神戸の古墳めぐり その5 ~大歳山遺跡公園・舞子古墳群~
明石海峡を望む神戸市垂水区西舞子の標高30mの丘陵地に、大歳山遺跡公園があります。
ここは、「明石原人」の発見者として著名な考古学者の故・直良信夫博士によって、大正末年から昭和初期にかけて発掘調査された遺跡です。
この丘陵地に、「大歳山2号墳」と名付けられた全長37mの前方後円墳があります。
調査によると、古墳時代後期(6世紀頃)に造られたと考えられているそうで、古墳の上や周辺からは、須恵器の坏、高坏、瓷などが出土しているそうです。
向こうに見えるのは、明石海峡大橋です。
「2号墳」というくらいですから、当然、「1号墳」も存在したようですが、いまは住宅開発に埋もれてしまい、詳細は不明です。
この周辺からは、縄文時代や弥生時代の土器などがたくさん発掘され、近畿地方で有数の遺跡として知られていましたが、昭和40年代の宅地造成により、消滅の危機に瀕しました。
しかし、遺跡を守ろうとする多くの人々の努力もあって、弥生時代後期の集落と「大歳山2号墳」を含む遺跡の中心部、約8,000㎡を神戸市が買い取り、昭和49年(1974年)に遺跡公園として開園しました。
公園内には、発掘調査で出土した竪穴式住居が復元されています。
「大歳山2号墳」の後円上から望む明石海峡大橋です。
このような見晴らしのいい丘陵地に葬られた人物ですから、さぞかし身分の高い人だったのでしょう。
まさか、ここに世界一の吊橋が出来るなんて、古代人もビックリでしょうね。
ここから1kmほど東に舞子墓苑という墓地があるのですが、そこにも、舞子古墳群と称される10数基の古墳が点在しています。
かつては100基前後の古墳が存在したのだとか。
1500年近く経ったいまでも、墓地は墓地なんですね。
いにしえの歴史を感じます。
神戸の古墳は他にもまだあります。
気が向いたときに、また続きやります。
神戸の古墳めぐり その1 ~五色塚古墳と小壺古墳~
神戸の古墳めぐり その2 ~吉田王塚古墳~
神戸の古墳めぐり その3 ~狩口台きつね塚古墳~
神戸の古墳めぐり その4 ~処女塚古墳・西求女塚古墳・東求女塚古墳~
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by sakanoueno-kumo | 2016-04-08 11:14 | 神戸の史跡・観光 | Trackback | Comments(2)