近江佐和山城攻城記。 その５ ＜佐和山一夜城＞

「その４」のつづきです。

佐和山城跡の西麓にある東山公園の和山会館前に、佐和山城天守の模型があります。

石田三成の佐和山城には、天守があったと伝えられます。

三成の入城時期には諸説ありますが、天正１９年（１５９１年）説が有力。

佐和山城を与えられた三成は、荒廃していた城を整備し、天守をもつ近代城郭を造り上げました。

その天守の詳細は不明ですが、一説には、三重の天守だったとも、五重の天守だったといいます。

この模型は五重天守ですね。

「佐和山一夜城」と名付けられたこの模擬天守は、平成１９年（２００７年）に開かれた彦根城築城４００年祭の際のイベントプロジェクトで製作されたものだそうで、西明寺所蔵の絵馬「石田三成居城佐和山城之図」や龍潭寺所蔵の屏風絵にある五層天守をモデルに、京都の建築デザイン学校の生徒らが図面を作成し、地元の株式会社田中家石材が製作したそうです。

高さ約２．１ｍ、土台の底が１．７ｍ四方で、黒御影石や白御影石などを使って平成２２年（２０１０年）１月に完成させたそうです。

その説明板。

付櫓と渡櫓もあります。

東山公園から佐和山を望みます。

あの頂上にこの天守があったんですね。

佐和山は標高２３３ｍとそれほど高くない山ですから、あの頂上に五重の天守があれば、かなり目立ったことでしょう。

治部少に過ぎたるものが二つあり 島の左近と佐和山の城

石田三成には分不相応なものが２つあると揶揄されました。

そのひとつが、三成に三顧の礼をもって迎えられた家臣・島左近清興で、もうひとつは、ここ佐和山城でした。

少し離れて、西側の県道329号線から見た佐和山城跡。

三成の死後、佐和山城には徳川四天王のひとり、井伊直政が入城しますが、石田氏を慕う領民の思慕を断ち切る意味もあり、新たに彦根城築城を計画。

佐和山城は解体され、その一部は彦根城の資材に使われ、その他は徹底的に破壊されます。

三成の「過ぎたる」立派な佐和山の城は、今は面影もありません。

最後に、佐和山城の御城印を載せます。

次稿では、「その１」で紹介した西麓の登山口にある龍潭寺を紹介します。

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