すでに民主党・自民党・公明党の3党の間で合意されていたことですから、法案の可決については誰しもがわかっていたことですが、この度注目されていたのは、民主党内からどれだけ青票を投じる造反議員がでるかでした。
結果は反対票を投じた民主党議員は小沢一郎元代表、鳩山由紀夫元総理をはじめ57名、欠席または棄権した議員が17名で、民主党政権が過半数割れする54名をはるかに超える造反がでました。
「政治生命を懸ける」と大見得を切って臨んだ野田佳彦総理でしたが、その意気込みどおり増税法案の成立は確実にしたものの、民主党内の亀裂が決定的になったことで政権運営は難航必至。
まさしく、この法案成立を最後に総理の政治生命は終止符を打つことになるかもしれません。
それにしても、小沢さんはいったい何がしたいんでしょうね。
「増税の前にやることがある」
なるほど、その言葉だけ聞けばご立派なご意見ですが、とてもそんな純粋な考えからきた行動とは思えません。
「こわし屋」の異名をとり、これまで幾多の結党、解党を繰り返してきた小沢氏ですが、今回また党を分裂させてまで自説を貫いて、その先にいったい何を見ているのでしょうか。
この度の小沢氏の行動に対して前原誠司政調会長は、「目先の選挙のことしか考えていない」と批判していましたが、はっきり言って今、党を割って新党を作って選挙に臨んでも、小沢新党に追い風が吹くとは思えません。
小沢さんを支えているのは小沢グループと言われる数の力ですから、民主党に残っても新党を作っても、今選挙を戦えばその子分の多数を失うのは確実で、政界での自身の影響力を保持したいならば、できるだけ野田政権を引っ張って解散総選挙を先延ばしするべく協調路線に舵を切るべきだったんじゃないでしょうかね。
今回ばかりは「目先の選挙」のことすら見誤っているように思えてなりません。
かつては「選挙の鬼」といわれた小沢さんですが、さすがにここへ来てその神通力も賞味期限切れのようです。
一方の野田総理ですが、今のところ造反議員の処分については「厳正に対応する」との言葉にとどめていますが、どうあれここは厳しい処分を下すべきでしょう。
これが小泉純一郎元総理なら、即刻造反者を除名、解散総選挙で民意を問うとともに、造反者の選挙区には刺客を送るでしょう。
あれは高い支持率の小泉政権だったから出来たことだといわれるかもしれませんが、これだけの造反者がでた以上、もはや安定した政権運営は行えません。
ならば、政党政治の原則倫理に則って造反者に厳しい処分を下し、真っ向勝負で戦って政権が倒れたなら、そのときは潔く切腹すべきですよ。
それが「政治生命を懸ける」ということではないでしょうか。
あと、小沢さんの陰に隠れていますが、ある意味ずるいのは自民党ですよね。
もともと消費税増税は自民党の案だったわけで、その“泥”を民主党が被ってくれるならむしろその方がありがたいわけで、それを難癖つけては押したり引いたり足払いしたりして政局の道具にしているだけで・・・。
政治とはそんなものだといえばそれまでですが、彼らにしてみれば、小沢さんが造反して民主党が分裂することを見越しての3党合意だったわけですよね。
自分たちの手を汚さずに消費税増税を実現して、それで民主党が分裂してくれたら一石二鳥、このまま解散総選挙に持ち込んで政権奪回といった目論見なんでしょうが、有権者はそこまで馬鹿ではないですよ。
次の選挙で民主党は確実に議席を失うでしょうが、その分が自民党に流れると思ったら大間違いで、おそらくはどの党にも追い風とならない混沌とした選挙になるんじゃないでしょうか。
国民のほとんどは、増税が必要なことはある程度理解しているんですよ。
増税は痛いけど、国に金がないんだからやむを得ないだろうと。
でも、そこへ行き着くまでのプロセスがあまりにもお粗末じゃないですか。
民主党も自民党も、野田さんも小沢さんも谷垣さんも、結局のところ彼らの頭の中にあるのは政局か選挙のことばかりで、国民の側を向いた政治を行なっている政党や政治家はほとんど見受けられません。
きっとガラガラポンしても大して変わり映えするとも思えませんし、日本の政党政治の限界がきているのかもしれません。
もっと、日本の政治のシステム自体を変えなければ、政権交代しただけでは何も変わらないんじゃないかと。
だから、まだ海の物とも山の物ともつかない橋下徹氏が率いる維新の会に注目と期待が集まるんですね。
少々過激だと思いながらも、何かを変えてくれるんじゃないかと・・・。
もっとも、3年前の政権交代のときも、そう思っていたんですけどね。
さて、選挙のためであれ政局のためであれ、法案の賛否を明確にした議員は、ある意味議員としての最低限の仕事はしました。
もっとも卑怯なのは、棄権・欠席した議員の方々です。
これこそ、自身のことしか考えてない愚行といっていいでしょう。
最後に、その方々を枚挙します。
▼棄権
【当選6回】 小沢鋭仁(山梨1)
【当選5回】 原口一博(佐賀1)
【当選4回】 黄川田徹(岩手3)
【当選3回】 篠原孝(長野1)・村井宗明(富山1)
【当選2回】 橋本清仁(宮城3)・福田昭夫(栃木2)
【当選1回】 石森久嗣(栃木1)・空本誠喜(広島4)・玉置公良(比例近畿)・宮崎岳志(群馬1)・柳田和己(比例北関東)・山岡達丸(比例北海道)
▼欠席
【当選14回】 羽田孜(長野3区)
【当選2回】 石関貴史(群馬2)・梶原康弘(兵庫5)
こんな大事な法案の採決を棄権した奴らに、国会議員として給料をもらう資格はありません。
即刻、議員辞めていただきたく思います。
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▲ by sakanoueno-kumo | 2012-06-27 17:11 | 政治 | Trackback | Comments(2)