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大坂の陣400年記念大坂城攻め その10 ~豊臣秀頼・淀殿ら自刃の地~

天守の北側の山里口を抜けて石垣を下ったあたりを、山里丸と呼びます。
豊臣時代には、山里の風情を持つ松林などの木々が繁り、いくつもの茶室が建っていました。
茶会花見を楽しむ豊臣家のくつろぎの場所だったそうです。

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天正11年(1583年)に大坂城の築城を開始した豊臣秀吉は、翌年1月、天守よりも早く、ここで茶室完成のお披露目を行っています。
没後は遺児・豊臣秀頼によって、父・秀吉を祀る豊国社がこの場所に建てられました。

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いまでも、絢爛な天守とは異質な、閑静な風情の空間として存在しています。

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現在、この山里丸の一角に、「豊臣秀頼・淀殿ら自刃の地」と刻まれた石碑が建っています。

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慶長20年(1615年)5月7日、大坂夏の陣によって大坂城は落城しますが、その翌日、秀頼と淀殿、そしてその側近の者たちは、ここ山里丸にあったに籠り、側近の大野治長が、秀頼の妻で徳川家康の孫でもある千姫の身柄と引き換えに秀頼の助命を嘆願するも、家康の容れるところとならず、結果、櫓に自ら火を放ち、自害して果てます。

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石碑は、いくつかの史料にある「朱三櫓」があったとされる場所に建てられていますが、実際には、秀頼の最期の場所がどこであったかは諸説あって、正確なことはわかっていません。
まあ、慰霊碑ですから、だいたいこの辺りだったと考えればいいのかなぁと思います。

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その後、秀頼と淀殿の最期を目撃した者の証言や記録などは存在せず、また遺体も確認されなかったため、当時から様々な生存説が囁かれてきました。
ふたりの不死鳥伝説を以前まとめた稿がありますので、よければそちらを一読ください。
    ↓↓↓
映画『プリンセス・トヨトミ 』鑑賞記 その2 ~豊臣家の不死鳥伝説~
まあ、どの生存説も根拠に乏しく事実無根とみていいのでしょうが、ただ、それだけ多くの生存説を生み出した背景には、当時の庶民感情のなかに、徳川新政権への反感と、豊臣政権の復活を望む思いが、少なからず存在していたことの表れだったのでしょう。

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この日も誰かが生けた花が供えられていましたが、この碑は天守に向かう道からすこし脇道にそれた場所にあり、この日も大勢の観光客がいたにも関わらず、ここに足を運ぶ人は少なかったですね。
それが何とも寂しく、でも、目立つ場所でたくさんの観光客に囲まれるよりは、陽の当たらない場所でひっそりと静かに眠っていたいと思っているかもしれませんね。
命日はもう過ぎましたが、今年はふたりの400回忌の年です。
合掌。

あと、もう一回だけ続きます。

大坂の陣400年記念大坂城攻め その1 ~外堀~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その2 ~大手口、搦手口~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その3 ~西の丸~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その4 ~二の丸・豊国神社~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その5 ~石山本願寺推定地の碑と蓮如上人袈裟がけの松~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その6 ~内堀~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その7 ~刻印石、巨石~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その8 ~本丸~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その9 ~天守閣~
大坂の陣400年記念大坂城攻め その11 ~城中焼亡埋骨墳~

大坂の陣ゆかりの地めぐりシリーズも、よければ。
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大坂の陣400年記念ゆかりの地めぐり その1 ~三光神社(真田丸跡)~


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by sakanoueno-kumo | 2015-08-21 20:03 | 大坂の陣ゆかりの地 | Trackback | Comments(0)  

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