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ドラマ『テセウスの船』鑑賞備忘録。

ドラマ『テセウスの船』が終わっちゃいましたね。

この2ヶ月余り、大河ドラマのあとにこのドラマを観るというのが日曜の夜の定番になっていました。

いやあ、引き込まれましたね。

わたしが民放のドラマにここまでハマっちゃったのは久しぶりのことです。

で、最終回を観終わったいま、思いついたことを場当たり的に書き残しておこうと思います。


ドラマ『テセウスの船』鑑賞備忘録。_e0158128_20402744.jpg


わたしは東元俊哉さんの原作漫画を読んでいないので、原作との違いとかはよくわからないのですが、物語全体を通していえば、たいへん面白かったと思います。

ただ、こういう伏線をいっぱい散りばめた物語は、その回収作業がいかに上手く出来ているかで、観ている側はカタルシスを得られると思うのですが、その意味では、伏線を全部回収しきれずに散らかしっぱなしに終わった感があり、ちょっと消化不良でした。


まず、いちばん気になったままなのは、確か第3話あたりで金丸茂雄刑事田村心と学校の校門で別れたあと、車を停めて「よう!」と声をかけたのは誰だったのか?

その人物と金丸刑事を崖から突き落とした犯人は同一人物なのか?

ドラマの結末から言えば、突き落としたのは田中正志だったってことですかね?

でも、正志が金丸刑事から「よう!」と声を掛けられるような気安い仲だったとは思えないのですが・・・。

あそこが重要なポイントだと思って観ていただけに、なんかスッキリしません。


また、心の運転免許証が塗りつぶされていたのは何だったのか?

あの気持ち悪い絵を描いていたのは加藤みきおだったのでしょうが、ワープロの文章は田中正志?

佐野家の庭に青酸カリを埋めたのは正志?それともみきお?

長谷川翼を殺したのはみきお?

だとすれば、その理由は? その方法は?

徳本卓也井沢健次が穴を掘っていたのは何のため?

なんか、中途半端にわからないことだらけです。


それから、心が一度未来に戻ったとき、木村さつき音臼小事件の犯人がみきおだってことを知っているようでしたね。

でも、過去のさつき先生は、純粋にみきおを信じていたようでした。

じゃあ、いつ知ったのでしょう?

知った上でみきおの養母となったのでしょうか?

未来のさつき先生が、あれほどまで佐野文に罪をかぶらせようとしていた理由は?

単にみきおを守るため?

これも、なんかスッキリしませんね。


あと、加藤みきおについて。

みきおの目的は佐野鈴手に入れることだったわけですよね。

それだけの目的で多くの人の命を奪ったわけで、何とも狂気に満ちた少年だったわけですが、そんなサイコパスといえるみきおが、なぜ急に吾を助ける行動に出たのでしょう?

正志に裏切られたから?

鈴が悲しむから?

そんなことで、ああも簡単に心を入れ替えることができるのであれば、そもそも、あんな凶悪な事件を起こさないのでは?

みきおには最後まで狂気の沙汰でいてほしかったですね。

ちょっと肩透かしでした。


で、最後に、物語の結末について。

最終回前の制作サイドのコメントでは、「原作に沿った“ハッピーエンド”を考えています。」とのことでしたが、これってハッピーエンドなんでしょうか?

物語のタイトルでありテーマでもある「テセウスの船」

ナレーションはこう語ります。


ギリシャ神話に「テセウスの船」というエピソードがある。

その昔、戦に勝利してクレタ島から帰還した英雄・テセウスの船を後世に残すため、朽ちた木材は次々と交換され、やがて全ての部品が新しいものに取り換えられた。

さて、ここで矛盾(パラドックス)が生じる。

この船は最初の船と同じと言えるだろうか?


連続殺人事件を起こした凶悪犯人の息子として育った田村心が、30年前の事件直前にタイムスリップし、父の冤罪を晴らすために奔走。

音臼小事件そのものを未然に食い止め、父は凶悪犯の疑いを掛けられずにすみました。

その結果、その後、襲われるはずだった佐野家の不幸はなくなり、生まれてきた心は「佐野心」として人並みに幸せな人生を歩むことになります。

さて、ここで矛盾(パラドックス)が生じます。

田村心佐野心は同じと言えるのでしょうか?


この場合、佐野心の幸福は田村心の不幸の上に成り立っています。

佐野家を守った心優しい田村心は、その不幸な生い立ちによって形成された人間性だとすれば、その苦労を知らない佐野心は、田村心と同じような心を持った青年にはきっと育っていないでしょうし、田村家の不幸があったから佐野家に幸せが訪れたとすれば、何がハッピーエンドなのかはわからないですよね。

テセウスの船の矛盾(パラドックス)、奥が深いです。

まあ、所詮はファンタジーですから、真剣に考える必要はないのでしょうが。


とにもかくにも、最終回は少し消化不良でしたが、たいていのドラマは、最終回前までの物語の完成度が高いほど、最後は消化不良で終わることが多いものです。

本作はまだマシだったほうじゃないでしょうか。

いずれにせよ、しばらくテセウスロスになりそうです。



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by sakanoueno-kumo | 2020-03-24 00:45 | その他ドラマ | Trackback | Comments(0)  

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