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イチロー選手のヤンキース移籍に見る、イチロー流ルーティン法。

イチロー選手がニューヨーク・ヤンキースに移籍したそうですね。
MLBに渡って11年余り、幾度となく移籍の噂はあったものの、ずっとシアトル・マリナーズ一筋できた彼だっただけに、このシーズン途中での突然の移籍は驚きの一言です。
それも、イチロー選手自身の希望だとか。
2007年にマリナーズと5年契約122億円とも言われる条件で再契約したイチロー選手でしたが、たしかその当時も、破格の条件でヤンキースへ移籍といった報道が盛んにあったと記憶しています。
「なぜもっと強いチームに移籍しないのか?」
「移籍市場に名乗りを上げればもっと高い報酬を得ることができるのでは?」

といった巷の声に耳を傾ける素振りも見せず、これまで頑なにマリナーズを離れなかったイチロー選手が、なぜこのタイミングで移籍を希望したのでしょう。

イチロー選手がこれまでマリナーズを動かなかった理由は、マリナーズを愛しているからとかシアトルが好きだからといった感情的なものではないと思いますし、また、アンチの人がよく言うような、個人プレーに徹しやすい環境だからといった打算的なものでもなく、イチロー選手なりの“こだわり”だったんじゃないかと思います。
おそらく、上手くいっているときのリズムを変えたくなかったんじゃないかと・・・。

イチロー選手は試合のとき、ネクストバッターズサークルからバッターボックスに入り投手と向かい合うまで、いつも同じ動作に徹していますが、これはいわゆる“ゲン担ぎ”的な意味だけではなく、同じリズムを作ることで心身ともに自分の型を作っていくというひとつのプロフェッショナルな手段です。
いわゆる“ルーティン”というやつですね。
これはイチロー選手だけの特別なやり方というわけではなく、ルーティンを取り入れているスポーツ選手は珍しくありません。
有名なところでは、ゴルフのタイガー・ウッズ選手などもこの方法を取り入れており、どれだけプレッシャーがかかった場面でも毎回同じルーティンをこなします。
一流のアスリートにとって、リズムは大切なものだというのはわかるような気がしますね。
ただ、イチロー選手の場合、その徹底ぶりはグラウンド内に留まらず、毎日同じ時間に起床して、同じ時間に食事をとり、同じ時間に家を出て、同じ時間に球場に入り、同じアップメニューをこなして、同じ時間にユンケルを飲んで(笑)、同じ状態で試合に臨むといった徹底ぶりで、1日の生活すべてがルーティン化されているそうです。
彼が渡米してからずっと、ほぼ毎日奥さんの作るカレーを食べているという話は有名ですよね。
よく飽きないものだと思ってしまいますが、毎日同じ行動をすることで、自分の身体のほんの僅かな変調にも気づくことができるというメリットもあるのだとか。
「僕は朝、家を出てからグラウンドに上がるまですべて行動が決まっているんです。それをひとつひとつこなしていくうちに鈴木一朗からイチローへと切り替わっていくんです。」
何年か前の「NHKプロフェッショナル仕事の流儀」に出演したときの彼の言葉ですが、そうやって徹底的に自己管理してきたことが、数々の金字塔を打ち立ててきた秘訣なんでしょうね。

また、イチロー選手は毎年、1年の始まりはいつも神戸にある古巣オリックスの室内練習場での自主トレからスタートしますよね。
ほとんどのプロ野球選手が一流になるとハワイグアムなどで自主トレを開始するなかで、イチロー選手は今でも頑なにルーキー時代と同じスタイルを貫いています。
これもおそらく彼なりのリズム、いわゆるルーティンなんでしょうね。
この頑固さは誰にも真似できません。

ツラツラと述べてきましたが、つまり、イチロー選手がずっとマリナーズから出なかったのは、彼のこだわるルーティンだったと思うんですね。
上手くいっているときのリズムを変えたくないという・・・。
そんなイチロー選手が、この度自ら移籍を希望した理由・・・それは言うまでもなく“上手くいかなくなった”からでしょう。
昨シーズン、10年続けていた200本安打が途切れましたが、それ以外にも、打率・出塁率ともに自己ワーストイヤーとなりOPSも急落、起死回生で臨んだ今シーズンも、これまで思うような結果が残せていません。
ここに来て、さすがのイチロー選手も加齢による衰えには逆らえない・・・といった声もにわかに聞こえ始めました。
「環境を変えて刺激を求めたい、という強い思いが芽生えた。」
移籍発表の記者会見の席でイチロー選手はこう述べていましたが、これはおそらく、現状上手くいっていないリズムを変え、新しいルーティンを求めた言葉だと思います。
とはいえ、これまで生活すべてをルーティン化してきたイチロー選手ですから、そのリズムを変えるというのは、たいへん勇気のいる決断だったことでしょう。
今回の移籍、ぜひともいい結果に結びついてほしいですね。

「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道」
2004年、メジャー年間最多安打記録を84年ぶりに更新したときのイチロー選手の言葉です。
あれから8年が過ぎたとはいえ、まだまだ38歳、もうひと踏ん張り出来る歳だと思います。
ここで一旦リセットして、改めてヤンキースのイチロー選手として小さいことを重ね、もう一度とんでもないところに行って欲しいですね。


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by sakanoueno-kumo | 2012-07-24 20:52 | プロ野球 | Trackback(1) | Comments(2)

 

Tracked from 自分なりの判断のご紹介 at 2012-07-25 23:37
タイトル : イチローが電撃トレ-ド、ヤンキース移籍 第37期碁聖戦五..
まだ直らない。\(*`∧´)/ 今回はお腹をこわし ちゃったので、そちらが 長引く形のようです。 熱はほとんど無いん ですけど。 やむを得ず、夜の 会合のほうは当分 控え目ということに。 ま...... more
Commented by heitaroh at 2012-09-12 19:07
わたしがこのニュースを聞いた時にまっさきに思ったのは、「イチローも川崎がよっぽどウザかったんだろうな」・・・と(笑)。
まあ、それはさておき、彼は、「自分が野球人生を終える時に優勝したことがないのが心残りになる」というようなことを言ってましたが、だったら、もう少し早く決断してれば良かったじゃない・・・とは思いましたね。
マリナーズが優勝できない球団だということはもう事実としてわかっていたでしょうしね。

ただ、彼にとっては環境が変わるということは良い決断だったとおもいますが、シーズン中でのそれはどうなんでしょうか?
日本の旅行代理店でももう、ツアー組んでたでしょうし、色々な所に迷惑がかかったんじゃないですか?
Commented by sakanoueno-kumo at 2012-09-13 22:17
< heitarohさん

なるほど、そこまで考えませんでしたが、たしかにいろんなところに迷惑がかかったでしょうね。
シーズン中になってしまったのは、彼のなかで迷いがあったんじゃないでしょうかね。
本文中でも述べたように、できればリズムを変えたくないといった彼のこだわりと、昨シーズン以上に不調に悩む現状との間で喘いでいたのかな・・・と。
結局、今シーズンいっぱいまで待てるような状態ではなかったのかな・・・と。

>イチローも川崎がよっぽどウザかったんだろうな

来シーズン、ムネリンもヤンキースに移籍してきたりして・・・(笑)。

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