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真田丸 第16話「表裏」 ~信繁の直臣待遇と、大谷吉継、石田三成の逸話~

 上杉景勝に置き去りにされて取り残された真田信繁。しかし、豊臣秀吉はそんな信繁を馬廻衆に加えます。つまり、秀吉の家来になったということですね。実際にそんな事実があったかどうかはわかりませんし、何より、この時期に信繁が大坂入りしていたかどうかも定かではありませんが、のちに秀吉が信繁を人質の枠を超えて直臣なみに厚遇したというのは事実です。一般的には、信繁ははじめ豊臣家に人質として送られたといわれますが、一説には、そもそも最初から人質ではなく、秀吉に召し出されて出仕していたとの見方もあります。

 その理由としては、こののち真田昌幸の正室・山之手殿が大坂に人質として送られてくることがあげられます。真田家から2人の人質が差し出されるというのは不自然であり、正式な人質は山之手殿だけだったんじゃないかと考えられます。また、のちに信繁は秀吉によって従五位下・左衛門佐に任官され、さらに、秀吉の家臣である大谷吉継の息女を妻に迎えることになるわけで、これは、人質としては破格の待遇といえます。はじめは人質だったのが、途中から直臣扱いになったのか、あるいは、はじめから家来として召し出されたのか、いずれにせよ、秀吉が信繁に肩入れしていたのは事実でしょう。馬廻衆に加えられたという話も、あってもおかしくはありません。

e0158128_23084082.jpg のちに義父になる大谷吉継ですが、よく知られている吉継の姿は、顔を頭巾で隠した容貌ですよね。その理由は、吉継は当時、ハンセン病(癩病)もしくは梅毒を患っており、顔が崩れていたためと言われています。ところが、本ドラマでの吉継は、頭巾をかぶっていません。調べてみると、近年、吉継のハンセン病説を否定する見方が強くなってきているそうです。というのも、吉継が病のため頭巾を被っていたという描写は、江戸中期頃までの逸話集には出てこないそうです。たぶん、このドラマでは、その説を採ったのでしょう(幕末に描かれたこの浮世絵でも、頭巾は被っていませんね)。ただ、目を患っていたのは事実のようで、文禄3年(1594年)に直江兼続宛に出された書状に、そのことを示す記述が存在するそうです。この時期より15年以上先の話ですが。

 石田三成と昵懇だったといわれる大谷吉継ですが、二人の友情について、こんなエピソードがあります。あるとき、秀吉が主催した茶会において、出席した豊臣諸将は茶碗に入った茶を一口ずつ飲んで次の者へ回していったのですが、吉継に茶碗が回ってきたとき、顔から膿が茶碗に落ちたといいます。これを見た周りの諸将は、感染を恐れて茶碗に口をつけず、飲むふりだけをして隣にまわしていきますが、このとき三成だけは、平然と茶を飲み干したといいます。これを見た吉継は大いに感激し、以後、三成のいちばんの理解者となり、やがて関ヶ原の戦いに至った・・・と。この話が事実かどうかは定かではありませんが、吉継のハンセン病説が否定されると、この話もなかったことになりますね。三成の人となりを知る上で重要なエピソードだけに、少し残念な気もします。

 今話は特に話の進展がなかったので、余談めいた話を場当たり的に綴ってみました。それにしても、真田信繁、石田三成、片桐且元の絡むシーンを観ていると、山南敬助、土方歳三、井上源三郎に見えてしまうのはわたしだけでしょうか? それと、信繁と吉継のシーンも、半沢直樹黒崎検査官に見えてしまいます(笑)。吉継はオネエキャラではないようですが(笑)。



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by sakanoueno-kumo | 2016-04-25 23:13 | 真田丸 | Comments(4)  

Commented by mm at 2016-04-26 19:53 x
いつも拝見してます。以前も海音寺潮五郎の利休小説について書き込ませていただきましたが、ドラマで利休シーンも面白く見ています。

さて、信繫が馬廻衆になったのは史実です。時代考証担当の黒田基樹先生の記事にその説明が出ています。リンクが張れないので、「駿河台大学」の「法学部からのお知らせ」の『大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(13)』を検索してご覧ください。毎週月曜に先生の解説がアップされます(笑)この記事によると、文禄元年(1592)「秀吉公名護屋御陣之図ニ相添候覚書」に出てくるそうです。いつ馬廻衆になったのかは分からないので、ドラマでは今の時期に設定したとのこと。他の考証担当者が仰ってましたが、三谷氏が秀吉と信繫が絡むシーンを描きたいというので、必死で文献にあたって馬廻衆だったという事実を発見したんだとか。
Commented by sakanoueno-kumo at 2016-04-26 21:25
> mmさん

そうなんですね。
貴重な情報をありがとうございます。
脚本家と時代考証の先生方のタッグで、新しい史料にいきついたわけですね。
素晴らしいですね。

また、ワンポイント解説のサイトの紹介ありがとうございます。
今後のブログ起稿の参考にさせていただきます。
Commented by ゲコゲコ at 2016-04-26 22:09 x
またコメントさせていただきます。
いつも楽しく拝見しております。
どうも我が国の俳優陣は層が薄いのでしょうか、同じ俳優があちらこちらのドラマなり映画に出演しています。人気俳優ともなれば尚更です。
先のドラマの印象がどうしても残ってしまいますね。
私も新撰組や半沢直樹のことを思って、今週の大河を見ていたひとりです。
Commented by sakanoueno-kumo at 2016-04-26 23:32
> ゲコゲコさん

層が薄いというわけではないでしょうが、人気の俳優さんにオファーが集中するのはやむを得ないでしょうね。
とくに、NHKは民法と違って予算ありますから、売れっ子ばかりを集めた豪華キャストが揃えられるわけで・・・。
加えて、三谷作品ではお決まりの顔ぶれが集まりますからね。
本作品も例外に及ばずですね。

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