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好走塁で勢いに乗って走塁ミスで終わったWBC・サムライジャパン。

第3回ワールド・ベースボール・クラシックは、優勝候補筆頭と前評判の高かったドミニカ共和国の優勝で幕を閉じました。
史上初の全勝優勝という結果ですから、文句のつけようがありませんね。
これにより大会3連覇の夢が潰えたサムライジャパンでしたが、それでも堂々の3位
ライバルの韓国キューバアメリカなどが、次々と予選で姿を消していくという波乱含みの大会のなか、2連覇中のディフェンディングチャンピオンとしてキッチリ決勝リーグまでコマを進めたわけですから、最低限の合格点といったところじゃないでしょうか?
まあ、もとより3連覇なんて夢のまた夢だと思っていたのですが、強豪国が次々と姿を消していってくれたので、もしかして3連覇あり???と色気を出した途端、足元をすくわれたといった感じです。
プエルトリコですか・・・(正直、眼中になかった・・・)。
おそらく、10回戦ったら8回までは日本が勝てる相手だと思うのですが、一発勝負だとこういうことが起こるんですよね。
ましてや、実力以上の結果を得て勢いに乗った格下の相手ほど、怖いもんはないですから。
まさしく、勝つと思うな、思えば負けよ・・・ですね。

ともあれ、結果を堂々の3位ですから、何も言わず拍手を贈りたいところですが、どうしても見逃せない話題は、プエルトリコ戦のあのダブルスチール崩れの挟殺プレーですよね。
ここ数日、TVもラジオもネットも、ありとあらゆる場所でこの話題がつきません。
そこで素人ながら私も少しだけあのプレーについて言わせてもらうと、正直言って「ありえない」という批判になっちゃいます。
挟殺された内川聖一選手やスタートを切らなかかった井端弘和選手に対してじゃないですよ。
いわばベンチワークに対してです。

あのプレーについて試合後の山本浩二監督は、「ダブルスチールをしてもいいというサインだったが、二塁ランナーの井端選手のスタートが遅れて、ああいう結果になった。」と説明していましたよね。
この談話を聞いて、素人の私にはよくわからないのですが、単独スチールならともかく、ダブルスチールで「してもいい」といった曖昧な指示なんてあるんですかね?
だって、二人の走者が打合せなく同時にスタートを切らないとダメなわけでしょう?
高校野球レベルではまずあり得ないサインだと思うのですが、仮にプロの世界では普通にあることだったとしても、走者二人の息が合わなければ、こういう結果になりますよね。
1年間ペナントレースを戦う同じチームの選手同士だったらまだしも(仮にシーズン中の井端・荒木コンビなら、あるいはアイコンタクトなどで意思の疎通ができるのかもしれませんね)、即席メンバーで構成された代表チームのメンバーでは、そこまでのコンビネーションは無理でしょう。
4番・阿部慎之助選手の打席でダブルスチールはないだろう、といった批判もあるようですが、私はそれ自体はいいと思うんですよ(相手投手は牽制やクイックも下手だったようですしね)。
でも、大事な逆転のチャンスだったわけですから、「してもいい」なんて選手任せの曖昧なサインではなく、「走る」なら「走れ」「待つ」なら「待て」といった、ハッキリした作戦でよかったんじゃないですかね。

あのプレーがあってもなくても、日本は負けていたかもしれませんが、あのプレーで意気消沈してしまったことは確かですよね。
できれば、そういった「たられば」が残る負け方はして欲しくなかったというのが率直な感想です。
思えば、波に乗れないままからくも2位通過で2次ラウンドに駒を進めたサムライジャパンを勢いづけたのは、延長まで突入した台湾戦で、9回土壇場で同点のホームを踏んだ鳥谷敬選手の盗塁だったと思います。
あの盗塁も、「いけたらいけ」というサインだったそうですが、あの場合、単独スチールですからそれもありでしょう。
あの鳥谷選手の盗塁が成功してあの試合に勝利して以降、日本チームは急激に強くなりましたよね。
もし逆に、あの盗塁がアウトで負けていたら、日本の決勝リーグ進出はなかったかもしれません。

一方で、日本の勢いを止めてしまったのは、このダブルスチールの走塁ミスだったといっていいでしょう。
野球というスポーツは、投手成績や打者の結果がどうしても注目されがちですが、実はこの「走塁」というのが結構キーポイントで、走塁が勝敗を左右することもままありますし、走塁がチームの雰囲気もガラッと変えます。
好走塁はチームを活気づかせますし、走塁ミスはチームの士気を一気に下げます。
その意味では、このたびのサムライジャパンは、好走塁で勢いに乗って走塁ミスで終わった・・・といっても過言ではないかもしれません。
内川選手の涙を見ていると、そう言ってしまうのは気の毒な気がしないでもないですが・・・。

ここで内川選手をフォローすると、4年前の世界一に輝いた決勝戦は、イチロー選手の逆転打ばかりが目立って記憶されていますが、その前に、内川選手のレフト守備でのスーパーファインプレーがあったから優勝できたんですよ。
そのことを思い出せば、差し引いてもあまりあります。
っていうか、今回の挟殺プレーも内川選手のせいじゃないですしね。
これを引きずらずに、ペナントレースに臨んでほしいものです。

