の北方には、室町時代後期の様式や技法を伝える「御形神社(本殿は国指定重要文化財)」が鎮座するなど、豊かな歴史遺産を伝えています。

夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_17572568.jpg家原遺跡で見つかった縦穴式住居跡は、長辺6m・短辺4.9~5.5mの角の丸まった四角い形をしています。
右の写真は縄文時代の竪穴式住居。
住居跡の中からは、縄文時代中期末から後期初頭のものとみられる土器類をはじめ、石斧石鏃などが出土しています。

夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_15344376.jpg中に入ると、このように床が低くなっています。これって、大雨の際にはすぐに浸水してしまうように思うのですが、実際にはどうだったのでしょうね。入口は、子供でも身体を丸めないと入れない小さなものでした。後ろにある消火栓は、出土品ではありません(笑)。

夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_17472954.jpgこちらは弥生時代の竪穴式住居の中です。縄文時代の住居の中にも、床の真中に石で囲んだ炉がありましたが(スミマセン・・・写真とってません)、弥生時代になると写真のように、住居内の一角に立派なカマドがありました。言ってみれば、キッチン付きになったようなもんですね(笑)。両端に写っている柱は、住居を支えている支柱です。

夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_1752477.jpg左の写真は住居内上部です。床が下がっていることもあって、外から見るより結構高さがあります。ぶら下がっている電球は、当然ながら遺跡ではありません(笑)。くだらないオヤジギャグを連発するな!という声が聞こえてきそうですが、でも、この裸電球を見た9歳の我が娘からは、「弥生時代の人は、あんな小さな電球で暮らしていたの?」と、マジ顔で聞かれましたから、小さい子供のためには、そんな当たり前の説明も必要のようです。

夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_1741135.jpgこの家原遺跡は、最初に縄文時代の竪穴式住居跡が見つかり、発掘を進めていくうちに、様々な時代の遺跡が見つかったそうです。
他にも古墳時代の住居や中世の建物、高床式倉庫などがあったのですが、この日は夕方から訪れたため時間があまりとれず、ゆっくり見学できなかったのが残念です。
夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_17441967.jpgただ、写真を見ていただいてもわかるように、かなり大規模な施設にもかかわらず、見学者はほぼ私たちだけでした。
夏休みの日曜ということを考えれば、寂しい話ですね。
交通上の不便さは確かに否定できませんが、兵庫県民の中ですら、この遺跡公園の存在はメジャーではありません。
非常にもったいないですよね。
復元された遺跡も、決して子供だましのようなものではなく、どれも見応えのあるものばかりでしたし、もっと、広報面に力を入れていいのではないかと思います。

家原遺跡公園には、古代遺跡の他にも一宮町の歴史を学ぶことの出来る歴史資料館や、竹わら細工木工細工陶芸などが体験できる工房、日帰り温泉施設、一宮温泉「まほろばの湯」などがあります。
せっかくここまで来たので、この日、子供たちは『勾玉作り』を体験しました。
夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_17543371.jpg

講師の先生から作り方を聞き、滑石(かっせき)をサンドペーパーで削ります。
滑石とは一番やわらかい石です。
夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_16502249.jpg

やわらかいといっても、子供にとっては思う形に削るのは容易ではありません。
そして形が整ったら、仕上げは水ペーパーで磨いて表面のツヤを出します。
夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_1654141.jpg

そして、1時間以上かけて、ようやく完成しました。
子供にとっては良い記念品です。
夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_1723022.jpg

最後に工房の前で、この日のメンバー全員で記念撮影です。
夏休み播磨路紀行 その5 家原遺跡公園「古代村」_e0158128_17554172.jpg

てなわけで、夏休み播磨路紀行シリーズはこれで終わりにします。
気がつけば本日は10月1日、もう秋になってしまいました(苦笑)。
そろそろ長袖の季節ですね。
半袖の間に終わらせることができてホッとしています(笑)。

夏休み播磨路紀行 その1 「なでしこジャパン」ならぬ「なでしこの湯」
夏休み播磨路紀行 その2 波賀温泉「楓香荘(ふうかそう)」
夏休み播磨路紀行 その3 日本の滝100選「原不動滝」
夏休み播磨路紀行 その4 戸倉峠名物「滝流しそうめん」


ブログ村ランキングに参加しています。
よろしければ、応援クリック頂けると励みになります。
   ↓↓↓


by sakanoueno-kumo | 2011-10-01 17:28 | 兵庫の史跡・観光 | Trackback | Comments(0)  

<< 江~姫たちの戦国~ 第38話「... 夏休み播磨路紀行 その4 戸倉... >>