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PC遠隔操作事件の容疑者逮捕で見えた課題。

他人のパソコンを遠隔操作して殺人予告を書き込んだ事件の容疑者が逮捕されましたね。
まるでドラマか映画のように警察を手玉に取ったサイバー犯罪でしたが、最後は防犯カメラに写って逮捕という、なんともありがちでお粗末な結末でした。
映画『踊る大捜査線』など物語の世界では、頭脳を駆使したサイバー犯罪を崩すのは、最後は捜査員の足だったり目だったりと、デジタルより最後はアナログが勝つのがお決まりのパターンです。
でも、物語はそれでいいのかもしれませんが、現実の世界もそれでは、一抹の不安は拭いきれませんね。
この度の事件はたまたま犯人がマヌケだっただけで、結局のところ警察は、インターネット上で犯人の足跡にたどり着くことは出来ませんでした。
犯人がもうちょっと賢かったら、防犯カメラに写るようなヘマはしなかったでしょう。
いまのところ容疑者は容疑を否認しているそうですが、実際のところ、防犯カメラ以外の証拠をどれだけ立証できるでしょうね。
防犯カメラは最先端の機器だったそうですが、どんなに優れたカメラでも現実の世界しか写せません。
サイバー犯罪の犯人はバーチャルな世界にいますから、ネット上で犯人にたどり着かなければ、本当の解決にはならないと思うんですね。
おそらく、これからこの種の犯罪は増える一方でしょう。
容疑者の逮捕で一件落着とはいかない事件です。

それにしても、逮捕された容疑者の風貌を見て、いかにも・・・と思ってしまった私は、偏見頭でしょうか。
風貌も去ることながら、その経歴を見ても、都内の有名私立中高に通うも内向的で友達は少なく、理工系大学に進学するもネットゲームに没頭して大学を中退、専門学校を経てIT関連会社に務めるも続かず・・・といった、教科書どおりの絵に描いたようなオタク君のようです。
おそらく、この種の若者はゴマンといるでしょう。
もちろん、オタク君が皆、犯罪者になるわけではないですし、なんでもゲーム世代というくくりで批評する風潮も私は好きではありませんが、逮捕されたこの度の容疑者を見ていると、やはり偏見の目で見てしまいます。
だって、彼が没頭していたというネットゲームも、警察を翻弄したこの度の犯罪も、同じパソコン上で行われていたわけで、彼にとってみれば、どちらも同じゲームだったのでしょう。
警察は右往左往するは、世間は騒ぐは、さぞかし楽しいゲームだったでしょうね。
今後心配されるのは、彼を真似た犯罪が次々と続出するということ。
かつて日本中を震撼させた神戸連続児童殺傷事件のあと、犯人の酒鬼薔薇聖人と名乗る少年が一部の少年少女の間でカリスマ的存在と化し、第二第三の残虐な少年犯罪が連続したという例があります。
この度のあのオタク君が、同じ種のオタク君の間でカリスマ扱いにならなければいいのですが・・・。

あと、忘れてはならないのは、この度の事件で4人もの誤認逮捕者を出して、しかも、そのうちのひとりは、やってもいない犯罪を一旦は自供したということ。
たびたび取り沙汰される冤罪事件で取り調べの可視化が声高に叫ばれている昨今、まだこのような自白強要が行われていることが浮き彫りになりました。
日本の警察のサイバー犯罪対策の強化も急を要しますが、もっと必要なのは、戦前の特高警察思考から未だ抜け切れない日本の警察の体質改善です。

いろんな意味で、課題を多く残した事件でした。


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by sakanoueno-kumo | 2013-02-12 22:41 | 時事問題 | Trackback(1) | Comments(0)  

Tracked from 自分なりの判断のご紹介 at 2013-02-15 16:15
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