江~姫たちの戦国~ 第45話「息子よ」
また別の説では、家康は自分の腹の具合が悪い原因は寄生虫のサナダムシだと思いこみ、手製の虫下しを服用したため薬が合わずに死期を速めたという話もある。サナダムシの名称の由来は、真田紐に形状が似ていたことからそう名付けられたもので、真田紐とは、関ヶ原の戦いで西軍に与したため高野山に配流になった真田昌幸・信繁(幸村)父子が、生活の糧として生産した平らな紐のことで、各地で行商人が「真田の作った強い紐」と言って売り歩いたことから名付けられたといわれている。当時、徳川の天下が成立したものの地方の庶民にはまだまだ反徳川的風潮が根強く、最後まで徳川に苦汁をなめさせた真田を支持・美化する動きがあり、真田紐を一つの象徴とする様になったといわれている。そんな真田紐を語源としたサナダムシに最後まで家康が苦しめられていたとすれば、死してなお家康を苦しめた真田父子の執念・・・なんて考えたくもなるが、残念ながらサナダムシという名が付いたのは後世のことで、この当時はこの寄生虫のことを「寸白(すばく)」とよんでいたらしい。ひとつのエピソードとしては面白くはあるが。
家康の病状を憂慮した徳川秀忠は、2月1日辰の刻(午前8時頃)に江戸を発ち、昼夜兼行して2日戌の刻(午後8時頃)に駿府に到着、父の病床を見舞った。この頃から、直参はもちろん諸大名や公卿衆など見舞い客が引きも切らさず、秀忠も毎日必ず病床を訪れたという。
「これからは徳川の世を継ぐことが、そなたの役目と心得よ。さすれば泰平の世は何代も続くであろう。それはそなた次第。秀忠にはそれが出来ると見込んだのじゃ。」
「父としてはどうなのですか。将軍としてではなく1人の子として私をどう見ておいでなのですか。」
「かわいいのよ。かわゆうてかわゆうてならぬゆえ、迷いもした。将軍とすることも、わしの世継ぎとすることも・・・。ようやく言えたがや・・・死ぬ前に。」
「私はこれまで父上が死んでくれればと何度も願いました。されど今、父上を失うのが恐ろしゅうございます。」
「いや、そなたはもう立派な将軍じゃ。」
「いえ、私もひとりの子として申しております。父上を失いたくないと。私もようやく言えました。」
「互いに不器用よのう。」
「親子ですゆえ。」
かつては長男の松平信康を、織田信長の命令とはいえ切腹に追いやった家康だったが、自らの死期を悟った家康は、ドラマのように息子を愛する普通の老人となっていたかもしれない。偉大な父を持った息子にとっては、父親の存在とはときに目障りなもので、「父上が死んでくれればと何度も願った」といった秀忠の思いは、あながち的外れでもなかっただろう。実際の秀忠はドラマと違って、およそ父に刃向かうことなどなかった人物と伝わるが、それだけに、偉大すぎる父親の重圧に対する苦悩は、ドラマ以上だったように思える。豊臣家を滅ぼし徳川政権を磐石のものとし、すべてを整えてから逝った徳川家康。その見事すぎる父の最期に、息子・秀忠は何を思っただろうか。
兎にも角にも、徳川家康は死んだ。19歳のときの桶狭間の戦いに始まり、死の前年の大坂夏の陣に至るまで半世紀余り、彼の生涯はほぼ“戦”だった。幼少期には2度の人質生活を耐えしのぎ、織豊時代を生き抜き、ついには天下人となり、戦国の世にピリオドを打ってこの世を去った。かれの人生そのものが戦国時代であり、まさにミスター戦国といってもいいだろう。長い日本史の中の、大きな大きなひとつの時代が終わった。
辞世の句
「嬉やと 再び覚めて 一眠り 浮世の夢は 暁の空」
「先にゆき 跡に残るも 同じ事 つれて行ぬを 別とぞ思ふ」
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by sakanoueno-kumo | 2011-11-22 19:16 | 江~姫たちの戦国~ | Trackback(4) | Comments(0)


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