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いだてん~東京オリムピック噺~ 第41話「おれについてこい!」 ~大松博文監督と回転レシーブ~

 まず、チュートリアル徳井義実さんの例の問題で、大松博文監督シーンをどうするかが注目されていましたが、すでにクランクアップ済でセットも壊しているため撮り直しは不可能という理由で、番組冒頭で「編集などでできるだけ配慮をして放送いたします。」とのテロップを流し、ドラマ全体の流れを損なわないよう再編集した内容で放送されました。ひとまずホッとしましたね。物語前半のピエール瀧さんのときも物議を醸しましたが、「作品には罪はない」という論点から言えば、私はすでに撮り終わっているものまでお蔵入りさせる必要はないと思っています。もちろん、彼のやったことは悪質極まりないことで、これからの彼のタレント活動には大きなペナルティを与えられて然りだと思いますが、その一人のために作品すべてが世に出せなくなってしまうというのは、その作品に関わったすべての人たちの立場に立って考えると、どうにもやりきれない。何より、観ているわたしたち側からしても、勿体ないの一言につきます。今回、どの程度徳井さんのシーンがカットされたかは知りませんが、わたしは、建前上あのようなテロップを流さざるを得なかったとしても、ほとんどカットする必要はなかったんじゃないかと思います。このような事態になったとき、ほとんどの場合が個々の制作サイドの自主判断に任されているようですが、そうすると、批判を恐れて出したくとも出せなくなるというのが実情でしょう。その意味で、今回のNHKの決断をわたしは支持したいと思います。これを機に、こういった場合に作品を守るためのルールを作る必要があるんじゃないでしょうか。


いだてん~東京オリムピック噺~ 第41話「おれについてこい!」 ~大松博文監督と回転レシーブ~_e0158128_13414469.jpg 話をドラマに移して、その大松博文監督といえば、「東洋の魔女」と呼ばれた日本女子バレー東京オリンピック金メダルに導いた名監督として知られます。その指導方法は超スパルタで、たとえ女子であっても容赦なしの厳しさから「鬼の大松」と呼ばれました。ときには体罰もあったとか。ドラマでヤカンが映っていましたが、あれで水をぶっかけられることもしばしばだったとか。女子なのでさすがにゲンコツはなかったようですが、選手全員一列に並んで平手打ちというのは日常茶飯事。あと、遠征先で突然腹痛を起こさないように、病院と水面下で連携して選手には何も説明しないまま強制的に盲腸手術をさせていたとか。今なら大問題ですよね。


大松監督は先の戦時中は中隊指揮官だったそうで、あの過酷な戦場として知られるインパール作戦の数少ない生き残りだそうですから、その厳しさは軍隊で培ったものだったのかもしれません。この時代の指導者というのは、似たようなタイプの人が多かったんじゃないでしょうか。ただ、昨今の体罰教師パワハラ問題と違うのは、それでも大松監督は選手たちから慕われていたということでしょう。きっと、この時代と今とでは、何かが違うんでしょうね。体罰をする側も、される側も。


 ドラマでもあったように、あの有名な回転レシーブは柔道の受け身をヒントにした技だったそうです。肩から前に倒れながらボールを受け、身体を1回転させて立つ。素早く体勢を立てなおすことができる技です。漫画『アタックNo.1』にも出来きてましたよね。今では普通のプレーですが、最初にこれを見た外国の選手たちは、日本の選手の機敏さに驚いたんじゃないでしょうか。単なる根性論のみで厳しいだけじゃなく、技の考案などの理にかなった指導ができる監督さんだったからこそ、どれだけ厳しくとも選手たちがついてきたんでしょうね。「だけど涙が出ちゃう 女の子だもん」と言っていたかもしれませんが(笑)。


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by sakanoueno-kumo | 2019-11-05 13:43 | いだてん~東京オリムピック噺~ | Trackback | Comments(0)  

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