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映画『フィールド・オブ・ドリームス』鑑賞記 その2 〜ブラックソックス事件〜

昨日の続きです。
映画の題材になっている「ブラックソックス事件」とは、1919年にホワイトソックスレッズの間で行われたワールド・シリーズにおいて発生した八百長事件のこと。
「ブラックソックス」とは、当時のホワイトソックスの選手たちは他のどのチームより低賃金でプレーさせられていたため、ユニフォームのクリーニング代もままならず、トレードマークであるはずの白ソックスまで常に黒ずんでいたため、八百長事件以前から「ブラックソックス」と揶揄されていたそうで、そんな背景から、野球賭博に加担する八百長に手を染めたと言われています。

e0158128_1682524.jpgこの事件で、名選手ジョー・ジャクソンをはじめとするシカゴ・ホワイトソックスの選手8人が球界から永久追放になりました。
当時、ベースボールは既にアメリカの国民的スポーツとなっており、この事件によってコミッショナー制度ができたともいいますから、この「ブラックソックス事件」が当時のアメリカ国内に与えた波紋はかなり大きなものだったようです。
ただ、当時のメジャーリーグには他にも八百長疑惑があったにもかかわらず、彼ら8人だけが追放処分になったことや、事件の遠因といっていい吝嗇家のオーナーが何ら処分を受けなかったことで、追放処分を受けた8人に世間の同情が集まり、「悲運の8人」(アンラッキー・エイト)と呼ばれて悲運のヒーローとして美化されていったそうで、彼ら題材にした小説や映画が多く作られたそうです。
この映画も、そんな中のひとつですね。

e0158128_1615647.jpg「悲運の8人」のなかで最もファンから愛されていたジョー・ジャクソンは、当時のメジャーリーグを代表する大打者で、マイナーリーグ時代に裸足でプレーしていたという逸話から「シューレス・ジョー」という愛称を持つスター選手でした。
同時代にタイ・カッブがいたため、結局一度も首位打者をとれませんでしたが、通算打率356はメジャーリーグ史上3位の高打率で、あのベーブ・ルースがバッティングフォームを手本にしたともいわれます。
打撃だけじゃなく守備も一級品だったようで、タイ・カッブは彼のことを、「メジャーリーグ最高のレフト」「彼のグローブの中で三塁打は死ぬ」と高く評価しています。
近年では、2001年にメジャーリーグ1年目のイチロー選手が、シーズン242安打という新人最多安打記録を90年ぶりに更新した際、それまでの記録保持者としてジョー・ジャクソンの名がクローズアップされていたのが記憶にあたらしいところですね。
タイ・カッブ、ベーブ・ルース、イチローなどの名前と並んで評されるほどの選手だったシューレス・ジョーことジョー・ジャクソン。
そんな彼が、32歳という若さでメジャーリーグを去らなければならなくなったことで、多くのファンの同情を集めたことは想像に難しくありません。

裁判所から出て来たジャクソンにひとりの少年ファンが、“Say it ain't so Joe!!”(嘘だと言ってよ、ジョー!)と叫んだところ、これに対してジャクソンは「ごめんよ、どうも本当らしい」と応えたという逸話は有名ですが、この話が本当なら、ジャクソンの八百長への関与を疑う余地はありません。
一方で、事件の舞台となった1919年のワールド・シリーズでのジョクソンの成績を見てみると、打率375、本塁打1、打点6、得点5、失策0と、とても八百長をしていたとは思えない数字です。
実際にジャクソン自身も後年、無実を主張していたそうですし、上述した少年との会話も、記者の捏造だと主張していたそうです。
今となっては真相は闇の中です。
私が想像するに、八百長をしたかどうかはわかりませんが、おそらくお金は受け取っていたんじゃないでしょうか。
八百長をしたかどうかを証明するのは難しく、どうあれお金を受け取った時点で「クロ」と判断されるのはやむを得なかった・・・日本のプロ野球でも、同じような事件がありましたよね。

この「ブラックソックス事件」から60年後の1989年に、メジャー通算4256安打の大記録を持つピート・ローズが、自身が監督を務めるチームの野球賭博に関与していたとして永久追放処分となりました。
ローズの場合も、野球賭博は認めたものの八百長は否定していて、事実、すべて自チームの勝ちに賭けていたと主張しています。
たしかに、その点からみれば八百長はなかったかもしれませんが、ジョー・ジャクソンと同じく、関わった時点で「クロ」と判断されるのはやむを得なかったんじゃないでしょうか。
「李下に冠を正さず」ですね。

ちなみに、ホワイトソックスはこの事件以降、1959年まで40年間ア・リーグ優勝から遠ざかり、ワールド・シリーズ制覇に至っては2005年まで86年間も遠ざかっていたことから、長らく「ブラックソックスの呪い」とささやかれていました。
日本でも、「カーネルサンダースの呪い」で27年間、日本一から遠ざかっている球団があります。
ちょっと意味が違いますが(笑)。

明日に続きます。


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by sakanoueno-kumo | 2013-06-20 16:16 | 映画・小説・漫画 | Comments(0)  

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