あらためて、お亡くなりになられた方々とそのご遺族に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、ケガをされた方々の1日も早いご快復をお祈りするところです。
祇園の事件(あえて事故ではなく事件と言います)については、現在も検証中であり、その原因究明の推移を見守る必要がありますが、今のところ事故原因として、運転手に「てんかん」の持病があったことが取り沙汰されています。
実際にてんかんによる発作があったのかどうかは、運転手自身も死亡しているいため立証するのは難しいように思いますが、てんかんと聞いて思い出すのは、1年ほど前に栃木県でてんかん発作の男性が運転するクレーン車が歩道に突っ込み、小学生6人を死なせるという痛ましい事件が記憶に新しいところです。
あの事件以降、てんかん持病者の運転について厳しい規制を求める声も上がっていましたが、一方で「病人差別だ!」という反対意見も多く、そうこうしているうちに今回のような大惨事がまた起きてしまいました。
たった1年の間に同じような事件が2度も起きていることを思えば、ここまで大惨事には至らなくとも、その危険性をはらんだ事例は多数あるんじゃないかと想像します。
警察庁の発表よると、運転者の発作・急病による交通事故は2011年に254件発生。
そのうち、てんかんによる事故は73件で、うち5件が死亡事故だといいます。
この数字からみるに、幸いにして事故になっていないものの、その危険性をはらんだ持病者の運転手の数は、きっと数えきれないんじゃないかと・・・。
わたしの周りにてんかん持病者はいませんし(知らされてないだけかもしれませんが)、私はてんかんという病気にも詳しくはありませんが、何の罪もない人が突然襲ってきた車にひかれて理不尽に殺されて、運転手が病気だったんだから仕方がない、と納得できるはずがないということはわかります。
病人を差別するつもりはありませんが、二度とこのような悲劇が起こらないように規制するのは当然のことで、それを「病人差別」というのなら、私はすすんで差別に賛同します。
亀岡の事件(これは間違いなく事故ではなく事件です)については、18歳の運転手は無免許で、しかも徹夜で遊んだ上の居眠り運転が原因だと証言していますから、未成年であるということ以外にこの運転手を擁護できる部分はひとつも見当たりません。
願わくば、未成年ということを度外視した厳罰をもって臨んでほしいものですが、報道などによると、自動車運転過失致死傷罪の疑いとあり、危険運転致死傷罪には至らないようです。
無免許運転で危険運転致死傷罪を適用するには、スピードの出し過ぎと、運転技能の欠如を立証しなければならないのだとか。
平たくいえば、無免許でも運転が上手ければ厳罰に処することは難しく、運転が下手だと認められて初めて厳しい危険運転致死傷罪に問えるのだそうです。
何なんでしょう、このわけのわからない法律は・・・。
言ってる意味がさっぱりわかりません。
私は、この事件は厳罰とされる危険運転致死傷罪を科してもまだ軽いと思います。
自動車運転過失致死傷罪にせよ危険運転致死傷罪にせよ、本来、運転免許という国家資格を有していることを前提として、運転手の安全運転義務違反について裁く刑だと思います。
無免許運転で人を死に追いやった場合、道路交通法の枠で裁くこと自体おかしな話で、この場合、殺人罪として裁くべきなんじゃないでしょうか。
医師免許を持たない人が病人を手術して死に追いやったら、これは業務上過失致死ではなく殺人でしょう。
それと同じなんじゃないでしょうか・・・。
過失致死とは、殺すつもりはなかったけれど、結果的に死に追いやってしまった罪のこと。
たしかに、人を殺そうと思って運転していたわけではないのでしょうが、車は人を殺せる凶器となり得ることは誰しもがわかることだと思います。
無免許運転というのは、包丁を振り回して人ごみを走り抜けるのと同じようなもので、それを過失致死というのは、秋葉原無差別殺傷事件の犯人が「殺すつもりはなかった」と言うようなものです。
なぜ無免許運転が飲酒運転より罪が軽いのか、なぜ無免許運転が過失となるのか、頭の悪いわたしには理解困難です。
わたしは法律の専門家ではないですし、この法律の矛盾を説明できるほどの知識をもっていませんが、何の罪もない人が突然襲ってきた車にひかれて理不尽に殺されて、しかもそれが無免許運転だったと知って、許せるはずがないということはわかります。
被害者遺族の気持ちを考えれば、加害者を可能な限り厳罰に処するべきだと思いますし、二度とこのような悲劇が起こらないように、一刻も早い法整備を望みます。
祇園の事件にしても亀岡の事件にしても、何の罪もない人が多数犠牲になっています。
法律とは、罪を犯した加害者に罰を与えるためのものではなく、善良な一般市民を守るための抑止力でなければなりません。
そのためには、ときには差別も必要でしょうし、未成年に厳罰を科すことも必要でしょう。
病気であろうと未成年であろうと、人を殺してやむを得ないなんてことはあり得ないのですから・・・。
どちらの事件も、単なる死亡事故としてかたずけてはいけない事件だと思います。
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▲ by sakanoueno-kumo | 2012-04-26 16:37 | 時事問題 | Trackback | Comments(2)