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映画『フィールド・オブ・ドリームス』鑑賞記 その1 〜カップルで観てはいけない映画〜

先日、映画『フィールド・オブ・ドリームス』をレンタルDVDで観ました。
1989年に公開されたケヴィン・コスナー主演のアメリカ映画で、野球を題材にして希望家族の絆親子愛を描いた、いかにもアメリカ映画らしい作品です。

e0158128_15354528.jpg内容を簡単に紹介すると、アイオワ州の田舎町で農業を営んでいたケヴィン・コスナー演じる主人公のレイ・キンセラが、ある謎のお告げの導きで自身の持つトウモロコシ畑を切り開いて小さな野球場を作ると、そこに1919年の「ブラックソックス事件」で球界を追放された、ジョー・ジャクソンをはじめとするシカゴ・ホワイトソックスの8人の亡霊があらわれ、レイやその家族たちと関わっていくという物語。
レイは若い頃に父親と口論の末に家を飛び出したまま、仲直りすることなく死別してしまったことを心の隅でずっと悔やんでいて、そんなレイと死んだ父親との絆のストーリーに、夢を追い求めながら道半ばで諦めてしまった者や、夢の舞台に立ちながらもそこを立ち去らなければならなくなった者たちが、時を超えてその夢を叶えていくというストーリーをラップさせて描くファンタジーです。

プロの野球選手として夢半ばに終わった父・ジョンが、ひとり息子のレイにその夢を託したのですが、レイは10歳のときに野球を重荷に感じ始め、14歳で父とのキャッチボールを拒否し、17歳のときその父にひどい言葉を浴びせて家出して、そのまま音信不通となり、父の葬儀にも出席しませんでした。
ひとり息子に期待をするのは父親として普通の思いですが、ときにはジョンのように、自分の叶わなかった夢を息子に託す親もいます。
ですが、夢を託された息子がそれを重荷に感じるのも至極当然の感情で、やがてそれは反抗となり、場合によっては大きな衝突となります。
レイとジョンのような関係の父子は、めずらしくはないんじゃないでしょうか。
息子は息子、自分とは違う生き方があるということを、父親は気付かねばなりませんね。
ただ、父親は何も好んで息子に重荷を背負わせようと思っているわけではなく、自分の得意とするもの、自分が情熱を注いできたものを通してでしか、息子とコミュニケーションを上手くはかれないという、いわば不器用な愛情表現ともいえます。
ジョンの場合、それが野球だったんですね。
でも、そんな父親の気持ちを息子が理解するのは、おそらくは自らが父親となってからのことでしょう。
でも、その頃には往々にして、父親はこの世にいなかったりするもので・・・。

36歳の息子と21歳の父がキャッチボールするラストシーンは胸にグッとくるものがありました。
レイとジョンに限らず、たいていの男の子なら子供の頃に父親とキャッチボールした思い出があるはず。
野球好きな父子にとっては、キャッチボールは言葉をかわす以上に心通じ合う会話です。
でも、息子の成長とともに、いつの頃からか父子で向きあってキャッチボールをすることはなくなっていきます。
たぶん父親はいつまでもやりたいと思っているでしょうが、息子のほうが嫌がるようになりますからね。
で、次に息子が父親とキャッチボールをしたいと思うときは、大概の場合、父親はこの世にいなくなったときなんですね。
でも、現実にはこの映画のように、死んだ父親とキャッチボールは出来ません。
このラストシーンは、レイが球場を作って父の生前の夢を叶えたことで、ずっと心の隅にあったわだかまりが消え、父の心情を理解できる年齢になった・・・つまり、心通じ合った・・・ということなんでしょう。
私はそう理解しています。
「親孝行したいときには親はなし」などといいますが、親が死んだあとでも親孝行は出来るとすれば、それは、親心を知ること・・・だと。

聞くところによれば、この映画はカップルで観てはいけない映画ナンバーワンと言われているそうですね。
なんでも、あの明石家さんまさんと大竹しのぶさんが夫婦だったころ一緒に観て、さんまさんがボロボロ涙を流して観ている横で、しのぶさんは冷めた口調で「バッカみたい!」とつぶやいたとか(笑)。
なんとなくわかる気がしますね。
私財を投げ売ってまで夢を叶えたいなんて、女性には理解し難い思いなんでしょう。
男の方が基本的にロマンチストで、女性の方がリアリストなんでしょうね。

次回、映画の題材になっている「ブラックソックス事件」について触れます。


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by sakanoueno-kumo | 2013-06-19 15:14 | 映画・小説・漫画 | Trackback(1) | Comments(4)  

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Tracked from 平太郎独白録 親愛なるア.. at 2013-07-11 14:18
タイトル : 私小説「昭和33年の10円玉、父、そして、平和台球場・・・」
親愛なるアッティクスへ 以前、福岡ドームの帰り、勝利の雄叫びと共に、焼酎片手に焼鳥屋で猛烈な勢いで書いたものです・・・。 ご照覧ください(笑)。 *********************** その日、確かに私は疲れていた。 仕事もうまくいってなかったし、妻ともしっくりいってなかった。 帰宅すると、子供の寝顔を見るのもそこそこに、すぐにパソコンに向かった。 ここ何日も、そういう日が続いている。 不意に、私は顔が水面に浸かるのを感じた。 (あ!、また風呂...... more
Commented by 高木一優 at 2013-06-19 16:24 x
懐かしい映画です
野球とかぜんぜん興味がないんですがこの映画には感動しました
原作小説の「シューレスジュー」を読んだところ、この映画に登場するテレンス・マンという架空の作家は、原作では「ライ麦畑でつかまえて」のサリンジャーになっていてビックリした記憶があります

男はぼろぼろ泣くけど、女は泣かない映画として「レオン」もそうです
何度か実験しましたが、カップルで見ると男は恥ずかしくて嫌ですね
Commented by sakanoueno-kumo at 2013-06-20 15:28
< 高木一優さま

コメントありがとうございます。
私は原作小説を呼んでないのですが、小説ではサリンジャーなんですね。
何か関係があったのでしょうか?
原作の作家がサリンジャーをリスペクトしていたとか?
でも、映画で架空の人物にしちゃったのは何ででしょうね。

「レオン」もそうなんですか?
今度観てみることにします。
Commented by heitaroh at 2013-07-11 14:16
私も、この映画はものすごく印象に残ってます。
私にこういう体験があったわけではまったくないのですが、何か、理屈抜きに共感できるものがありましたね。
願わくば、現役時代の西鉄ライオンズの姿を見てみたかったです。
Commented by sakanoueno-kumo at 2013-07-12 19:26
< heitarohさん

ひじょうに単純な話なんですけど、共感できるんですよね。
私は幼い頃に父親と死別しているので、父に反抗したり喧嘩したりキャッチボールした記憶もほとんどないんですが、それでも、息子を持つ男として、感じるところがありました。

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