青色LEDのノーべ物理学賞受賞に思う、サラリーマン研究者の成功対価。
ここ最近、悲しい自然災害や惨たらしい殺人事件など、気持ちが重くなる暗いニュースが続いていたので、久々の嬉しいニュースに心が洗われる思いです。
これまで日本人が受賞したノーベル物理学賞といえば、素粒子とか宇宙ニュートリノとか、頭の悪い私のような者には、何を言っているのかさえわからない難しいものばかりでしたが(たぶん、私たちの生活に大きく関わる大発見なのでしょうが)、この度の青色LEDの開発というのは、どれほど大きな発見、開発だったかが素人の私たちでもわかりやすいですよね。
青色LEDが実用化されたことで、私たちの生活の中の光源は劇的に変わりました。
それを日本人の頭脳が導いたというのは、本当に素晴らしいことですね。
同じ日本人として誇らしい限りです。
ただ、米国の新聞では、「今年のノーベル物理学賞はアメリカ人1人と日本人2人が受賞」と報道されているそうですね。
その理由は、中村修二氏は現在、米国に移住して米国籍を取得し、日本国籍を失っているからだそうです。
中村氏といえば、勤めていた企業を相手にした青色LEDの特許訴訟問題で有名で、この裁判の結果はたいへん興味深いものだったので、わたしも強く印象に残っています。
その判決は、原告の請求を満額認めて、企業側に200億円の支払いを命じたものでしたよね。
最終的には8億円の報酬で和解したそうですが、あの判決には驚きました。
企業の従業員として雇用されている研究者は、その会社の設備を使い、予算を使い、同じ社員の協力を得て、毎月サラリーを受け取りながら研究開発を仕事としているわけですよね。
もし、その研究開発が失敗に終わっても、社員はなんのリスクも負わないわけで、大損するのは会社だけです。
だから、当然その特許の所有権も開発で得た利益も企業のものだと思っていました。
開発に貢献した社員への報酬は、昇給とか昇進とか特別賞与とかが普通なんじゃないかと。
だって、会社はその研究に投資しているわけですからね。
ド素人の見方なので間違っているかもしれませんが、当時、判決に合点がいかなかったのを思い出します。
まあ、中村氏への成功報酬は2万円だったといいますから、それはちょっと少なすぎるんじゃない?・・・とは思いましたけどね。
あれから10余年、いつの間にか中村氏は日本国籍を棄てていたんですね。
日本に見切りをつけたということでしょうか?
米国ではサラリーマン研究者が満足いく対価を得られるんですかね?
あちらは契約社会ですから、労使間で入社前に成功報酬の契約も交わしているんでしょうね。
いずれにせよ、ノーベル賞を受賞するような優秀な研究者が日本を見限って出て行ったということは、残念な限りです。
といっても、サラリーマンが成功対価として200億円もの巨額の報酬を得るというのが正しいとも思えません。
ただ、優秀な研究者が報酬を求めて日本を出て行かないようなシステムづくりは必要かもしれませんね。
何はともあれ、お3方の受賞を心よりお祝い申し上げます。
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by sakanoueno-kumo | 2014-10-09 17:16 | 時事問題 | Trackback | Comments(2)
こちらがアップされたら通知されるように設定しているのですが、どういうわけか久しく通知がされないようになってました。
中村という人については私もまったく同じ感慨。抱きました。
それに二万円というのは何か手数料のようなもので実際には取締役に匹敵する報酬を得ていたという話も聞きました。
特許が個人の資産ということになれば会社は誰にも投資が出来なくなりますよ。
そうですよね。
ノーベル賞にケチをつけるつもりは毛頭ありませんが、リスクを背負わずに権利だけを主張する中村氏の考え方には、どうしても納得できません。
誰のおかげでノーベル賞を受賞できるような研究をさせてもらえたんだ?・・・と。