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西郷どん 第41話「新しき国へ」その2 ~西郷留守内閣~

 昨日の続きです。

 岩倉使節団の帰国まで極力新しい改正には手を付けないとの約定を交わして発足した留守政府でしたが、実際問題、廃藩置県施行後の大変革期に、何もせずに待つというわけにはいきませんでした。使節団の洋行が予定より大幅に長引いたということもありましたが、結局、使節団が留守にしていた2年弱のあいだに、近代化に向けての改革が相次いで施行されることになります。


西郷どん 第41話「新しき国へ」その2 ~西郷留守内閣~_e0158128_15131310.jpg 留守内閣が手を付けた主な改革だけを見ても、司法省所属の府県裁判所の設置(明治4年12月)、田畑永代売買の解禁(明治5年2月)、地租改正の布告(明治5年7月)、学制の頒布(明治5年8月)、新橋~横浜間の鉄道の開業(明治5年9月)、国立銀行条例の公布(明治5年11月)、太陽暦の採用(明治5年12月)、徴兵令の発布(明治6年1月)、キリスト教の解禁(明治6年2月)等々。どれもこれも、現代にも通じる大改革ですね。これらの政策に、留守政府の首相である西郷隆盛がどれほど深く関わったかについては諸説ありますが(西郷の果たした役割を高く評価する説と、西郷の関わりを軽視する説が拮抗している)、この西郷内閣が日本の近代化に大きな役割を果たしたというのは、これらの実績を見ても間違いないところでしょう。


 また、西郷は、岩倉具視大久保利通が進めていた宮中改革の路線を引き継ぎ、天皇質実剛健な君主に育てるべく、その教育に力を入れるとともに、そのための宮中の改革に熱心に取り組みました。まず、少年天皇を取り囲んでいた女官たちから天皇を引き離すために、宮内大丞に同郷の吉井友実村田新八侍従高島鞆之助山岡鉄舟という、旧武士のなかでも剛毅かつ清廉な人物を据えました。そして乗馬の練習を本格的に始めるようになり、また、後宮で1日のほとんどを過ごす生活を改め、定期的の諸省への視察も行い、一ヶ月に三度、門前に各省の長官らを呼び、御政治の得失を討論するまでになります。若き天皇は西郷を慕い、西郷との面会を楽しみにしていたといいます。


 西郷どん 第41話「新しき国へ」その2 ~西郷留守内閣~_e0158128_17024408.jpgそんななか、西郷は天皇の西国巡幸を発案します。これは、若き天皇に広く日本を見聞していただくという目的とともに、全国の不平士族の廃藩への不満を解消するためという思惑もありました。その中でも、特に不満を顕にしていたのが、西郷の故郷である鹿児島士族と、かつての国父・島津久光でした。ドラマでも描かれていましたが、廃藩置県の報を受けた久光が、屋敷の庭で花火をあげさせて、西郷や大久保に対する怒りを爆発させたというエピソードはあまりにも有名ですね。そんな久光の怒りを鎮めるために、政府は再三に渡って久光を中央政府に引き入れるべく上京を求めていましたが、久光は病気を理由に頑なにこれを拒み続けていました。このときの天皇の西国巡幸は、そんな久光の元に天皇が直々に足を運び、怒りを鎮めて上京を促すという狙いが含まれていました。


西郷どん 第41話「新しき国へ」その2 ~西郷留守内閣~_e0158128_11283315.jpg 明治5年5月23日(1872年6月28日)に東京を出発した天皇行幸の一行は、伊勢神宮京都、下関、長崎などを経て、6月22日に鹿児島に到着します。この行幸には、西郷も同行しました。久光は天皇の行幸が決まるとすぐに、突貫工事で道路を広げるなど天皇をお迎えするための準備を整えますが、どういうわけか、天皇が鹿児島入りしてもすぐには天皇に拝謁しようとはせず、天皇が鹿児島を発つ予定の25日になっても会おうとはせず、久光が天皇の行在所を訪れたのは、台風の影響で出発が伸びた6月26日のことでした。ここで久光は、新政府に対する疑問をまとめた14ヵ条の建白書を提出するとともに、西郷、大久保の2人に対する悪態をさんざんついたといいます。ドラマで、天皇に拝謁した久光が天皇の服装に困惑していましたが、実際に、久光が提出した14ヵ条の建白書のなかに、天皇の服装に対する批判も含まれていたそうです。天皇は久光に対し、「早く病を治して上京せよ」と言いますが、久光は、西郷や大久保を政府から追放しない限り自分は上京しないとまで言って、天皇を困らせたといいます。ドラマでの久光は、自分は協力しないまでも、西郷の新政府における苦悩を理解していたかのようなシーンがありましたが、実際には、まだまだこの時点での二人の関係は悪かったようです。


 天皇の行幸に随行していた西郷でしたが、その間に明るみとなったある政治事件によって、急遽一行から離れて東京に帰ります。ドラマでは少しだけ出てきた山城屋事件です。

 今回は要素が多すぎて、2回に分けてもまだ書ききれませんでした。続きは明日の稿にて。



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by sakanoueno-kumo | 2018-11-06 22:31 | 西郷どん | Trackback | Comments(0)  

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