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金本知憲選手の通算2500安打達成に思う、横綱の引き際。

昨日、阪神タイガースの金本知憲選手が史上7人目の通算2500安打を達成しました。
44歳2カ月での到達は、1991年に43歳5カ月で達成した門田博光(当時福岡ダイエーホークス)を超える史上最年長記録だそうで、大卒選手としては初めての快挙だそうです。
今月3日には札幌ドームで史上9人目の1500打点も達成しており、23日には通算474本目の本塁打を放ち、阪神OBの田淵幸一氏と並んで歴代10位と、不惑を過ぎてなお衰えを知らない鉄人ぶりには脱帽するしかありません。
2500安打以上を記録した歴代選手を列挙すると、

日本プロ野球歴代安打数
1位 張本 勲 3085安打 2752試合
2位 野村克也 2901安打 3017試合
3位 王 貞治 2786安打 2831試合
4位 門田博光 2566安打 2571試合
5位 衣笠祥雄 2543安打 2677試合
5位 福本 豊 2543安打 2401試合
7位 金本知憲 2500安打 2517試合(2012年6月28日現在)
※参考記録(日米通算安打数)
イチロー 3706安打 2700試合(2011年度シーズン終了時)
松井秀喜 2629安打 2470試合(2011年度シーズン終了時)

となります。
このまま大きなケガがなければ、今シーズン中に5位まで上がるでしょうし、調子が良ければ4位の門田氏にも届くかもしれませんね。
海の向こうで活躍するイチロー選手と松井秀喜選手を度外視すれば、その上は張本勲氏、野村克也氏、王貞治氏といったアンタッチャブルな大選手だけとなります。
張本、野村、王の次ですからねぇ・・・スゴイことですよ。
金本選手は素晴らしい選手だとは思いますが、正直言ってこれほどの記録を打ち立てる選手になろうとは思いませんでした。
失礼ながら、たぶん本人も思ってなかったんじゃないでしょうか。
だって、広島入団時にはそれほど期待された選手じゃなかったですし、事実、安定した成績を残すようになったのは、20代後半になってからですよね。
入団3〜4年目までは、左投手のときは代打を出されるようなレベルの選手でしたから。
使い古された言い方をすれば、金本選手は「努力の人」で、「鍛錬」によってここまできた選手だと思います。
彼のその強靭な精神力を支えているのはいったい何なんでしょうね。

私は、一昨年まで続けていた連続フルイニング出場の世界記録が途切れたとき、これで金本選手の張り詰めていた緊張の糸が切れ、気力も失せていくんじゃないかと思っていました。
彼のアンチエイジングの源は、記録更新にこそあったんじゃないかと・・・。
ところが、記録が途絶えたあとも、全盛期のそれには及ばないにしても、打撃面においてはそれなりに結果を出し続けています。
昨日の試合後のインタビューで金本選手は、「記録は足し算だから、長くやっていればいつか到達する。2500という数字より、その中で何本が勝ちに貢献できたかが大事。」と述べたとか。
つまり、俺は記録のためにやってるんじゃない、勝つためにやってるんだ!!・・・と。
いかにも優等生が言いそうな教科書どおりの答弁にも聞こえますが、一昨年に世界記録が途絶えたあとも気持ちが切れなかったこと思えば、タテマエではなく本当の気持ちかもしれませんね。
さすがは多くの後輩たちからリスペクトされるアニキ金本。
村上春樹風に言えば、「やれやれ、たいしたもんだよ、金本さん」・・・です(笑)。

ただ、少々辛口なことを言わせてもらえば、「どれだけ勝ちに貢献できたかが大事」という彼の考えに立脚すれば、ディフェンス面ではほとんど勝ちに貢献できておらず、むしろ、金本選手がレフトを守っていたために負けたゲームも少なくありません。
一昨年に痛めた右肩の棘上筋は断裂したままだと聞きますし、守備範囲も若い外野手のそれとは比較にならないほど狭く、広い甲子園の外野手としては致命的ともいえます。
「勝ちに貢献」というのは、なにも攻撃面だけじゃないんじゃないでしょうか?
そんな金本選手を引きずり下ろすような選手が出てこないから・・・といってしまえばそれまでですが、上述したように、張本、野村、王の次に名前が上がるような大選手の肩を叩くことができる人はなかなかいません。
昨今、ボロボロになるまで現役を続けることの美学、といった風潮が主流となっている感がありますが、二流選手の場合はそれもありだと思いますが、頂点を極めた超一流選手は、自らの決断で引き際を決める必要があるんじゃないでしょうか。
かつて王貞治氏は、「本塁打が打てなくなった」といって引退しましたが、最後のシーズンも30本打ってましたからね。
横綱は横綱としての相撲が取れなくなったら土俵をあとにします。
金本選手はまぎれもなく横綱だと思うんですけどね。


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by sakanoueno-kumo | 2012-06-29 18:06 | プロ野球 | Trackback | Comments(2)  

Commented by heitaroh at 2012-07-03 15:36
金本のことはあまり詳しく知りませんでしたが(ディフェンス面など)、彼はまだ良いですよ。
うちの松中と小久保に何とか言ってやってください。
すべては王さんが監督を譲らなかったことに起因するのでしょうが・・・。
Commented by sakanoueno-kumo at 2012-07-03 16:15
< heitarohさん。
松中、小久保のことと王さんが監督を譲らなかったことの関連がイマイチよくわからないのですが、たしかにこの二人も少々チームのお荷物感が強くなってきたようですね。
とくに小久保にいたっては、ジャイアンツからホークスに戻ったときから見苦しいと思ってました。
もうええやろ〜と。

ただ、パ・リーグにはDHがありますから、その意味ではセ・リーグよりも長く活躍の場があるのは確かですね。
金本もDHならば、まだまだイケるかもしれません。
でも、何億も給料もらうほどの働きは無理でしょう。
だったら、横綱は若い選手に席を空けるべきでしょうね。

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