とにもかくにも、4年に一度のWBCが終わりました。
また4年後に向けて日本野球も再出発となりますが、今大会前にも、一時は選手会が出場をボイコットしようとしたり、監督人事で揉めに揉めたり、メジャー移籍組がまったく参戦できなかったりと、まだまだシステムが確立されていない部分が多々見られました。
そういった経緯があったからか、心なしか第1回、第2回大会時より盛り上がりに欠けていた気がしないでもないのですが、私の思い過ごしでしょうか?
野球ファンの私としては、オリンピックの競技から除外されるなど、世界的に見ればマイナーな競技である野球を広く普及させるためにも、このWBCをぜひとも盛り上げて、サッカーのW杯のような位置づけの大会にしてほしい。
そのためには、第1回、第2回の覇者である日本が率先して大会を引っ張っていく・・・これは野球先進国として日本に課せられた当然の使命だと思います。
また4年後に同じようなゴタゴタを起こさないように、今から準備していく必要があるでしょうね。
WBCの今後の発展を心から願ってやみません。


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by sakanoueno-kumo | 2013-03-21 18:42 | プロ野球 | Trackback(1) | Comments(4)  

Tracked from 平太郎独白録 親愛なるア.. at 2013-03-22 11:11
タイトル : WBCサムライジャパン惜敗に悔しいけど健全な発展の為
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表・・・、プエルトリコに負けちゃいましたね。 これで、三年連続世界一の夢が絶たれ、たぶん、オランダとまた3位決定戦となる可能性が高いように思いますが、私はこれはこれで良かったと思いますよ。 だって、初回から、日本だけが全部優勝というのは、やっぱり、健全な展開ではないでしょう。 WBCの健全な発展の為にも、また、世界一の価値を落とさないためにも、今度くらいは違う国が優勝するべきだと思ってましたから。 このまま、日本だけが優勝し続ければ、やがて、「...... more
Commented by heitaroh at 2013-03-22 11:20
まったく同感です。
私も、あの走塁はベンチのミスだったと思ってます。
まあ、ベンチが選手が傷つかないように庇っている可能性も否定出来ませんが、内川のあのスタートを見たら「行けたら行っても良い」というようなサインが出てたんだろうと。
ただ、こういう場面では指示を徹底させろということはWBCなどの即席のチームでなくとも、日本シリーズなどでもよく言われることですよね。
その意味では、やはり、現場を離れて長い山本浩二監督の勝負勘に問題があり、その山本監督を選ばなければならなかった選考過程にも問題があったように思います。
山本監督からすれば、貧乏くじだったかもしれませんが、もう少し、現役監督世代で、誰か手を挙げそうな人はいなかったんですかねぇ。
ちなみに、前回の内川のファインプレーは賛否両論あるところではないでしょうか。
結果がうまく行ったから良かったようなものの・・・。
Commented by メディカルコンシェルジュ 口コ at 2013-03-25 18:30 x
はじめまして。
今思い出しても(というか、ずっと考えていますw)、本当に悔しかったですね。
走塁は私も、同感です。なんでよ!!って。
監督人事で揉めたり、出るんだか出ないんだかで引っ張ったり、今回は始まる前から「大丈夫?」感が拭えず、私個人としては、その「うーん」的な気分のまま、あれよあれよと終わってしまったので、おっしゃるとおり、盛り上がりにも欠けていたような気がします。

オリンピックからも野球がなくなり、せめてこの大会へ、もう少し球界全体が盛り上がってもらえたら良かったのにな~と・・。
次こそは期待したいものです!
Commented by sakanoueno-kumo at 2013-03-25 21:09
< heitarohさん

たしかに選手を庇っている可能性も否定出来ないとも思ったのですが、でも、だとすれば選手が何か言うでしょうし、おそらく山本監督の談話は事実なんだろうな・・・と。
選手の能力を信じるということと、選手任せにするということは違いますよね。
あの大事な場面で選手任せにするというのは、指揮官としての責任逃れだと思います。
キツイ言い方ですが・・。

ただ、おっしゃるように、自ら貧乏くじを覚悟して大任を引き受けてくれた経緯がありますから、無下に山本監督を非難したくもない思いもあります。
山本監督の曖昧な采配を批判する前に、監督選考の曖昧さを改善すべきですね。

4年前の内川選手の守備については当時もいろいろと意見が飛び交ってましたね。
でも、私は無謀だとは思わなかったですけどね。
飛び込んでダイビングキャッチするのと同じなんじゃないかと・・・。
まあ、いろんな意見があって然りです。
Commented by sakanoueno-kumo at 2013-03-25 21:16
< メディカルコンシェルジュ 口コ さん。

はじめまして。
コメントありがとうございます。

サムライジャパンの選手たちはよく頑張ったと思いますし、彼らのことを思えば、盛り上がりに欠けていたなんて失礼な感想だと思うんですけどね。
大会を盛り上げようと思えば、選手たちの頑張りだけではどうにもなりません。
監督人事や公式球に対する対策など、大会前の準備からが大事なんでしょうね。

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