安保関連法案の成立で崩壊する安全保障と立憲主義。

大型台風が日本を直撃しているドサクサに紛れて、永田町では安保関連法案が衆議院を通過しましたね。
まあ、約1年前に憲法解釈の変更が閣議決定されたときから、遠からずこの日が来ることはわかっていたことでしたが。
「良識の府」とは名ばかりの参議院は有ってないようなものですから、およそ2ヶ月後に法案が成立することはほぼ免れ得ません。
これにより、「専守防衛」を堅持してきた戦後日本の安全保障政策は、大きな転換期を迎えることになります。

集団的自衛権云々については、ここではその賛否について述べるつもりはありません。
っていうか、1年前に述べましたが、法案が良いか悪いかはこの際どうでもいい。
問題は、憲法解釈の変更という最もやってはいけない裏技を使って法案を通したこと。
これはもはや、立憲主義の崩壊と言っても過言ではありません。
そもそも立憲主義とは、国民個々の自由と権利を守るため、憲法で権力者を拘束するためのものです。
その権力者が権力を使って憲法の解釈を変えるというのは、明らかに本末転倒でしょう。
いうまでもなく、日本の最高権力者内閣総理大臣です。
その内閣総理大臣の考え方ひとつで、憲法解釈を変えて国の根幹までもが変えられるというのであれば、そんな国あぶなっかしくてしょうがない。
わたしも日本の安全保障に日米安保の強化は不可欠だと思っているひとりですが、ただ、このたびの法案はどう屁理屈を並べても明らかに憲法違反
もし、どうしてもこの法案を通したいのであれば、たとえ遠回りでも、まずは改憲の道を探るべきだったんじゃないでしょうか。

安倍晋三首相は1年前、集団的自衛権行使の容認について、
「海外派兵は一般に許されないとの原則は全く変わらない。日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなる」
「自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してない」

と言っていましたが、あるいは安倍政権のあいだはそうかもしれませんが、このたび安倍内閣が憲法解釈の変更を断行したように、10年後、20年後の政権が、集団的自衛権を拡大解釈することだってあり得るわけです。
かつて天皇陛下の統帥権関東軍が拡大解釈したことにより、何が起こったかを思い出してください。
解釈の変更とは、そういうことです。

安倍さんは昨日の記者会見で、
「日本国民の命を守り、戦争を未然に防ぐために絶対に必要な法案だ」
と述べていましたが、アメリカの報道では、
「これで日本は米軍と一緒に戦争ができる国になった」
と声高にうたっているそうです。
日本がこれまでアジアでイジメられながらも70年間平和でいられたのは、もちろん日米安保のおかげは大きいですが、日本が弱者だったから。
学校や社会でも、おとなしくしている弱者はあまりイジメられません。
もちろん強者もイジメられません。
イジメの対象となるのは、弱いくせに中途半端に強そうなふりをするヤツ
関西弁でいえば、「イチビリ」ってやつですね。
中途半端に武装しようとしている今の日本は、まさにイチビリ。
イジメたこともイジメられたこともなさそうなお坊ちゃんの安倍さんには、わからないでしょうね。

近現代史のベストセラー作家・半藤一利さんは、その著書『昭和史』のなかで、「近代日本40年説」を唱えられています。
明治維新から日露戦争まで、日本が世界の強国になるまでの40年
そこから第二次世界大戦の終結で、大日本帝国が滅ぶまでの40年
その後6年半の占領下を経て新しい国づくりをはじめ、高度経済成長を遂げて世界一の経済大国となり、バブルが弾けるまでの40年
つまり、国をつくるのに40年、国を滅ぼすのも40年、ということですね。
その論でいえば、いまは国を滅ぼす道途上ということになります。
国が滅ぶまで、あと十数年という計算になりますね。
今回の法案成立が、その出発点かもしれません。


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by sakanoueno-kumo | 2015-07-17 16:29 | 政治 | Trackback | Comments(0)  

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