新元号「令和」発表! 出典は万葉集。
今日、新元号「令和」が発表されましたね。
この度の改元は「昭和」から「平成」のときとは違って、憲政史上初の天皇陛下生前退位における皇位継承(いわゆる譲位)に伴うものだっただけに、譲位が発表された時点からメディアやSNSなどで様々な予想が立てられていました。
でも、おそらく「令」の字を予想した人はほとんどいなかったんじゃないでしょうか?
かくいうわたしも、今年の元旦の稿「平成最後の謹賀新年!新元号の大胆予想。」で能書きをたれて予想していましたが、まったくカスリもしませんでした(笑)。
いつだったか、あまりにも激化する元号予想合戦に、予想をすればするほど、その案は除外されるから、安直な予想はしないでほしいといった苦言を呈した人がいましたが、本当にそうだったのかはわかりませんが、ここは、学者の意地を見せたのかもしれません。
ただ、これもいつだったか忘れましたが、「今でしょ!」でお馴染みの林修先生が、新元号の頭文字は「R」が狙い目ではないか、と予測しておられていたと思います。
これは、お見事ですね。
もっとも、そのとき林先生が「令」の字を思い浮かべていたかどうかはわかりませんが。

新元号の出典は万葉集からだそうですね。
万葉集にある歌の序文「于時、初春令月、氣淑風和。梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」(時に、初春の令月にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫らす)から2文字とって「令和」としたそうですが、これまでの元号はすべて中国の儒教の経典「四書五経」など漢籍を典拠としており、日本の国書からの出典ははじめてのこと。
安倍政権の支持基盤である保守派の間から国書由来の元号を期待する声があがっていたそうですが、何より、安倍晋三首相自らの意向が強く反映されていそうな気がします。
もっとも、これについては、わたしも予てから中国の故事からとらなくていいんじゃないかと思っていました。
元号はもともと中国に学んだ慣わしであることは確かですが、その本家の中国では現在は元号は使用されておらず、世界中で元号を使っているのは日本だけです。
漢字も中国からの輸入品ですが、日本人が漢字を使い出して1500年以上経ち、しかもそこから仮名文字を生み出し、いまや日本独自の発展を遂げた日本の文字と言っていいでしょう。
ならば、中国の故事に頼る必要は、もうどこにもない。
今日、新元号発表をわたしはNHKラジオで聞いたのですが、そのとき解説していたどこかの学者さんが、「万葉集でも序文は漢文だから許容範囲でしょう。これが和歌からの出典だとしたら、問題ありですが」といった感想を述べておられましたが、なぜ和歌だったらだめなのか、よくわからないですね。
逆に、元号が漢文学からの出典でなければならない理由を教えてほしいです。
何より元号は、天皇陛下の崩御後のお名前(諡号)になるわけですから、日本の天皇のお名前は日本の国書から引用する、これ、ある意味、当然のかたちになったといえるのではないでしょうか。
新元号の発表は例によって官房長官の掲げた額での発表でしたね。
菅義偉官房長官、無事、大役を果たされました。
昨夜は眠れなかったんじゃないでしょうか(笑)。
かつて「平成」の発表をした官房長官は、のちに総理大臣となる小渕恵三さんでしたが、小渕さんの総理大臣としての実績よりも、「小渕さん=平成おじさん」といった印象が圧倒的だと思います。
その意味で、今後、菅さんは「令和おじさん」という異名で後世に語り継がれていくのでしょう。
とにもかくにも、新元号「令和」が発表され、いよいよ平成も残り1ヶ月を切りました。
元号が変わるからといって、我々の生活に大きな変化があるわけではないのですが、なんか気忙しい気がしますね。
生きている間にそうそう経験できることではないですからね。
新天皇陛下(現皇太子殿下)とさほど歳が変わらないわたしにとっては、あるいはこれが最後の改元経験かもしれません。
まあ、それほど大袈裟に考えることでもないのかもしれませんが。
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by sakanoueno-kumo | 2019-04-01 20:28 | 時事問題 | Trackback | Comments(2)
まったく考慮に入れておりませんでしたが、なるほど言われてみれば、安が元号に入っていれば、安倍が自分の名前を入れたとか言われるわけで。
ちなみに、号外の内ページにはしっかり、小渕恵三官房長官が「平成」を掲げた写真も載ってましたよ。
私も、最初は「安」を予想したのですが、安倍さんの一文字と気付いてからは、「安」はないんじゃないかと思い、今年の元旦の稿でそのことを触れ、代わりに「豊」という字に思い至ったんですけどね。
まあ、そんな簡単に予想が的中するものでもないのでしょうが。