永井さんといえば、国民的人気アニメ『サザエさん』の磯野波平役を実に半世紀近くも演じてこられた、「日本の父」とでも言うべき声の主ですね。

たしか、ビートたけしさんと安住紳一郎アナのニュース番組のナレーションもしておられましたよね。
ナレーションはともかく、いまごろ波平役の後任探しに右往左往してることでしょう。
波平さんは存在感の大きな役ですからね。
「ばっかもーん!」
あの声が聞けなくなるのは寂しいかぎりです。

当時わたしは子供でしたから、2人の声を同じ人が演じてるとはまったく気づいておらず、それを知ったときは驚きましたね。
声優さんってスゴイなあ・・・と。
とくに心に残っているのは、やはり最終回のラストシーン。
昨年亡くなられた納谷悟朗さんが演じる沖田十三の死に際に立ち、敬礼するシーンです。
このとき佐渡先生は絶句するだけで台詞はないのですが、その息遣いがこちらに伝わってきました。
納谷さんも永井さんも、もとは声優さんではなく俳優さんですから、きっと台詞のないところでも演技されていたんでしょうね。
おそらく『サザエさん』は、この先何十年経ってもずっと続いていく作品でしょうから、やがては声優さんすべてが入れ替わり、2代目、3代目の波平役の方へと引き継がれていくでしょう。
でも、われわれ世代の波平役は、たぶんこれからも永井さんであり続けると思います。
永井さんの訃報の数日前には、アニメ『巨人の星』の星一徹役だった声優の加藤精三さんも亡くなられたそうですね。
磯野波平、星一徹、昭和を代表する父親像だといっても過言ではないでしょう。
もう、消滅してしまった父親像ともいえるかもしれませんね。
お二方が亡くなられたことで、厳格な父親像は、よりいっそう過去の遺物化していくかもしれません。
昭和は遠くなりにけりです。
日本の父親を失った・・・そんな気さえします。
心よりご冥福をお祈りします。
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▲ by sakanoueno-kumo | 2014-01-29 20:45 | 映画・小説・漫画 | Trackback | Comments(2)